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製造工程の進捗管理

これまで大企業から中小企業のいろいろな人達と仕事してきました。
製造業に従事する、ある係長の仕事について触れましたがその中で、製品出荷に追われてとても忙しく日々過ぎている。業務改善も思うように出来ないで生産性向上が図れないで悶々と日々過ごしている。これらを改善するには組織機能を見直すことが必要になってきます。

製造業の大量生産品は海外生産に移っていることもあり、国内生産は小ロット生産が主体となっている背景もあり製造部は多機種製品の納期管理が複雑になってきています。
製造業といっても幾つかありますが、今回のものは、加工工程が短いものではありません。例えば加工工程が短いもの、プレス板金加工とか、モールド部品成形などは設備1工程で完成するよものは、誰が見ても進捗は分かります。

ここでは、加工プロセスが幾つかの設備を経由したり更に人の作業が介在することで完成品とか半完成品とし出荷するような製品です。こういった、製品の多種多様の製品は投入してから出荷までの工程が組み合わされていることもあって、どこに仕掛になっているのか?いつ完成できるのか?がそれぞれの工程の製造順番で変わってくる。
また、工程別に組織を分けてそれぞれの管理者が担当していることが製造部組織体制となっているのが一般的である。

例えば、
①(装置工程担当者)と(人手作業工程担当者)の組織
②(装置工程+人手作業工程)のライン別組織
それぞれ組織として一長一短があるが、共通するのは自分の工程の進捗しか情報を持っていないことである。したがって、製造部門全体としての進捗がわからない。投入してからどのような順番で完成してくるのかわからない。
また、生産管理システムは世の中に幾つもあるが、中小企業では投資効果に釣り合わないことや使いこなしで難しさがあるので工程内進捗は工程管理者に頼っている。それも、あくまで製造管理担当者のスキルに頼っている。

生産管理部門は、業務範疇として生産計画と出荷管理しか行っていないことが一般的かと。この場合、実際の生産における投入順番は製造部が自分達の都合で決めて行うこと(もちろん出荷日程を考慮はする)になるが、製造部内組織担当が分かれていることで、担当者の考える都合で製造されていくことになる。ここでの問題は工程内の各々の都合で生産順番が決められていくことで出荷に遅れが発生してくる。特に緊急性がある製品の場合、旗振り役が存在しておらず、それぞれの担当者と情報伝達が上手く機能せず進捗として、どこまで進んでいるか情報の共有が機能しない。結果的に最終工程の担当者にしわ寄せがやってくることになる。

これらの問題解決の一つの方法として、出荷計画に対する進捗管理者を設置すること。いわゆる全体を統制する進行役を設けること。
特急依頼品などをどの様に割り込み生産していくのかコントロール出来る。
所属は、製造部門内に所属した方が組織の壁にならずに済むし調整しやすくなる。(生産管理部に所属させても良いが部門間の壁にならない様に人選すること)
この進捗担当者は、コミュニケーション能力と能動的に活動出来る者を人選するのが望ましい。
出荷計画から投入計画とそれぞれの工程の進捗と加工時間を把握して工程管理者と調整することが主業務となります。

まとめ
進捗管理は、必ず発生するもので工場の誰かが必ず管理しなければなりませんし、そのための時間を誰かが費やすことになる。それならば、組織と管理者役割と機能を明確にして『製造管理者にはQCD生産性追求を行う』、『生産進捗全体コントロールは進行役が行う』と役割を明確にする。
こうした役割を明確にして効率良く組織が機能するように設計運用すべきと思います。製造工場部門全体の生産性向上を図っていく。

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