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買い物から企業戦略や社会状況がみえます

私は、もともと営業から仕事をはじめましたから、職業柄とでもいうのでしょうか、妻と買い物に行けば、売り場をみることが好きです。
いわゆるマーケティングというやつでしょうか。今、どのようなものが、いくらの値段で販売されているかを把握することで、いろいろな予測をして楽しみます。

今年はじめあたりは、順調に商品価格が上がっていましたが、夏ごろからでしょうか、商品によっては特売価格が戻っている印象でした。もっとも、いつも買い物にいく地場スーパーですから、とても狭い範囲しかみておりません。それでも年末にかけて間違いなく商品価格が下がってきています。

私の家でも買う商品数を減らしたり、別な企業のより低価格の商品に切り替えていますので、これが全国規模でおこれば、企業の業績は、値上げどころではなくなくなるでしょう。
昨日、今年10月の家計調査で2人以上の世帯が消費に使った金額は去年より2.5%減少したと、総務省の家計調査報告がでました。8か月連続の減少です。
東京商工リサーチ調べによる物価高の倒産件数は、次の通りです。

東京商工リサーチ

国内での売上が大きな企業ほど、急激な物価上昇においては窮地に立たされそうです。商品価格を上げるのは、他社を含めて横並びができますが、消費者の動向をうまく把握できなければ、商品の販売力はみるみる落ちていくでしょう。国内企業にとって、まさに死活問題となるような状況が目の前に現れてきているのかもわかりません。

企業の倒産が増えてくると、当然ですが、非自発的な退職者が増加します。このことで日本社会でも転職がより進むのではないでしょうか。勿論、中小企業では、現在でも人の入退社が多く、以前から転職社会ですが、今後はある程度の規模の会社においても倒産が進み、非自発的な転職者が増えるのではないか、と想像しています。
下のグラフは、マイナビリサーチラボの正社員の転職資料ですが、自発的転職者自体も増加傾向にあるようです。

マイナビリサーチラボ

一方、この時期の企業戦略をみるには、スーパーの売り場は最高の情報源でしょうか。売場から企業戦略が、みてとるように理解できるからです。やはり強い企業ほど細やかに商品展開をしており、少量多品種販売ができる製造ラインがあるのだ、と気づいたりできます。
現状のような物価高の状況を抜け出すために生き残りかけた闘いは、すでにはじまっているのではないでしょうか。
企業は、消費者の動向を慎重にみておかなければ、いつしか、商品は消費者から離れていくものです。スーパーの売り場が、商品たちのリングのようにみえているのは、私だけでしょうか。いつまでも営業時代の習慣が抜けませんから職業病かもわかりません。治療法がない困った病です。

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