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#2 各種構造分析(24.05.14 )

こんにちは!那須塩原市企画政策課のせーこです。
日に日に暑さが増していますが、夏はイベントが多いので今から楽しみです!

前回は「#1 ブランド構造分析(24.04.19)」の投稿をしましたが、今回は2回目のミーティングのレポートをします!
(↓もしよろしければこちらもご覧ください)

#2では、各種構造分析ということで、那須塩原市が公表している人口構造や観光動向などの基礎的な数値データを洗い出して構造的に整理することで、那須塩原市のまちとしての特徴を明らかにしつつ、どんな人を呼びたいかを議論することを目指しました。

目的:那須塩原市のまちとしての特徴を明らかにし、まちに呼びたい人を具体的にする議論をすること
手段:各種構造分析
方法:デスクリサーチ情報を基に、特徴を分類・整理し、議論する。
情報ソース:以下
総務省「国勢調査」
厚生労働省「人口動態調査」
国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」
総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告」
那須塩原市「観光動態調査」
栃木県「観光動態調査」
栃木県「観光客入込数・宿泊数 推定調査結果」
那須塩原市「観光マスタープラン」
・環境省「地域経済循環分析」「地域産業連関表」「地域経済計算」(株式会社価値総合研究所(日本政策投資銀行グループ)受託作成)

ということで、今回もレポートします!


①各種構造分析(オリエンテーション)

那須塩原ブランドニットプロジェクトのメンバーである栗原さんより、ワークの進め方のオリエンテーションをしてもらいました。
前回の、那須塩原市はどんなまちを目指すのか?というブランド構造分析を参考にしながら、
・観光動向分析(どんな交流人口が考えられる?)
・移住関連分析(どんな関係・移住人口が考えられる?)
・人口構造分析(どんな移住・定住人口が考えられる?)
などの交流〜定住に関する那須塩原市での人の動きを理解した上で、
・ペルソナ設定(つまり、どんな人たちに来てほしい?)
という議論をしていこう!ということになりました。

構造分析の概観(当日の資料より)

ともすればこういう分析は過去データの整理になりがちだけど、ブランディングのように少し先の未来を考えるときにはつみあげて分析するだけではなく「仮説を立てること」が大事になるよね。という話もチームで共有して議論を進めていきました。(仮説思考…アブダクションっていう言葉があるのですね…)

アブダクションとは(当日の資料より)
アブダクションとは(当日の資料より)

ということで、ワークに進みました!

②各種構造分析(ワーク)

ワークのパートでは、那須塩原ブランドニットプロジェクトのリサーチ周りでご協力いただいている丸田さんにバトンタッチです!

丸田さんより膨大なリサーチ結果をウワーッとご説明いただき、それを聞きながらメンバー全員で付箋紙にメモを取って、貼り出す!ということを延々と2~3時間くらいかけてやっていきました。(これが大変でした!)

ワークの進め方(当日の資料より)

量がすごいので全部は書ききれませんが、個人的に面白かったところをご紹介します!

20代・30代からの熱視線?!

↓は那須塩原市の転入・転出者の推移を見たものです。コロナ禍から直近にかけて、20代・30代の動きが目立っていました!

例えば、20代は進学や就職などで動きやすいですし、30代はコロナ禍で首都圏からテレワーク可能な方々が移住先として選んでくれた、ということが考えられます。

那須塩原市の転入・転出者の推移(当日の資料より)
那須塩原市の転入・転出者の推移(当日の資料より)

その上で、私たちがいいなあ!と思ったのは、
・20代、出るのはわかるけど、入ってきてくれてもいる!
・30代、コロナが終わっても、入ってきてくれてる!

ってことです!

もしかしたら20代・30代のみなさん、
それぞれに感じる良さがあるのかも?
それはなんだろうか?
明らかにしていきたい!そう思いました。

こんなデータもあるよ!って栗原さんが見せてくれて、20代のみなさんにも選ばれるまちになりたいなあと感じました。

移住定住 基礎情報(当日の資料より)


首都圏から通って移住?!

ちなみにどこから移住してきてるか?でいうと、近くは大田原市から、遠くは東京都からが多いみたいでした。

移動前後の住所地別転入出数(当日の資料より)

それでもしかしてと、観光の方のデータも見てみると、首都圏が多い!

那須塩原市を訪れた観光客の居住地(当日の資料より)

しかもみなさん車で来ているようで(意外)、

那須塩原市を訪れた観光客の交通手段(当日の資料より)

5回以上来てくれるリピーターが多い!(嬉しい)

那須エリアを訪れた観光客の来訪回数(日帰り・宿泊)(当日の資料より)

何度も繰り返し来てくれて、その結果、いいなと思って、移住してくれてるのかも。そうだとしたら嬉しいし、もっと住みたいと思える観光コンテンツがあったらいいよね、とみんなで議論していきました。

それで、観光に来てくれてる人がどこに行っているのか?というのを見ていくと、日帰りも宿泊も「買い物」がありながら、宿泊となると自然や温泉など様々なコンテンツが出てきました。

那須エリアを旅行先に選んだ理由(当日の資料より)

那須塩原は何か際立ったものがあるわけではないのですが、
買い物ができて、自然に触れ合えて、温泉もあって、
そんなバランスの取れた心地のいい時間を提供できている、だから住みたいとも思える、そういうことなんじゃないかなあ〜そうだったらいいなあ。(なんて都合よく考えてました笑)

実は「ものづくり」のまち?!

↓は那須塩原市の産業構造を見ていった資料です。
・那須塩原市で生産額が大きいのは 「その他の製造業」「輸送用機械」
・那須塩原市で規模が大きい産業は 「その他の製造業」「輸送用機械」
・那須塩原市が得意とする産業は 「その他の製造業」「農業」等
でした。私は、観光業や農業が大きな割合を占めると思っていたので少し意外でした。

那須塩原市の産業別生産額(当日の資料より)
那須塩原市の産業別生産額構成比(当日の資料より)
那須塩原市の産業別生産額修正特化係数(当日の資料より)

全国比だけではなく、栃木県内のほか市町村とも比較していきました。特に市外の人からは那須エリアとひとくくりで見ていただくことの多い「那須町」と比較してみると、その違いは一目瞭然でした。

那須町の産業別生産額修正特化係数(当日の資料より)

これらは私たちにとっては、大きな発見で、那須塩原市の特徴とは何かを議論していく重要な情報になりました。あるメンバーからの「那須塩原市は、実は”人の工夫”が強みの”ものづくりのまち”なのではないか?」という発言で、議論が盛り上がりました!


他文化が交流するエリア?!

これは言わずもがなですが、那須塩原市は3つの他文化が合わさったエリアであります。
かつて御召列車の発着駅でもあった黒磯駅を中心に那須高原への玄関口となっていた黒磯地区、明治期の那須野が原開拓の中心であった西那須野地区、開湯1,200年の歴史ある温泉地を有する塩原地区。以前は別々の自治体だった3地区が平成17年の市町村合併により那須塩原市となりました。
これまでも、それぞれの地区で培ってきた文化を交流させながら今の那須塩原市をつくってきました。
ブランドニットプロジェクトを推進することで、今まで以上に一体となって那須塩原市を発展させていきたいと思います!

黒磯地区の特徴(当日の資料より)
西那須野地区の特徴(当日の資料より)
塩原地区の特徴(当日の資料より)

③ペルソナを考えてみる

「②各種構造分析(ワーク)」でインプットしていった情報をメモして「どんな人たちに来てほしい?」というテーマで、ディスカッションしていきました。↓はそのワークシートです。

ペルソナワークシート

那須塩原市の特徴としてはやはり豊かな自然が日常にあるところで、それを求めて観光客や移住者が来てくれるのではないかという話がありました。
栗原さんが言うにはキャンプ場に行くまでの道路に勾配がないのは珍しいそうです。日常に自然が溶け込んでいることが魅力だなんて住んでいるとなかなか気づけないものですよね。(私だけ?)
そういった自然を求めて来てくれているのかどうかは聞いてみないと分からないけれど、データとしてはここ数年20代~40代は転入超過になっている。これは、新型コロナウイルスの影響もあって、リモートワークが普及して、「転職なき移住」が可能になったという社会的背景も大きいのかなと言う意見もありました。
特に、30代~40代で家族で移住してくれる方もいて、那須塩原市を選んでくれて嬉しいし、より住みやすいまちにしないといけないなと思いました。
20代も転入超過でありがたいことなのですが、性別で分析すると男性に比べて女性の転入が少ないということも分かりました。
確かに、若い女性が那須塩原で生きていくのには選択肢が少ないかもしれないという議論になりました。
男性はもちろん女性も那須塩原市で様々な生き方を選択できるようなまちづくりにより一層取り組んでいきたいです。

細かく分析することで、那須塩原市の特徴や強み、課題が少しずつ明らかになった気がします。
今回設定したペルソナはあくまで今いるメンバーで分析した結果なので、これからオープンワークやオープンカフェを通して仲間が増えていったらまた違う形になるかもしれません。
たくさんの仲間と那須塩原市について考えていけたら素敵ですよね。

④次回ミーティング(#3:24.05.28)に向けて

最後に、次回ミーティングのアジェンダと宿題を共有しました。

目的

これまでの那須塩原市の目指す方向性と、基本的な情報整理を基にした来てほしい人たちの仮説、を基に「ベンチマーク設定(競合・参考)(どんなまちと比べられそう?どんなまちが参考になりそう?)」を設定してみる。

アジェンダ

  • 地理構造分析(どんな地の利がある?)

  • ベンチマーク設定(どんなまちと比べられそう?どんなまちが参考になりそう?)

宿題

  • #1と#2の分析を基にして国内外のベンチマークとなるまちをデスクリサーチしてくる!(デスクリサーチにあたっては、分析内容を学習してくれたChatGPTも活用しました)


と、いった感じで、#2でした。。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
次回は、「#3 地理構造分析(24.05.28 )」のレポートを書きます!
それではまた!


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