Luna

現役の高校教員です。

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現役の高校教員です。

最近の記事

そしてバトンを手渡した。

 先日、人生で初めて受け持ったクラスを無事に卒業させることができた。  既に2、3回ほど生徒に泣く姿を見せてしまっていたので、生徒には「泣き虫」なんて呼ばれており、「式中はとりあえず耐える!」と意気込んで式に臨んだ。  呼名までは無事に乗り切って「あれこれは意外にいけるのでは?」と思っていたら、ダメだった。自分のクラスの生徒の「答辞」で涙腺が崩壊し、そして学年全員で歌う「式歌」で追い討ちだ。退場の頃には涙が枯れてしまうと思っていたら、号泣している生徒の姿が目に入り、もらい泣

    • 「自分らしく」なんて言わなくても

       前回の投稿から2か月ほど時間が空いてしまって情けないやらなんやら。今回は「自分らしさ」に関する一冊。 カルチャーショック? 人生で数回「カルチャーショック」のようなことを経験してきた。父親が海外で働いていて転勤が多いから住む場所も通う学校も転々としてきた、なんてことはなくて、九州生まれの九州育ち。いわゆる「九州男児」なのかもしれない。それでもやっぱり、僕が経験したことは紛れもなく「カルチャーショック」だっただろうと思うし、であるならば、ほとんどの人が同じことを経験したこと

      • 辻村深月という作家

         前回から間が空きすぎて自分の中の三日坊主が健在なことにうんざりしている今日この頃。  今回はついに大学に入って初めて自分のお金で買った本の作家であり、そこから4年間愛してやまない辻村深月という作家との出会い、そしてその魅力について書いてみたい。 辻村深月との出会い 最初に買ったのは「凍りのくじら」という一冊。他の作品にも言えるけど、辻村深月の本はとてもカテゴライズが難しくて、「凍りのくじら」にしても、ミステリーともSFとも言えるし、と思えば「いや実は恋愛小説なの

        • 正しい選択、正し「かった」選択

           「人生は選択の連続だ」年を取るにつれてこの言葉の意味を思い知ることになる。どの高校に行くか、部活に入るか、大学に行くか、どんな仕事に就くのか、結婚するのかしないのか、などなど。そして、一度選択した後も「あの時こうしていればよかったんじゃないか?」「あれは正しい選択だったのか?」考えてしまうことがある。何かを選択するのに悩み、一度選択してからも悩み。とにかく、何かを選ぶのはつらいし、めんどくさい。そして今回紹介したいのは、この「選択」が一つのテーマになっている本。  朝井リ

        そしてバトンを手渡した。

          「多様性」ってめんどくさい?

           さて、いよいよ今回からは読書録を書いていこうと思う。そもそも僕が読書に目覚めたのは大学に入ってからのこと。決して本が嫌いだったわけではなく、中学・高校と部活三昧でシンプルに読書に割くような時間も心の余裕もなかった。ところが大学生になったとたん、意味の分からないほど暇な時間を与えられたので、「じゃあ本でも読んでみるか」というのがきっかけ。だから、「○○のために本を読もう!」という感じに、読書に明確な目的があって始めたわけではない。だけど大学4年間で人並みに読書してきて、あえて

          「多様性」ってめんどくさい?

          想像力をもって、バランスをとって

          noteを始めた理由から、急に読書マラソンに移るのもあれなので、自己紹介も兼ねて、自分の信条のようなものを語っておこうと思う。この信条というのは、生まれてから常に意識して節目節目の自分の選択に作用してきたというわけではなく、振り返ってみれば「こういうことを大事にしてきたんだな」「これからも大事にしたいな」くらいの感じ。 想像力。これは簡単に言ってしまえば「相手の立場に立って物事を考えましょう」という、小学校で習うようなことだ。もう少し難しい言葉でいうと、「社会学的想像力」と

          想像力をもって、バランスをとって

          「言葉」にすること

          どうやらnoteというのが最近流行っているらしいということに気づいたのはもう大分前のこと。その時は「ブログ的なもの?」くらいにしか捉えてなかったけど、ただの日記かといえばそうでもないらしいと友達のnoteを読んでいて思った。そんなこんなでnoteという存在を知ったのは直接的には友人の影響だが、ではなぜ自分がnoteを「書く側」になってみようと思ったのか?という点について、最初に話してみたい。 学校段階が変わっていくのに従って、友人とのトピックも変わってくる。中学校・高校では

          「言葉」にすること