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#29 元自治体職員が感じた「公務員ってこんな仕事でした」

 一言で「公務員」といっても職種は様々で、市役所県庁県警消防霞ヶ関裁判所など多岐にわたる。
 市職員の中でも私のように行政事務もいれば技師,消防,保健師などさらに細かく分類できる。

 私は行政事務しか経験したことがないので、あまり知ったように書くことはできないが、採用前とのギャップなど感じたことをつらつら連ねていこうと思う。
 あくまで私個人の意見で,職種や部署によって全く異なるので、ふーんってかんじで読んでくれたらいい。

1.ホワイトではない
 「公務員ってホワイト」の発想はそろそろ消え去ってほしい迷信だ。これもまた部署によるが、総務系、財政系の部署に配属されると基本的に時間外労働は当たり前で深夜休日を問わず働く。(私のいた市役所はそうだった)
 生きるために仕事をするはずなのに気づけば仕事のために生きている状態だ。私が仕事終わりに同期と飲み、23時ごろに役所の前を通るとほとんどのフロアで電気がついていた。それを見た時はさすがに恐怖を感じた。
 私の担当は基本的にそこまで忙しくなかった(年度替わりと予算の時期を除いて)ので、そう思うとまぁホワイトだったのかもしれない。

 ちなみに私の1日のスケジュールはこんなかんじ▼
8:20 出勤〜朝のミーティング
8:30 始業 メールチェックや決裁文書の処理
窓口や電話対応 照会の対応 経理事務など
12:00 お昼休み(1時間しっかり休む)
昼休みに職場にいると電話が鳴った時出なきゃいけないのが嫌なので基本外に出ている
13:00 午前の続きだったり窓口対応だったり
16:00 気付けばあと1時間…この時間から何か新しいことに着手すると中途半端になるのでチラシの補充とかちまちました作業系
17:15 定時 基本的にノー残業で帰宅

繁忙期(特に年度変わり)はどうしても19時くらいまで残ったりもしたがその分手当は出るから気にしていない。

2.真面目な人ほど仕事が増える
 本当にこれ。積極的に関わるとじゃあ続きお願いね,ってかんじで仕事増やされる。
 逆に閉鎖的で最低限の仕事をしている人はそんなにたくさんの業務を振られない。
 ノルマのない月給制職員は1日にどれだけ働こうと基本給はそのままだ。
 それなら忙しくない方がいい(私の場合)

 そしてエリートは総務系だったり新設された部署(〇〇推進室とか)へ進んでいく。
 そうなると出世コースと共にもれなく忙しさがついてくるので私は出世したいなんて1ミリも思わなかった。

3.誰のために働いてる?
 地方公務員あるあるの中に「議員対応」がある。市民の意見(ほぼクレーム)を聞いた議員が、ただでさえ忙しいこちらへ横槍を入れt……貴重なご意見をよこしてくる。
 これがパッと終わる物ではない。例えば公園のトイレを新しくしろとかそんな感じ。基本的に議員は課長級が対応するのでこちらは言われた資料を準備するくらいだが、このために何日もかけなければならないこともある。
 市民の皆さんのより良い生活のために…!と公務員試験をクリアしてもこんな業務ばかりでは正直やりがいはない。

4.でもやっぱり福利厚生はいい
 公務員といえばその福利厚生のよさ(そしてローンなどの審査の通りやすさときたら)だ。休暇の種類も多く、退職金もかなり多い(その分雇用保険はないが)
基本的に休みは取りやすい環境にあると思う。というか休暇申請は基本的に拒否されることはない。嫌な顔をすればパワハラと言われるから上司も大変だ。
その他にもスポーツセンターや宿泊施設などが特別価格で利用できるのも魅力だろう。

5.決して高給取りではない
 先ほど退職金の話をちらっとしたが、基本給は民間の方がいいと思う。知らんけど。
ほぼ同い年の金融で働いている友人は私の倍くらい貰っているので聞いた時は耳を疑った。
 よく窓口にくるクレーム老g……お客様は「お前らいい給料もらいやがって!」と勝手にキレるが、入職5年目、残業しなかった月は手取りが17万くらいなのでなんとも言えない。しかしこの手取りでも贅沢をしなければ(たまにはするけど)何も不自由なく生活はできるので心配しなくていいと思う。東京とかの物価の高い地域ではかなり率の良い地域手当がつくらしい。

6.「税金泥棒」と怒鳴る老害は実在した
 これまたよく窓口にくるクレーム老g……市民の方はここぞとばかりに「こっちは税金を払ってんだ!」と怒鳴る。流石にこんなセリフ吐く人がまだいるのかと笑ってしまった。ちなみにこちらも納税をしているので偉そうに言わないでいただきたい。

7.課長よりも強い会計年度任用職員
 役所に勤めた人は「あー、わかるわかる」と頷いてくれるはず。我々(私は「元」だけど)正規職員は数年おきに人事異動で色々な職場を経験するのだが、会計年度職員(いわゆる非常勤嘱託職員)は、その課の予算で採用されているので長い人だと15年以上同じ職場に勤めているのだ。
 そうなると、なぜかボス感を漂わせて誰にでも強気になる(私の元職場はそういう人が多かった)。というかおばちゃんはそういうものなのかもしれない、知らんけど。

8.変なところでケチる(電気代とか)
 役所は特に電気代をケチる。昼休みになると消灯するし、空調は気温の限界ギリギリまでつけない。
デスクワーク用の小型電気ヒーターは電力を食うから禁止。労働環境がブラックすぎて笑える。
 ちなみに話はそれるが、給料日の朝はなぜか庁舎周辺のゴミ拾いをさせられる。たぶん市民の皆さまの税金をいただいていることへの感謝のパフォーマンスだろう。
こっちだってちゃんと働いてお金をもらっているのになぜそこまで市民に媚びへつらうのかは謎。

9.部署に関わらず災害対応
 自治体職員に欠かせないのが災害対応だ。我が身より家族より市民の安全が優先されるというエニグマ。
 ちなみにこのシーズンは特に大雨で避難所が開設されるので私もよく駆り出された。(もちろん特別手当がつく)
 あるあるなのが、独身の若手から声をかけられることだ。一人暮らしだって別に暇なわけじゃない。

 あれこれ感じたことはここに書ききれないくらいあるが、キリがないので今日はこの辺で。
また何か気づきがあれば随時更新をしていこう👋

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