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10年後の新入社員の取扱説明書【最終話】

こちら第3話目です。1話目がまだの方はそちらから是非ご覧いただきたいです。

さて、ここまで「コロナ自粛期間」が子どもたちに与えた影響について説明してきました。
少しネガティブなイメージを感じている方も多いかもしれませんが、これを幼少期、また思春期に経験してきたからこそ、ポジティブに捉えることもできます。
まず、【圧倒的な我慢強さ】です。学校にまで行けなくなるような、あれだけの規制が世界中にかけられた時期を今後経験することはないでしょう。そして、当たり前の日常が当たり前に送れることの幸せを、この年代で実感できたことも大きな財産になったと思います。もちろん、彼らが今あの時期のことをポジティブに捉えられるかはわかりませんが、これから何らかの壁にぶつかったとき、改めて実感してくれるのではないでしょうか。

このように、コロナ禍を経過してきた彼らが10年後、新入社員となったときに、上司になるあなたに必要なことは、近すぎず遠すぎない距離感で接して、チームで行う仕事はファシリテーターになり、個人に仕事を任せるときは粘り強く見守ることです。今の子どもたちは、ここから先の人生でコロナ禍で失った経験を取り戻そうと必死になって生きていくはずです。それでもすべてを取り戻すことは簡単なことではないはずです。ましてや10年も経ってしまうとこの期間の記憶も薄れてしまい、上司のあなたはそんな新入社員を見て「今どきのやつは。」と言っているかもしれません。しかし、人間形成を行なっていく、幼少期、思春期にこのような経験をしてきた世代だと考えることで、少しアプローチの仕方も変わるのでしょうか。もちろん、社会に出てきた以上、甘やかすべきと言っているわけではありません。しかしながら、部下を育てることも上司の仕事であるならば、彼らの背景にも目を向けることで、効率よく関わることができるのではないでしょうか。
数年前に比べて、ICT機器の取り扱いにも慣れたり、プログラミングまで学習している世代です。そんな彼らをうまく戦力として育てていくためにも、この取扱説明書のことを思い出してください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。やはり教育現場にいると、少しずつ子どもたちの特徴に変化が見られます。その背景にはさまざまな要因がありますが、どんな時代に生きる子どもでも、幸せになってほしいと思っています。だから社会に送り出す私たちも大切に育てますし、社会に出たあとに受け入れていただく皆さんにも、大切にしてほしいと思っています。厚かましい話かもしれませが、そうやって社会全体で、これからの時代を守る人材を育てていくことが、これからの時代には必要なのではと感じています。私1人の力では無力に等しいですが、お一人でも共感してもらえるとそこから大きな力になっていくと信じています。


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