人と繋がることで次の一歩を踏み出す―NPO法人マザーハウス会報「たより」2023年3月号Pick Up
NPO法人マザーハウスは、受刑者・出所者の社会復帰支援をする団体です。私たちは会報誌「たより」を毎月発行しています。
塀の中の受刑者から寄せられた手紙(便り)や絵、社会にいる私たちから送りたいメッセージなどを掲載しています。今回は2023年3月号の内容をご紹介します。
「刑務所アート展」を終えて
「刑務所アート展」を2月17日~3月5日に、東京都小金井市のギャラリーで開き、応募された作品のすべてを展示しました。
会期中の来場者数は累計559名で、小さな子どもから高齢者まで幅広い来場者が訪れてくださいました。30~40分滞在して作品をじっくりとご覧になる方が非常に多かったです。1時間以上滞在される方や連日訪れる方もいらっしゃいました。
展示にあたって、応募者自身の手で書かれた作家名・作品名・作品説明を切り抜いて作品の横に置きました。来場者は、それをじっくり読みながら、一つひとつの作品をご覧になっていました。手書きの文字には個性が感じられて、「受刑者」ではなく一人ひとりと作品を通して向き合ってもらいたく、そのように展示しました。
今月号のたよりでは各賞について発表しています。ぜひご覧ください。
記事紹介「歌舞伎町をさまよう27歳女性、万引きで4度目の刑務所へ 母の自殺、性暴力やDV…壊れたこころ」
今月号のたよりには、「弁護士ドットコム」から下記の記事を転載しています。なお許諾は得ています。
この記事を読んで、みなさんはどのようなことを思いましたか?
私(たより編集者)は、とにかくこの女性がこれからたくさんの人の愛に触れ、自分自身と自分の人生を大切にできるようになってほしいと願います。これまでとても辛かったことでしょう。このような幼少期を過ごしていたら、よほど親身になって助けてくれる大人が近くにいない限り、普通の生活が送れるようになるはずがないと思うのです。
根本的な問題を解決するには、多くの人の助けが必要だと思います。
みなさん色々な考え方があると思います。ぜひ考えていただければ幸いです。
「塀の中のたより」~受刑者からの手紙~
受刑者から私たちのもとに届いた手紙のうち一部を抜粋してご紹介します。なお本人の許諾を得て掲載しています。
編集後記
不安な時、私たちは他者に感情を吐露することで安心感を得、次に進むことができるように思います。受刑者もきっと同じでしょう。
今回の「塀の中のたより~受刑者からの手紙~」では、一つは出所を前にした不安について吐露してくださった方の手紙で、もう一つは社会生活期間がとても短い人生なので、学びが必要だという内容のものでした。
不安な時だけではありません。私たちは普段から人と繋がることで安心感を得、日常を営むことができていると思います。「刑務所アート展」もそういった「繋がり」を作る試みの一つだったと思います。
受刑者や出所者の皆さんも孤立感に苛まれず、人と繋がる安心感を得られますように。それが再犯や累犯を防止することに繋がることを信じて、私たちは活動を続けていきます。
執筆:黒木萌
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マザーハウスでは活動の一環として、「マリアコーヒー」を販売しております。マザーハウス事務所にて、元受刑者が販売に携わっており、収益金は受刑者の更生・社会復帰支援等に使用いたします。
ルワンダから仕入れたフェアトレードのコーヒーであり、生産地ルワンダの生活や産業の発展にも貢献しています。マリアコーヒーが使用しているルワンダコーヒーは、日本国内のコーヒーシェアにおいて大変貴重な希少種でありながらも、近年の世界中のカッピングコンテストでは上位入賞の常連です。
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