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暴力の主な原因

The Book of Life
6/27のテーマは
The Major Cause of Violence

 J.クリシュナムルティの言葉を、1日1ページ 、365日分に編集された本
 「The Book of Life」を 一日分ずつやさしく翻訳し、
 気功的な補足や解説を添えています。

 和訳&補足解説 天野泰司


和訳

暴力の主な原因は、
私たちが自分の内側の気づかない部分で、
心理的に安全を求めていることだと思うのです。

私たちの中にある心理的な安全への衝動、
つまり、「ずっと安全でありたい」という
内に秘めた感覚が外へ投影されて、
外面的な安全を求める行動が起こります。

内心では、
「安全でありたい、本当に、確実に、安心安全でいたい」と思っています。
だから、結婚にこんなにもたくさんの法律がある。
女性、または男性を所有し、
その関係性を維持確保しようとするために。

だから、もしその関係性が脅かされると、
私たちは暴力的になります。
それは、「あらゆるものとずっと同じ関係性を保ちたい」という
心理的な欲求であり、潜在的な欲求です。

ところが、そのような
確かな、変わらずに保たれる関係性など、どこにもありません。
内面的、心理的には、安全でありたいと願うけれども、
永遠に変わらない安全など、どこにもないのです。

こうしたことが、世界中に蔓延し荒れ狂う暴力を
引き起こす要因になっているのです。

この世界で起こっていること、
特にこの不幸な国で生じていることを、
ほんの少しでも、冷静に観ていれば
たくさんのことを勉強しなくても、自分自身を冷静に観察することで
この異常なまでの残忍さ、冷酷さ、
無関心、暴力を引き起こしているもの、
その外的な投影の元が
自らの中にあるということに気づくことができるでしょう。

J.クリシュナムルティ  訳・天野泰司


無所有という生き方

争いの元が「所有」だとすれば
何一つ所有することなく、
自然に恵まれるままに生きてみる。

そうした生き方、いわば「争いのない生活」を志し、
実際に行った人がある。

大正10年に当時の大ベストセラー『懺悔の生活』(春秋社)を著し、
無所有にして奉仕に生きる一燈園生活を貫いた、西田天香さんだ。

何も所有せずにどうやって生きるのか、疑問に思う方もあると思うが、
天香さんは
「物そのものは本来誰のものでもない すべて全体のものである」と、
自分のものと限定しないことで、かえってその囚われから自由になり、
衣食住に困ることもなく心豊かに暮らせることを、
身を持って証明してみせた。
それだけではなく、
天香さんが住み込みで、喜んで掃除や無償の下働きをしていると、
その心に触れて、傾きかけていた商いが立ち直ることが何度もあった。

この天香さんの生き方が、多くの人の心を動かし
当時の人々に多大な影響を与えたのは言うまでもない。

お金で買えば自分のもの、
契約書を持っていれば自分のものと、ごく普通に
思ってしまう現代だからこそ、
無所有であり続けた天香さんの生き方が、
一つの貴重な事実としてあったことを
しっかりと心にとめておきたい。

NPO法人気功協会運営責任者 天野泰司


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