指導とシステム(独り言)
基礎指導とは違った面を持つ高学年指導、私は、一部の学年の算数、数学指導を受け持たせて貰っている。授業では、吉備システムというデータベースを基本としたシステムから、指導する内容の問題を選択し指導している。算数、数学指導では、幼児から一貫したタイルを使用し、同時に分析総合法を基に授業を構成している。また、授業では以前ご紹介したチャレンジ500という計算練習のプリント、マス目くん等が大活躍する。中学生は、この夏期講習で、1次関数を課学んでいるが、グラフの指導はタイルで行う。タイルで表すと、例え式が分数であっても無理なくできる。関数を学ぶことで、数字や式の関係がより理解できる。内容を理解し、できるようになると数学は楽しい学習に変身する。
中学3年生は、弱点対策に重点を置いた夏期講習になっている。ここで、吉備システムが大活躍する。このシステムの最大の長所は、何度も問題を出力できることだ。一般のテキストではそうはいかない。ただ、導入に関する内容はない。よくこの点を指摘される方もいらっしゃるが、私はそうは思わない。何故なら、導入こそ指導者として腕の見せ所だからだ。こういう人もいる。「吉備システムを使いこなせる塾は一流の講師がそろっている。」私もそう思う。そして、私たちにはタイル算数・タイル数学という強い味方がいる。正負の数、文字式でもタイルは使われる。数式が多くなる中学生で、タイルは思考に繋がる具体的な教材として非常に有効だ。システムと指導法の両者が、授業を変える。
高学年でも、タイルはテープ図、線分図、面積図と形を変え、様々な文章問題に応用できる。
一般的に国語指導として考えられているものに「書写」がある。私は、その書写を「図形の証明問題」「作図」などに用いている。証明問題は中学生にとって難しい単元の一つだが、書写で書き込みをしていくと、証明をどのようにすればよいか理解してくる。一見難しく見えた証明問題が楽しく感じる瞬間がここにある。国語、数学、そして、理科や社会にも書写指導は広く応用ができる。学習には、書くことと読むことが大切だ。家庭教育でも、書写は学習の要としてされることをお薦めする。
我が塾の生徒が高校へ行って好成績を上げてくれている。学習に対して真摯に取り組んでくれている。それは、幼い頃からの指導があるからだと思っている。しかし、その学習のあり方が問われるのだと思う。彼らは、かなりの枚数になるプリントをこなしてきた。それも繰り返し行われた。高学年から中学生では、吉備システムがフルに動かされた。何度でも繰り返されるプリント指導は、学習の本質を理解するために行われる。それが基礎学力に繋がる。単純に目先のテストも大事だが、彼らのその後を考えると妥協はしたくない。
指導理論と指導法、更に吉備システムという学習支援機器は、扱い方が難しいといわれる。しかし、それは詭弁で、自らが中心とならなければ使いこなすことはできない。つまり、指導者側の力量が問われる。
時代は、機器中心に動き、人が動かされている。スマホ依存が問題になっているが、機械に使われている状態は好ましくない。依存社会は間違いなく広がりつつある。これも、使う側の人間性が問われている。
昨日、今春防衛大学に入学した元塾生が尋ねてきてくれた。4ヶ月で驚くほど逞しくなって帰ってきた。水泳の苦手だった子が、この夏8kmの遠泳をこなしてきたという。青白い子だったが、腕も太く、胸板も厚くなり、それらを鼓舞するように黒く日焼けした顔がより精悍さを増していた。テレビ局から取材の電話が入っていて、長くは話せなかったが、私も奮起させられた。
多くの方から、もっと教材を作って欲しいとのご意見を頂戴する。両目の手術後ようやく安定してきたので、これから本格的な教材開発に入る。様々なリクエストを頂戴しているので、整理し進めていきたいと思う。
2013/8/3
著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫
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