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入試が変わる

「大学入試改革」

今日の題目はちょっと固いですね。でも、親として、我が子の将来に関係する大学入試問題です。指導要領の変更に伴う大がかりな大学入試改革は、その手前である高校教育にも大きな変化を与えます。この入試改革は5年後をめどに審議が行われています。まず、お子さんの将来を想像しながら、逆算をしてみましょう。

12歳、小学6年生の場合、5年後の改革実施時は17歳、改革案対象年齢です。

 9歳、小学3年生の場合、5年後の改革実施時は14歳、高校受験目前です。

 6歳、小学1年生の場合、5年後の改革実施時は11歳 中学受験目前です。

この逆算でお解りの通り、小学生は概ね大学入試改革の影響を受けます。改革の背景には「ゆとり教育」の失敗があることは事実です。また、何度も申し上げているように知識偏重の反省から、思考力・判断力・表現力の向上という目標が設定されています。ご存じの通り、これらの力は知識の先にあるより高度な能力です。また、面接・論文・社会活動の成果なども対象となります。では、このような能力は高校教育からの指導で大丈夫なのかと疑問を持たれるでしょう。高校の教育内容や直面する大学入試対策は、義務教育を経て高校に進学する中学生の受験にも変化があって当然だと思われます。その基礎は、今回の指導要領の改革で対応しています。知識偏重からの脱却です。中学生をお持ちの保護者であれば、お子さんの授業進度がここに来て急に速度を増してきたことに気付かれるでしょう。改革にむけて既に小学校でも始動しているのではと実感されているかも知れません。

私は、幼児教育から大学改革を捉えています。思考力、判断力、表現力、どれをとってもその指導には長い期間が必要になります。ある時期まで、幼児教育は間違いなく知識偏重へと傾いた時期があります。幼児に歴史や化学記号などをフラッシュカードで行っていた教育もありました。いわゆる記憶力向上を狙った暗記教育です。これは一定の成果はあったものの、この教育の経験者(生徒)は指導しにくいと塾の先生方から批判されました。学習成果も当初の期待からはほど遠く、これぞ知識偏重と揶揄されました。必要な時期に必要な学習がある。「奇をてらった学習は大人受けするが、真に子どもの為にはならない。」幼児教育は教育の原点に変えるべきだと提唱しました。自然体の教育、生活体験や経験、社会体験や経験、具体的な経験や体験と共に、思考力の土台である語彙数を高めることこそ大切であると。考えさせる授業の導入が何故幼児からなのか。それは、「思考の習慣」を前提にしているからです。興味や関心を引き出し、なぜ、どうしての疑問から発する工夫や思考力は、他力ではできません。知識は他力でインプット可能です。しかし、思考は違います。例えれば、知識はグライダーに似ています。私たちは自力で飛べる飛行機でなければなりません。思考は自力でなければなりません。構造は同じでも自ら飛ぶ力を持たなければならないのです。

子どもはあっという間に成長します。自由に学べる時間は限られています。幼児期からの時間を有効に使いましょう。今後の入試は、子どもの幅広い能力を見る内容に変わります。まだ、最終結論は出ていませんが、複数回の試験が実施されると考えられます。「大学は何をする場なのか」、このことばは、これから大学を目指す若者達に問われるものです。

既に大学は全入時代を迎えています。自分が目指す大学で何を学び、何を追求(研究)していくのか、自分の将来設計を考えられる能力や想像力を持たなければなりません。社会の変化は、教育の変化も起こしています。教育改革に対する変化と対応、この先の変化を視野に入れておきましょう。

2013/10/3


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川教育研究所 代表 石川 幸夫

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