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教育界の構造的問題 縦割りの弊害

「制度よりも…」

教育改革の一つの柱でもある、6・3・3制の見直しが白紙に戻されるようです。すると、教育改革の方向は一気に一貫教育へと流れていくと予想されます。現在行われている一貫教育は 正式な制度ではありません。実際、小中一貫教育校が何校あるか正確な数は分かりませんが、文部科学省の調査では、09年度に「〇〇学園」といった組織は全国47自治体で111を数えます。13年4月現在で教育課程の特例制度を活用して6・3制の区切りを変えて実施しているのは、4・3・2制が127校、5・4制が2校、5・2・2制が2校と、4・3・2制が圧倒的数を占めています。

こうした流れの中で、学制も含め、いわゆる制度改革が教育改革の柱になっているように思います。カリキュラムの基本は指導要領を元にするのですが、ゆとり教育の失敗は、子ども達にその付けが回されました。つまり、子ども達をどう育てて行くのかというビジョンが無いままの教育改革が先行しています。また、一貫教育でも、以前にも申し上げたように、まず制度としての一貫教育と、学習面の一貫教育で何を目指すのかが重要ではないかと思います。こうした問題の背景には、学力の低下・思考力の低下・更には人間力の低下があると考えられます。であるならば、教育の見直しを行うには、人の発達過程を考える必要があると思います。

日本社会は縦割り社会です。教育界の縦割り構造に問題は無いのでしょうか。一つに、文科省管轄の幼稚園、厚生労働省管轄の保育園という管轄の違い。幼保と小学校の連携、小学校と中学校の連携、これらは「小1プロブレム」「中1ギャップ」などの問題に繋がっています。こうした縦割り社会の弊害が教育界にも存在するのです。更に、構造的な問題に加え、公立の問題点として、指導法の自由裁量があります。また、中学校の教科担任制に対し、小学校のように全ての教科を担任が指導する専門性の問題もあります。民間教育、いわゆる塾の存在はこうした背景を考えると、最も教育的配慮が期待される教育機関という見方が出来ます。私が考える一貫教育とは、子どもの成長発達を考え、幼児期から行うべきだと思うのです。

ヘッドスタート、つまり、子ども達はいつから学習を開始すべきなのか、その論議が重要ではないでしょうか。また、幼児から、小学生、そして中学生へと先生の担当も重要です。幼児から低学年指導までを受け持つ先生、そして、低学年でサブ指導に付き、そのまま中学年高学年指導へと導く先生、こうした子どもの発達を先生が直に感じ取ることは指導上とても大切だと思います。つまり、それぞれが垣根を取り払い、歩み寄る。主体は子ども達であることを改めて認識し合うことが求められているように思うのです。

幼児から小学生、何故「小1プロブレム」という状況になるのか。これは先生の使われる「ことばの違い」も一つの原因として考えられます。また、幼児期の放任された子育てにより、集団に馴染めない子どもの増加も気になる所です。「ゼロ・トレランス指導」で、最も重要なポイントがここにあるように思います。家庭力、今後、保護者の責任も問われてくるのではないでしょうか。

2014/6/11


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川教育研究所 代表 石川 幸夫

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