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算数指導

「教えない指導」

指導とは、物事を指し示し導くこと、そこには暴言も暴力もありません。スポーツも、教室内の学習も頭を使う時代に入りました。頭を使う、それは「考える」という単純なことです。「何故」「どうして」の繰り返し、その結果導き出される結論。子ども達には考えるチャンスをより多く与える事が大切です。すると、自然に授業は問題の解説ではなくなります。思考の場となるのです。様々な視点で考えるとすると、子ども達の理想の教育環境は集団となります。個別指導が盛んですが、多様な考え方は個別指導からはなかなか見いだせません。

問題を子どもが解きました。ではその処理はどのように行われるのが良いのでしょうか。答合わせだけになっていないでしょうか。算数の場合、論理数学的思考を養う事が目的です。とするならば、何故そのような式になったのかを説明させるべきです。教室ではこの様なことに時間を費やすべきで、問題の演習は「家庭教育」に任せます。

ご家庭でも、何を学習させればいいのか迷われている保護者は数多くいらっしゃいます。数多くの問題を解き、答合わせをするだけの学習では、問題の本質になかなか迫れません。時間が立つと忘れてしまいます。大切な事は、答合わせではありません。何故そのような答になったのかを説明させることなのです。説明するには、ことばを使用します。算数でも、重要語句があるように、専門性を持ったことばを使い説明しなければなりません。これは、文章問題だけと思われるでしょうが、計算問題でも可能なのです。具体的に説明するならばタイルを使えば良いのです。何故タイルなのか、具体物や数字をタイルに「置き換える」ことが出来るからです。この「置き換え」の思考こそ算数・数学の思考である「抽象思考」そのものです。

計算問題では、どこの位から計算をするのか、その理由は?という質問が出来ます。これを子ども自身が説明することで、計算の順序を語れるようになります。計算練習も大切なのですが、何度も申し上げますが「考える」場面を数多く作る事です。説明には必然的に多くのことばを必要とします。「だから」という順接、「しかし」という逆接の接続詞も必要になります。なぜなら(説明の接続詞)説明だからです。プリンスジュニアの先生方は、この計算問題という機械的指導を説明的指導に変化させています。それが計算手順という「アルゴリズム」の引用です。計算問題を細分化させ、いくつもの質問を作り、それを持って子ども達と相対します。子ども達には、計算の仕方を「説明」させます。この指導こそ、計算に思考を伴う学習に変化させた算数指導です。

教えない指導、これが教育の理想です。教えすぎないから沸いてくる疑問、その疑問に質問で応える。自己解決能力とは、算数指導でも有効な能力です。この能力を付けるのが私達の算数指導です。子どもに、考えるチャンスを数多く与えること、その為に必要な言葉掛け、生活体験、読書等の環境を家族で作り上げることが大切です。今日は、ブログの更新が遅れました。午前中から、興学社学園の塾部門の先生方と算数指導の研究会を行っていました。先生方の目が、失礼ですが子どものようでした。そして、改めて幼児教育の重要性を感じられたようです。こうして、学ぶ姿勢を持ち望む先生方に指導される子ども達は幸せです。このように、教育に対し真摯に向かい、情熱と指導理論を持った教育が世間で評価される日は近いでしょう。

子ども達には、是非「考える」チャンスを与えて下さい。そして、一つ守って貰いましょう。「わからない」は禁句にする。今日の研究会の席上全員一致で納得したことです。

2013/2/5


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川教育研究所 代表 石川 幸夫

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