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思考力を鍛える「数・算数」

「計算:図形:量と測定」

保護者の方や、先生方の中に、私は言語教育の専門、国語指導の担当と見られている方が数多くいらっしゃいます。私は、ある幼児雑誌で、5年間、水道方式をベースとした「数の学習1・2・3」と題して連載をしていました。本来小学生向けの水道方式を幼児教育の数指導に活かす研究と実践をしていたからです。その過程で、数・算数・数学を指導している立場から言語教育の重要性を肌で感じ、言語教育及び指導についても学んできました。思考と言語の関係、そして、これから問題視されてく二語言語使用(バイリンガル)と知的能力への影響、外国語効果(思考の一時的低下現象)など、教育現場で予想される問題について様々な角度から捉え、子ども達の学習に活かそうと活動をしています。

数・算数指導は大きく分けて4つに分類されます。それは、数と計算・量と測定・図形・応用の4つになります。その中でも幼児は特殊で、幼児の数指導はその名の通り、「数」を中心に「数と計算」として指導されます。図形や量と測定は身近な経験を通し、様々な感覚を養うことの重要性に鑑み、石川メソッドでは「知恵・知覚」の領域で扱っています。図形も・量と測定も、生活体験屋経験のない子どもでは見方、捉え方から違いがあり、具体的体験経験学習が、その後の抽象思考に大きく影響を及ぼします。これが、机上の空論・紙上の学習と言われる単純な知識からの思考と大きな差が出る所以です。数学習でタイルを使うことも同様です。数字だけの操作では限界があります。「数字は抽象です。」つまり、具体的な操作や思考が伴いません。数に於いてバランスの悪い発達となってしまいます。子どもは、幼ければ理屈抜きに数式の答えをそのまま記憶していきます。5+4=9とそのまま記憶していきます。このような記憶学習はいわゆる数の学習とは違います。ここでは計算をして貰いたいのです。併せる・くっつける・加える・足す、これらの具体的内容をタイルを通して操作して貰いたいのです。

セミナーなどを通して、こうした数学習の誤った指導法である「記憶学習」の弊害をお話しさせて頂くと、「なるほど、こうして大人が子どもの思考停止を招いているのか」とご理解していただけます。数式だけの計算練習は大切です。でも学習は総合的に考えなければなりません。水道方式は正式名称を「分析総合法」と言います。計算だけでなく、文章問題と言われる、具体的事象を式という抽象の形に表す学習が必要です。単純に言えば、文章問題を読み、式を立て、計算し、答えを整理してまとめる。これが分析総合の基本的な考え方です。計算だけの学習は、アンダーラインを引かせて頂いたように、全体の中である一部の学習であることが解ります。

暗記学習に関する問題点について、先を読まれる方であればもうお解りでしょう。これからの学習に求められているあるキーワードがありません。それは「思考力」です。暗記で必要なのは想起、つまり思い出す事です。思い考えることではありません。計算でも思考力を使う場面は沢山あります。しかし、現代社会の悪影響は子ども達にまで及んでいるのです。多くの大人がかかっている病気がそのまま子ども達に伝染しています。その怖い病気こそ「面倒くさい病」です。考える事が面倒くさい、タイルを操作することが面倒くさい。教育にはインスタントもレトルトも冷凍もありません。全て一からのスタートです。この病気にかかると、図形や量と測定、応用(主に文章問題)を嫌う傾向が出てきます。そうならないためにも、幼い時期から、経験体験学習、具体的な操作ができる学習環境を整えることが大切ではないでしょうか。

続く

2013/12/17


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川先生監修!

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