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子ども達の変化

「言語指導と国語指導の徹底を!」

子どもの知的成長は、年中前後から顕著に表れます。それは、丁度、文字や数に興味を示し始める年齢と同じです。この時期こそ、子どもが最も学びたがる時期なのです。それは、まるで白い吸い取り紙に吸われていく水のようで、子ども達の頭の中に染み込んでいきます。ここで大切なことがあります。吸われていく水の存在です。吸われる水の量こそ、子どもの知的環境の善し悪しを表します。水の質も問われるべきでしょう。

この時期に必要な環境が言語環境です。言語刺激は、そのまま子どもの知的財産となって様々な分野で活用されることになります。この間、つまり、0歳から3歳までは子どもの耳を鍛えるときです。耳で聞いてことばを覚えます。その時、ことばを発する人の表情を見ています。ことばと表情がシンクロするのです。つまり、ことばの持つ意味を、優しさ、思い、嬉しさ、悲しさ、怒り等々を、耳と目で学習するのです。この刺激の量が、子どもの、知的好奇心の発達時期を決めます。ことばの理解は、文字によって更に拡大されます。絵本の読み聞かせは、そこに文字情報が詰まっていることを子どもに伝える役割を担っています。

ラボスクールでは、年中、年長でも絵本の読み聞かせは欠かせません。子ども達は、毎回楽しみにしています。時に、一緒に読んだり、一行を読んだら復唱させたり、子どもの状態によって変えています。また、平仮名の類別カード、清音・濁音・半濁音・長音・促音・拗音等を分類したフラッシュカードで指導します。フラッシュカードが、刺激から指導に切り替わるのです。そこに平仮名五十音表指導が入ります。近年の幼児小学生教育ではこの五十音指導が十分にされていないと思うのです。石川メソッドでは、五十音表指導に重点を置いています。平仮名表記の指導は、その後の音読、精読、そして文法表記に影響を与えます。こうした、言語指導を基礎から系統性を持たせ指導できるのは幼児教育でしかありません。ことばを覚え、発し、表現する過程が幼児期にあるからです。正に、幼児期でなければ出来ない指導が言語教育、言語指導なのです。

子どもは3ヶ月周期で変化し発達すると申し上げました。ここに来て、ラボスクールの年長に大きな変化が出てきました。それは、紛れもなく言語発達による変化です。ことばの習得から活用の時期に入る年長は、その間の言語指導により人格形成も行われます。物事の考え方、処理の仕方、判断等、言語の発達は子どもの思考力を高め、より大きく成長していきます。また、先生がことばで叱ることが出来るのも成長の一つでしょう。何が悪いのか、いけないことなのか、理解させる。それまでは単にぐずったり、泣いていたりした子が、先生のことばに耳を傾け、素直に自分が悪いと納得し、「ごめんなさい」と謝ることが出来る。一見当たり前の様な事なのですが、今の子ども達に最も欠けている所でもあります。素直さは、ことばによって表現される性格の一つです。

中学生の定期テストが返却されてきました。今年の中学3年生の指導は苦労しました。継続性は問題ないのですが、途中から入って来た生徒は語彙数が足りませんでした。温和しいのですが、その温和しさは、語彙数不足からなる表現力の無さが原因でした。温和しい子が犯罪を犯す。よくニュースで聞くことばですが、真の意味は表現力の欠如ではないでしょうか。私は授業の冒頭、様々な社会問題をこの子達に話しました。当然意見を聞きます。沢山話しをさせる。意見を言う。ことばを繋ぎ話すことで、次第に論理の形成が出来るようになります。今回のテストで、それまで40点前後の子達が、全員の目標だった70点以上を取ることが出来ました。ことばの獲得は、知性の発達において何よりも優先されるべきことだと言えます。ここに今盛んに論じられている教育改革のヒントがあるのではないでしょうか。

2014/6/24


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川先生監修!

幼児教室・学習塾のキッズスクールアップル富ヶ谷
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