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【設楽悠介】Napsterとサトシ・ナカモトに勝手に想いをはせる #NewsPicksアカデミアレター

「NewsPicksアカデミア」でビジネスまわりを担当しています、幻冬舎の設楽です。

NewsPicksと幻冬舎で2017年4月に始まった「NewsPicksアカデミア」プロジェクト、おかげさまで1周年を迎えることができました。

昨年4月にプロジェクトを開始してから、「NewsPicksアカデミア」の運営メンバーのことを、みなさんに知っていただきたいという想いで、アカデミア会員限定に毎週に「NewsPicksアカデミアレター」というメールマガジンを発行していました。

今まで通算54回続いているこのレターでは、NewsPicksと幻冬舎の両運営メンバーより、おすすめの書籍・映画・体験や、それぞれのメンバーがハマっていること、取り組んでいることなどを紹介してきました。

そして55回目の今回から、より多くの方に「NewsPicksアカデミア」のことを、そしてどんなメンバーがこのプロジェクト(コミュニティ)を運営しているのかをもっともっと知っていただくため、このアカデミアレターを公式noteで公開していくことになりました。

手前味噌ですが「NewsPicksアカデミア」では、この1年間、イベントや書籍を通して多くのビジネスパーソンのために最先端のコンテンツを提供できたのではないかと思っています。

そして今回のニュースレターでは、まさに現在の最先端の技術である「ブロックチェーン」について私が感じていることを(はじめてアカデミアレターが公開されるので)私の自己紹介も少し交えながら書いてみようと思っています。

まず話を1998年まで遡らせてください。当時私は18歳で、大学進学のため上京をして一人暮らしを始めました。上京当時、アパートに入居を済ませた私は、その足で秋葉原に向かい、すぐにiMacを購入、配送で翌日届くのが待ちきれなくて、その巨大な正方形のiMacを箱のまま品川のアパートまで両手で抱えて電車に乗って持ち帰りました。

当時のインターネットはまだダイヤルアップ接続だったと思います。通信料が定額になる深夜を心待ちにして、電話線をiMacにつなぎました。

自由な一人暮らしと、自由なインターネット。当時私はそこからインターネットにどハマりして、毎日朝方までインターネットをうろうろしていました。そのころはまだまだ速度も遅く、今考えるとコンテンツも、インターネットでできることも、圧倒的に少なかったですが、それでも私はそのインターネットの魅力の虜なりました。

そしてその当時インターネットとあわせて私を激しく興奮させたものがあります。いまでもその時感じた驚きや、新しすぎるものに対するなんとも言えない不思議な感情は忘れません。それは「Napster」です。

あまりにも有名なサービスなので、詳細は割愛しますが「Napster」は、その当時P2Pの技術を使った音楽ファイル共有サービスです。そのソフトをインストールすれば、世界中のオンラインになった個人パソコンとつながることができ、音楽ファイルを共有(ダウンロード)することができました。

私のパソコンが、地球の裏側の顔も知らない誰かのパソコンと直接つながって、ファイルを交換することができたのです。その時、私は本当になんとも言えない不思議な感覚にとらわれ、その可能性に興奮しました。

残念ながら「Napster」は著作権の問題から、数年でその本来のサービスを終了しました。その賛否は現在でも意見がまだ別れるかもしれません。ただその時に「Napster」が世界中にもたらしたP2Pネットワークというインターネットの次の可能性は、圧倒的なものでした。少なくともコンテンツにおける中央集権から、非中央集権への確実に先進的すぎるサービスだったと思います。

そこから数年後の2008年、サトシ・ナカモトと名乗る人物によってビットコインの論文が提出されます。そして2010年にラズロ・ハニエツ氏が10,000BTCで2枚のピザを購入、それが世界初のビットコインでの現物決済だと言われています(実は間接的な購入だったという諸説あり、ただビットコインがなんらかのリアルな価値と交換されたことは事実だと思います。ちなみに10,000BTCは現在の価値<1BTC100万円として>だとピザ2枚で100億円です)。

そして現在、ビットコインをはじめとする仮想通貨の数々、そしてそれを動かす主な仕組みである「ブロックチェーン」は、私たちの生活のすぐそばまで来ていると私は感じています。

言わずもがなですが「ブロックチェーン」は前述の「Napster」が使っていたP2Pネットワークという技術の応用から生まれました。

1998年のあのころ、私を、そしてもしかしたら世界中のインターネット好きを興奮させた、あのなんとも言えない不思議な感覚は、何十倍、いや何百倍にもなって今私たちの生活のすぐそばで動いています。

「Napster」のショーン・ファニングとショーン・パーカーが1990年代に垣間見せたインターネットの本来的な意味での革新さが、いろいろや技術発展やエンジニアたちの興奮とともに広がって、どこかでサトシ・ナカモトに届き、現在の「ブロックチェーン」につながって、そしてそれが私たちの生きるこれからの世界を変るのかなあ、などとインターネット好きの私は勝手にワクワクしています。本当の意味でインターネットが世界を変えるのは、これからだと。

現在はどうしても「ブロックチェーン」とあわせて語られる仮想通貨の話題が、投機的なものが目立ってしまって多くの誤解があるように感じています。そこばかり目立っていて、なんだか「ブロックチェーン」も危ないのではないかとか、そういう論点で語られてしまうこともしばしばです。

仮想通貨は「ブロックチェーン」がもたらす未来のほんの一部でしかありません。もっと多くの人々に「ブロックチェーン」の本来の魅力とそのありあまる可能性を理解して欲しいと日々思っています。

「ブロックチェーン」は前述の個人間をつなげることができるP2Pネットワークですべてのやりとりを中央集権ではなく分散してみんなで管理し、ハッシュ関数と公開鍵いう特殊な方法で暗号化し、プルーフオブワーク・プルーフオブステークスなどといった管理方法を組み込んで、ネットワーク上のやりとりの改ざんを不可能にした仕組みです。その特徴はまさに非中央集権型であるということ。

非中央集権管理の方が危ないのでは、例えば通貨とか契約とかは国とか銀行とか、中央に管理してもらった方が安全じゃないかと感じる方もいるかもしれません。これは例えばですが、ある国で戦争が起こればその国の通貨の価値は下がり、最悪の場合は機能しなくなります。国が管理していた契約などの履歴も消えてしまいます。

しかし「ブロックチェーン」で動いているビットコインや、「ブロックチェーン」上で記録された契約は、世界中のネットワークすべてが止まらない限り、止まりません。国ななくなっても「ブロックチェーン」は無くならないのです。また中央による不正や改ざんなども起こらない仕組みです。いろいろな捉え方がありますが、総合的に考えてその安全性は中央集権型よりも高いと言えるのではないでしょうか。

「ブロックチェーン」について、正直ここからもっと詳しく書きたいですが、すごく長くなってしまいそうなので、それはニュースレターの次の担当が回ってくるまで我慢しようと思っています(今運営メンバーがかなりの人数になってきましたので、ちょっと先になりそうですが)。

ただ我慢しきれないので、来月私は幻冬舎で「あたらしい経済」というプロジェクトを開始する予定です。まだ詳細は書けないのですが、このニュースレターに書いたような想いをもとに企画した幻冬舎の新規事業です。

「ブロックチェーン」や「トークンエコノミー」がもたらす、すぐそこにある未来を生きる、そんなすべての人々に武器を提供しようというプロジェクトにしたいと思っています。ご興味あれば来月ぜひチェックしてみてください。

またもちろん「NewsPicksアカデミア」でも、「ブロックチェーン」やそれがもたらす未来についてのコンテンツや、会員のみなさんと議論したりする機会は、これからもより増えてくるのではと思っています。ぜひ「NewsPicksアカデミア」にご入会いただいて、一緒にみなさんとも「ブロックチェーン」とその未来についてディスカッションしたいです。

今後とも「NewsPicksアカデミア」をよろしくお願いします。

株式会社幻冬舎 設楽悠介

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