『手帖』と手“帳”(6)
『平岡手帖』のクラウドファンディング( https://camp-fire.jp/projects/view/747748 )が4月1日から始まりましたが、最終日の30日まで、毎日、【『手帖』と手“帳”】と題したコラムの連載(ごっこ)をしていきたいと思います。
前回投稿については、平岡の各種個人アカウント(Instagram/Facebook/X)やnote( https://note.com/nozomu_h )を、クラウドファンディング全体の詳細については下記、あるいは @hiraokatecho をご覧ください)
この“コラム”では、
①『手帖』について(特に、現在構想中の3月号を通して、いかに書いているのか)と、
②投稿日当日や前日のこと=私の実際の手“帳”(A5判のコクヨ製キャンパスダイアリー)に書き込まれた、『平岡手帖』4月号として綴られるはずの出来事
の二つを紹介していきたいと思います(特に4月号は、定期購読していただけた方へ初めてお届けする本になります)…
文章を書くには展示を見ないと書けないけれど、じゃあ展示を見るのは文章を書くためなのか?と問われたらそれは全然違う、むしろ文章を書く時間がないほど見てしまって『手帖』が全然進んでいない。
昨日は藝大陳列館の展示を見て、うらあやかさんの、ホイアンの街を舞台にした二つの映像は、ひとつは一匹の野良犬をひたすら付け回す観光客の視線(そんなうらさんを、周りの人が好奇の目で見ている)だけど、もうひとつの“アイスクリーム屋さん”では、お客さんを待ち、注文を受け、立ち話をする姿が現地の人みたいで対照的だ。そしてそこに、うらさんを撮影する小山友也さんの視点があり、それは一見鑑賞者の視点と一致しているようだが、時折カメラを見るうらさんの目が、小山さんの存在を感じさせる。椅子を離れ、遠目に全体を見渡してみると、映像の周りに人が集まっている様が、アイスクリーム屋に集うお客のようで、わんわん、と小さな男の子が野良犬を指さしている…
と、ここまでを今日4月6日の13時前までに書いて、今は20時58分、埼京線の中だ。
この間、ずっと黒瀧保士さんのパフォーマンスを見ていて、約1時間の周期でノンストップに続く所作の連鎖の間にも、室内は少しずつ翳っていって合わせ鏡の向こうが一枚ずつ見えなくなっていく、窓越しのビルの灯りはいつの間にか消え、道路を隔てた、焼肉屋さんと思しきお店がチカチカと光っている。
翻って車内。目の前には眉間に皺を寄せてスマホを見ている人が座っていて、そろそろ自宅の最寄駅だが、黒瀧さんが一階から二階へ、二階から一階へと彷徨う姿が二重写しのようにずっと見えている。
長く見続けた時の、それこそ焼きついてしまったような感覚が好きだ。(続く)
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【クラウドファンディングはじまります!】
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本日から『平岡手帖』定期購読者を募る
クラウドファンディングを開催いたします!
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詳細は「平岡手帖」アカウントプロフィールに記載のURLからご確認ください
@hiraokatecho
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○『平岡手帖』
○場所:CAMPFIRE
○クラウドファンディング期間:2024年4月1日〜4月30日(予定)
○目標金額:170万円(定期購読者300人)
○企画:平岡手帖制作委員会、ハンマー出版、額縁工房片隅
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『平岡手帖』について。
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1年のうち300日以上を美術に出会うために歩き回っている平岡希望さん。ここ数年は、毎年600カ所以上の展覧会に足を運び、その空間とそこにある作品1つ1つを熱心に鑑賞している。その動向はSNSでなんとなく目にしていた。最近では、かなり長い文章で美術との出会いを克明に記している。しかし、平岡さんの全貌は謎に包まれている。日々どんな生活をしていて、どんなふうに動いて、なにを考えているのか。そして、その美術への熱量はどこからくるのか。僕はずっと気になっていた。美術と出会うために、全てを注ぎ込んでいるような人。そんな人が、1人くらいこの世の中にいてもいんじゃないか。いや、いてもらいたい。そして、そんな生き方を応援したい。そんな思いを数人と話しているなかで、平岡さんの手帖を公開して、日々の美術との出会いを記録発信していく『平岡手帖』という企画は面白いんじゃないかという話になった。平岡さんに話してみると、ぜひやってみましょう、という事になった。展覧会とは、オーロラのようなものだ。その時その場所に行かないと出会えない。そして、その一瞬の会期が終わると風に吹かれた塵のように消え去ってしまう。そんな儚い展覧会というもののアーカイブとして、この「平岡手帖」が、もし5年、10年、続く事ができたならば、未来において日本の美術シーンを語るうえでの重要な資料になるのではないかと夢想する。そして、美術に出会うために自らの全てを注ぎ、歩き回っている1人の人間のドキュメンタリー・ノンフィクション小説として読むことも出来るだろう。平岡さんの1ヶ月を1冊の小説のような形にまとめて、それが1年間12冊、毎月送られてくる。今回のクラウドファンディングでは、そんな『平岡手帖』の定期購読をしてくれる人を募りたい。
この「平岡手帖」を定期購読するという事は、少し大げさかもしれないが、美術という1つ1つの小さな出来事を、1人の存在を通して美術史に小さく書き残していく、そんな事への協力になる。ぜひ、多くの方に平岡さんのそんな生き方を応援してもらいたい。
きっと今日も平岡さんは美術に出会うため歩き回っている。こんな人この世の中になかなかいないと思う。だからこそ。ぜひ『平岡手帖』の定期購読をしての応援、よろしくお願いいたします。
(平岡手帖制作委員会_佐塚真啓)
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