高阪のぞみ( Business Insider Japan)

編集者。オンラインビジネスメディア、Business Insider Japanの共同…

高阪のぞみ( Business Insider Japan)

編集者。オンラインビジネスメディア、Business Insider Japanの共同編集長/ブランドディレクターをしています。 この記事はBusiness Insider Japanのメールマガジンでも毎週木曜、コラムとして配信しています。

マガジン

  • Inside of BIJapan

    • 110本

    Webメディア「Business Insider Japan」の記者や編集者のコラム集です。取材裏話から日常の体験などを綴っていきます。

最近の記事

週末に半日、"副業"してみた

秋晴れに恵まれた週末。半日、ジュースやお菓子を売る仕事をしてきました。 と言っても、私の仕事は別途販売されたチケットをジュース、お菓子に引き換えるというもので、現金は扱わないためコンビニの仕事に比べたらずっと楽だったと思います。 いま流行りのタイミーでバイト……ではありません。会社に副業申請もしていません。というのもこれはPTA活動の一部。子どもの文化祭のお手伝いです。 最初は半日か、長いなあと思って臨んだのですが、いざ始まるとあっという間。すぐに慣れて、途中から「男女問

    • フィンランド人に聞いた「北欧5カ国」ここが違う

      「デンマーク人って、アメリカ人や中国人みたいな感じ」 突然こう言われて、私は全くこの3国の共通点が浮かびませんでした。 10月初旬、フィンランドに行ったときの話です。デンマーク在住著者による連載以前から、北欧の「幸福な国ブーム」を見ていたので興味のある国の一つでした(今回の取材の主目的はクリーントランジションで、すでに記事にしています)。 渡航前、駐日フィンランド大使館でフィンランド人と会い、初めての北欧だと伝えました。すると彼女は一言、「北欧ね……(←と言わなかったもの

      • バルセロナは「宿泊税4ユーロ」。日本はどうする

        オフィスのある渋谷を歩いていても、週末に美術館へ出かけても、出張で地方都市に行っても。外国人の観光客を見かけない日はありません。 「インバウンド」「オーバーツーリズム」という言葉もすっかりお茶の間の言葉になりました。 最新の訪日外国人数は293万人(2024年8月)で、7カ月連続過去最高に。 アベノミクスの円安効果で観光客数が伸び始めた10年ほど前、インバウンドとビジネスというテーマで取材をしたことがあります。取材したのは、日本の家庭料理をつくる料理教室やサンリオピューロラ

        • 「ファーイースト」に違和感はありますか?

          ファーイースト、ミドルイースト……。 先週、北欧に行ってきました。スタートアップや研究機関を回り、充実のプレゼンを聞いた後に、同席していたオランダ在住の日本人ジャーナリストが私に言いました。 「すごく面白い内容だったけど、ちょっと引っかかりますね」 それが冒頭の「ファーイースト」でした。日本を含む東アジアを指してプレゼンの中で何気なく使った言葉です。 ヨーロッパから見て最も東方にあるからファーイースト(極東)。これは差別的な表現だということで、ヨーロッパでは使わない方

        週末に半日、"副業"してみた

        マガジン

        • Inside of BIJapan
          110本

        記事

          「友達のガムを黙って食べる」という衝撃

          私が新卒で入った会社では、アメリカでプログラミング研修がありました。参加者の8割くらいはアメリカ人で、それ以外はヨーロッパや日本からの参加。その中に一人だけ、インド人の女性がいました。 ある講義のとき、私の友人(日本人)が机の上に置いていたガムをインド人のその女性が無言で取って食べ始めたのです。全く悪びれる様子もなく、まるで自分のガムだという雰囲気で。 印象的なエピソードだったのでずっと覚えていたのですが、この話には続きがあります。この夏、「利他」をテーマにした中島岳志先

          「友達のガムを黙って食べる」という衝撃

          マクドナルドの店舗で4カ月働いたら……

          50代男性、新卒以来ホワイトカラーの仕事一筋、接客業は未経験。 そんなキャリアを歩んできた人が、突然マクドナルドの店舗で働くことになったら——。 これは先日のインタビューで聞いた、日本マクドナルドホールディングス社長の日色さんの話です。日色さんは外資系企業の日本法人社長を務めた後、マクドナルドへ。同社では本社スタッフも全員が店舗で研修をするそうですが、「飲食業は初めてだし研修はしっかりやりたい」と伝えたところ、組まれた研修スケジュールは4カ月間。 初心者バッジを付け、ベテ

          マクドナルドの店舗で4カ月働いたら……

          「ボール遊び禁止」は誰のため?

          家の近所にある大きな公園。調べたところ、東京ドーム4個分の広さを誇るそうです。春には桜が咲き、遊具広場や売店もあって、赤ちゃんからお年寄りまで多くの人に愛されている公園なのですが、最近少しもやもやすることがありました。 公園へのアプローチに並木広場があります。そこに立て看板があったのです。 「歩行者のさまたげとなるボール遊びなどはやめましょう」 立て看板の近くには、スケボー禁止のピクトグラムと一緒に「迷惑行為禁止」と書かれた小さな看板も置いてありました。 「ボール遊び〜

          「ボール遊び禁止」は誰のため?

          「おつかれさま」の新しい意味

          ビジネスメール、特に社内メールの書き出しの定番と言えば?やはり「おつかれさまです」ではないでしょうか。社内メールだけではなく、退勤のときや、早朝を除いて一日の中で最初に顔を合わせたときは、決まって「おつかれさまです」。 あるカトリックの女子校の校長先生は、「ごきげんよう」は万能な言葉なんですよ、と言っていました。その心は、おはようもこんにちはもさようならも、この一語で全部カバーできるということでしたが、ビジネスパーソンにとっての「おつかれさま」は「ごきげんよう」の持つ包容力

          「おつかれさま」の新しい意味

          「出社 vs.リモートワーク」論争はいつ終わるのか

          もうすっかり落ち着いた論争かと思っていました。先日、ある企業の女性の役員と会食をしたときに聞いた話です。日本のある大企業(いわゆるJTC)では、経営陣がリモートから週5日出社に変えようとしたところ、社員の猛烈な反発があり、週2日出社で着地したそうです。 シリコンバレー在住、石角友愛さんの今朝公開された記事にもあるとおり、日本だけでなくアメリカでもまだまだ熱いテーマのようです。この記事は、元グーグルCEOのエリック・シュミット氏の「スタートアップなら在宅勤務させず死に物狂いで

          「出社 vs.リモートワーク」論争はいつ終わるのか

          とうもろこしが届いた朝、佐藤優さんの「贈与」の話を聞く

          外に出たくない暑さの朝。家で仕事をしていると、クール便が届きました。中身はとうもろこし。10歳以上離れた後輩が旅先から送ってくれたようでした。 彼は家に遊びに来たりときどき家人と会食したりしているのですが、そのたびにギフトをくれます。コーヒーだったり、ワインだったり。 ここ何年か、行き過ぎた資本主義を補完するものとして社会学者・モースの『贈与論』が注目されています。贈り物を受け取ると、それに対して何らかの形でお返しをする義務を感じる。この「贈与」と「返礼」の循環がコミュニ

          とうもろこしが届いた朝、佐藤優さんの「贈与」の話を聞く

          『ハッピーアワー』と人生相談

          2015年に公開された『ハッピーアワー』を見ました。何気なく夜中に見始めたこの映画は、上映時間5時間17分。 主人公は30代後半の女性4人です。それぞれ主婦、看護師、キュレーターという設定ですが、彼女たちにどこかで会ったことがあるように感じるのは、演じている4人が演技経験のない素人だったこともあるでしょう。ありふれた平和な日常に見える独白シーンや家族との会話のシーンには、目をそむけたくなるような現実が隠れていました……。 コラムの文字数を超えてしまうので詳しくは書くのは控

          『ハッピーアワー』と人生相談

          「多様性」にモヤモヤ

          多様性という言葉。これほど日常的に聞くようになるとは思いませんでした。ただ、最近モヤモヤするのです。 少し前のこと、素敵だなと思っている友人(女性)のSNS投稿を見ました。参加者体験型のあるイベントを開催したところ、「集まった人たちが多様で素晴らしかった」というのです。スタートアップCEO、東大で学ぶ留学生、霞ヶ関の官僚、欧州の起業家が集まり、対話を通して一つの世界が生まれていたのだと。 確かに、ビジネスには繋がらない趣味のイベントに集まった顔ぶれとしては珍しく、驚きました

          「タイミーさん」発見

          出社と在宅のハイブリッドワークをしています。この猛暑では特にありがたいことです。ただ、朝自宅でオンラインミーティングをして昼にオフィスへ、夕方はまた自宅で仕事、などと1日の中でもハイブリッドにしていると、お昼ご飯を食べ逃すのが悩み。 時間がなくても食べられるように、通勤途中の駅でときどき買うのがおにぎりチェーン店のおにぎりです。ある日、いつものように注文してふと若い店員さんがつけていた名札に目を留めると。 カタカナで「タイミー」と書いてありました。コンビニにも外国人の店員さ

          名探偵コナンと「プロフェッショナル」の共通点

          4年前に始まったBusiness Insider Japanの連載「入山章栄の 経営理論でイシューを語ろう」。第213回となった今回のテーマは「名探偵コナン」でした。公開後からよく読まれています。 未就学の子どもから大人まで世代を超えて愛され続けてきたコナンは、入山先生もファンだそうです。私はコナンフリークでもないのでコナンについて語るのは控えますが、ヒットの理由についてはまさにそうだなと思いました。 いくつかありますが、一番は「究極のマンネリズムとずらし」です。同じパタ

          名探偵コナンと「プロフェッショナル」の共通点

          「アフロ民藝」というパワーワード

          ここ数年、民藝展があちこちで開かれ、ちょっとした民藝ブームです。2021年は民藝運動を主導した柳宗悦の没後60年、2025年は民藝運動から100年。 でも、民藝じゃなくアフロ+民藝って何? 東京・六本木の森美術館で開催中の「シアスター・ゲイツ展」にその答えがありました。シアスター・ゲイツ氏はアメリカ・シカゴ生まれの「ブラックアーティスト」。彼は20年前に愛知県常滑市で陶芸を学び、日本の民藝運動に関心を持ったそうです。「アフロ民藝」について、本人はこう表現しています。 二

          「アフロ民藝」というパワーワード

          IVS女子部と「おやじの会」

          先週、久しぶりに夏の京都へ行きました。スタートアップイベント「IVS京都2024」に参加するためです。私がモデレーターとして担当したのは、「EmpowerHER LOUNGE」というスペースでのセッション「ピッチ選考、アクセラ選考におけるDEIの重要性」。 このテーマにも表れているとおり、今年のIVSの特徴は「スタートアップのDEI」に挑んだことだと思います。 「EmpowerHER」ではDEIに関するセッションをいくつもつくったり、それ以外でも3人以上の登壇者の場合は1

          IVS女子部と「おやじの会」