高阪のぞみ( Business Insider Japan)

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高阪のぞみ( Business Insider Japan)

編集者。オンラインビジネスメディア、Business Insider Japanの共同編集長/ブランドディレクターをしています。 この記事はBusiness Insider Japanのメールマガジンでも毎週木曜、コラムとして配信しています。

最近の記事

アメリカは汚くて不快?違いは「学校の掃除」にあるかもしれない

日本はトイレのレベルが高すぎる——。 食事中の方がいたらごめんなさい。 年明けに、高校の非公式な同窓会がありました。渋谷で働く同級生の一人とたまたまランチをしたとき、みんなで会いたいね、という話になったのです。声をかけ始めたら、女子校なので20人近くの女性が集まりました。 20歳、30歳と節目で公式な同窓会があるとはいえ、久しぶりに会う同級生ばかり。冒頭はその中の一人でアメリカの大学に進んだ友人の言葉です。卒業してそのままアメリカで就職していたことは知っていましたが、昨秋

    • なぜ人は物語を求めるのか? 『あすは起業日!』作者と話して考えた

      来年に向けて明るいニュースがあるので、久しぶりにお話ししたい——。昨年の12月、連絡をくれたのが起業家の森本萌乃さん。たまたまその日パリにいるという彼女と、下北沢のカフェにいた私は何年ぶりかにオンラインで会いました。森本さんは大手広告代理店を4年で辞め、今はオンライン書店を経営しています。 「明るいニュース」は、想像と違っていました。いわく、今度本を出すことになったんです。それも小説を、国際女性デーである来年(2024年)の3月8日に。 なぜ小説を書くことに?と聞くと、彼

      • 1枚だけ、1日限りの写真展に行ってきた

        東京・市ヶ谷の外濠の景色が好きです。もう葉桜になりかけていますが、この時期は特に。と言いつつ、私が先週市ヶ谷へ行ったのは桜ではなく、親しくさせていただいている写真家の写真展を見るためでした。平日にもかかわらずたくさんの人たちがギャラリーの扉を開けて入ってきます。 作品は宇佐美雅浩さんの《声なきラガーマン 神宮外苑 2023》、これ1点だけ。展示も平日である木曜日の1日だけ。宇佐美さんオリジナルの「Manda-la」プロジェクトの最新作です。 「Manda-la」のオフィシ

        • お祝いの時期、プレゼントに迷ったら。まるで書店にいるような体験ができる

          私だけではないはず。駅で見かける黒いスーツの集団を見て、新卒だった自分を思い出している人は。残業ってどれくらいなんだろうとか、夕食はちゃんと食べられるかとか、今思えば笑えますが、前日は緊張していました。 新年度は進級の季節でもあり、私にもこの春から高校生になる姪と、中学生になる甥がいます。メイクに余念がなかったり、スマホを肌身離さず持っていたり。欲しいものなんてない世代に何を贈ったらいいんだろう——。そうだ、困ったときの本にしよう。 小さいときは絵本を選んでいたものの、今

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          千鳥ヶ淵が満開になる前に、見ておいてよかった

          桜の満開が待ち遠しい。でも、開花が遅くて良かったこともありました。 小さなことですが、千鳥ヶ淵近辺がまだ落ち着いていたこと。その近くにある東京国立近代美術館は好きな美術館の一つで、没後初めての中平卓馬の回顧展を見るために先日ふらっと行ったのです。 編集者としてスタートし、その後写真家となった中平さんの初期の写真が載った雑誌から、1977年前後の記憶障害を経て2005年に亡くなるまでの作品が、しっかりキュレーションされて展示されていました。 作品もそうですが、どんな人が来

          千鳥ヶ淵が満開になる前に、見ておいてよかった

          23歳の環境活動家、露木しいなさんはエコバッグをもらわない。その理由は

          「私、エコバッグは要りません」 写真や動画から想像していたより小柄で華奢。シャープな視線とはきはきした口調がなければ、中学生くらいに見えるかもしれません。環境活動家の露木しいなさんのことで、冒頭は彼女の言葉です。 露木さんは「世界一エコな学校」と言われるバリのグリーンスクールで高校3年間を過ごし、今は環境活動家として全国の学校で講演をしています。 先週、Business Insider Japanと、弊社メディアジーンのメディア「MASHING UP」で共催したカンファレン

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          「日本の文字」はクール。行列ができるデザイン展に行ってきた

          風が冷たい週末の午後。用事の合間に六本木へ行きました。目的は「21_21 DESIGN SIGHT」(2121)でやっている「もじ イメージ Graphic 展」を見ること。 安藤忠雄建築の三角屋根の建物に近づくと、ずらっと行列ができています。しかも列には20代と思しき人ばかり。これまで2121の企画展で並んだことはなかったのに、と思いながら、出直してやっと見ることができました。 展示されていたのは、1990年代以降のポスター、ブックデザイン、看板などグラフィックデザイナ

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          人気の裏側、ヒットの裏側……「裏側」が気になるあなたへ

          「裏側」という言葉、気になりませんか? ヒットの裏側、人気の裏側、商品の裏側……。普段は知り得ないものを知りたい。それが動画時代、簡単に叶うようになりました。 つい引き込まれてしまうと今話題なのは「Process X」という動画チャンネル。オルゴール、日本刀、鉛筆といった日本のものづくりの現場に密着し、そのプロセスを見せてくれます。 実はBusiness InsiderのUS版でも、「Business Insider Today」というシリーズで、世界の伝統産業や農業の現

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          梅があるから梅ヶ丘、じゃなかった。「名は体を表す」の現実

          このところ暖かい日が続きますね。春の陽気だった先週末の朝、東京・梅ヶ丘にある羽根木公園の梅まつりに行きました。 初日ということで、公園内に設けられた小さなステージでは式典が行われていました。その挨拶を聞いていて、私は初めて知るのです。梅があるから梅ヶ丘じゃないんだ、ということを。 調べるとこの辺りに少し梅林があったから「梅ヶ丘」となった説があるようですが、梅林と言ってもごく小さなもの。 梅ヶ丘なのに梅がないのは寂しいという声から、1967年に55本の梅を植樹したのが始まり

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          はらぺこあおむしの「りんごをひとつ食べました」を英語でなんと言う?

          「そして げつようび、 りんごを ひとつ みつけて たべました」 ご存じ、絵本『はらぺこあおむし』の一節です。カラフルな食べ物の絵と、ページには穴の空いた仕掛けがあって、大人でも眺めていて楽しい1冊だと思います。 冒頭に戻ると、あおむしはりんごをひとつ食べても「おなかはぺっこぺこ」。なし、すもも、いちご……と一週間食べ続け、その後お腹が痛くなってしまうというストーリー。 この絵本を読みながら、そりゃあそんなに食べればお腹も痛くなるよねとずっと思っていました。 ところが最

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          編集長はまるで「素人」?毎年1月になると私が思い出すこと

          「ベテランのはずなのに、毎回素人に戻っちゃう」 周りにそう言われていた元同僚が、今年その某媒体の編集長に就任しました。ワーキングマザーとしては媒体初の編集長かもしれません。 20年以上の経験があり、準備もしっかりしているのに、まるでその分野の取材なんてしたことがないように見える。「素人に戻る」というのは批判ではなく、彼女の丁寧な仕事への愛ある言葉です。読者の目線と、ベテラン編集者の目線を往復しているのでしょう。私心がなく、まっすぐに仕事に向かう彼女の姿を思い出し、お祝いのメ

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          「日本終わり」は本当?佐藤優さんが25年ぶりのテレビ出演で語ったこと

          冬晴れの日、友人二人を引き合わせるランチをしました。一人は今中学生の子がいる、10年来の友人Kさん。もう一人は私が仕事を通して知り合ったMさんで、保育園に通う子がいます。詳しくは書きませんが、Mさんが子どもの進学について相談があるとのことで、それならKさんがぴったり、とランチの場をセットしたのでした。 私は二人の話を聞いていただけでしたが、お会計のときMさんが「今日は私が払います」と言いました。Kさんが即座に「私たちもこうやって先輩たちにお世話になってきたから、気持ちだけで

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          失恋したときは引っ越し。では、社長交代のときは?

          ある巨大グローバル企業の元日本法人トップから聞きました。 「社長交代のときは、オフィスで使うティッシュの銘柄まで変えました」 人の意識を変えるにはオフィスを移転するのが一番。それが無理ならせめて備品のブランドを刷新して物理的にも変わったと伝える、ということでした。 何の取材だったかは忘れましたが、このこぼれ話は覚えています。実際、オフィス移転のとき事業方針や組織を変える企業も多いと聞きます(余談ですが、失恋したら引っ越しが一番と、別の経営者から聞いたことも)。 10年

          失恋したときは引っ越し。では、社長交代のときは?

          大谷翔平選手のグローブは、未来をひらく

          年が明けてまだ10日。震災や事故は過ぎ去ったものではなく今もそこにあることを感じ、1日でも早く日常が戻ることを祈っています。 冬休みが終わった我が家では、帰宅するなり小学生が目を輝かせて言いました。 「今日、大谷翔平のグローブを着けたよ!」 石川県の小学校にも届いていたことをニュースで知り、子どもたちにとって少しでも希望になっていればと思います。 私が注目したのは、「たくさん練習して大谷選手のようになりたい」と話す野球少年はもちろん、一度も野球をしたことがない子たちで

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          年末年始、旅に出ない人も楽しめる。最後の「秘境」はここでした

          この年末年始は、旅行客がコロナ以前並みの数に戻るとのこと。やっと!ですね。 旅先では名所を見るのはもちろん、地元のお店を覗くのが楽しみという人も多いのではないでしょうか。私もその一人で、国内なら地元のスーパー、海外ならローカルの市場やスーパーに必ず行きます。 それは、そこに住む人の暮らしを見たい、そこにある日常を感じたい、という思いから。15年ほど前の年越しはキューバのハバナだったのですが、日本と全く違う店のあり方にショックを受けたこともありました。聞いてはいたものの、自由

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          ノンアルだと乾杯できない?ハイネケンの動画が伝える「見えない差別」

          クリスマスパーティ、そして忘年会シーズン。今年は4年ぶりに開催される会も多いのではないでしょうか。そう思いながらBusiness Insider Japanのトップページを眺めていたとき、この見出しが目に留まりました。有料の翻訳記事です。 「ハイネケン、数百万本のノンアルビールを無料配布へ。健康志向のZ世代の心をつかめるか」 ハイネケンと聞くと、2017年公開のキャンペーン動画「Worlds Apart #OpenYourWorld」を思い浮かべます。「価値観の違う他人と

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