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IVS女子部と「おやじの会」

先週、久しぶりに夏の京都へ行きました。スタートアップイベント「IVS京都2024」に参加するためです。私がモデレーターとして担当したのは、「EmpowerHER LOUNGE」というスペースでのセッション「ピッチ選考、アクセラ選考におけるDEIの重要性」。

このテーマにも表れているとおり、今年のIVSの特徴は「スタートアップのDEI」に挑んだことだと思います。

「EmpowerHER」ではDEIに関するセッションをいくつもつくったり、それ以外でも3人以上の登壇者の場合は1人女性を入れるなどの工夫をしたそうです。「#IVS女子部」というタグもつくり、SNSでも拡散されていました。

性別は多様性のうちの一つですが、スタートアップエコシステムにおけるジェンダーダイバーシティは大きな問題です。2022年7月の金融庁のレポートにあるとおり、資金調達上位50社のうち、創業者か社長に女性が含まれる企業が手にした調達額は全体のたった2%

多様なスタートアップが生まれ成長することは、多様な社会課題を解決すること、多様な社会をつくることにもつながり、今回のIVSの取り組みには賛成しています。

そこで思い出したのが地域の公立小学校における「おやじの会」。学校行事で誘導などをしてくれるだけでなく、飲み会などもあるボランティアの組織です。

「おやじの会に入りませんか」というチラシを見たときは、時代も変わったと一瞬ほっこりすると同時に少しモヤモヤしました。本来、PTAは男女問わず保護者が参加する組織なので、そこに入ってもいい。ただPTAが母親中心なので(その小学校では)、参加しづらい父親たちの組織を別につくろうということなのでしょう。

目的は「育児や地域活動に男性も女性も参画すること」と考えると、そこに異議を唱えるつもりはなく、手段は何でもかまいません。ただ、こういう組織が必要なのは過渡期だからだと信じたいのです。

IVS女子部も同じです。いつかIVS女子部という言葉が消えてなくなりますように、と心から思っています。

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