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性についてのあれこれ

とある芸人による性加害について連日報道され思わず見てしまう。私自身、深刻な性被害をうけたことはないが、心がざわざわするニュースだと思う。思いだしたのは以前、男友達と映画を見に行った(ちなみに『ピースオブケイク』という多部未華子さん主演のオシャレな恋愛映画です)際の受け止め方の違いに戸惑ったことだ。

「どうして拒否しなかったんだろうね」

序盤で主人公がすでに気持ちが冷めてしまっている交際相手から性行為を求められいやいやながら応じてしまう場面でのことだ。決して強制ではないが主人公が乗り気でないことは明らか。私はすごく共感してしまったのだが、男友達のこの言葉に心底驚いた。

その気がなかったら簡単に拒否できると思っているのだ。彼は決して強引だったり押しが強いタイプではない。私は、男性に拒否をするのは身体的な力関係があるから難しい、機嫌を損ねて暴力などを振るわれたらとの恐怖、性行為さえすれば落ち着くことがわかっているので一番てっとり早い旨などを説明した。もちろんこの状況で拒否できる女子もいるだろうけど。

若い頃、私は男性が怖かったし何もされなくても力の違いを感じ必要以上にびくびくしていた。ひとり旅など怖くてできなかった。男に生まれたらよかったのにと思ったことは1度や2度ではない。結婚、出産をへて若い女性という役柄をおりた頃から、男性が無条件に怖いと思うことはなくなってきた。

ちなみにこの映画の主人公はわりと流されやすいというかそんなにちゃんとしていない。今の若い世代がみたらクレームものかもしれない。

先日 Xでヨーロッパでワンナイトをし妊娠してしまった日本人女性の話が目についた。どうしてきちんと避妊しないのかと女性を責めるようなコメントが多く心を痛めた。相手は婚約者がいる現地男性らしいのだが、私が婚約者だったら嫌悪を通り越して軽蔑どころかそんなパートナーを選んだ自分に落ち込んでしまいそう。女性を責めるなら男性の責任だってもっと追及されてもいいはずなのに、世間はいつも男性の女遊びにはひと際甘くなんなら賞賛だってする。

余談だがフランスの人類学者 メラニー・グラリエ(Mélanie Gourarier)がナンパについて行った研究で、こうした男性達は女性が好きというより男性社会の中で賞賛されたくてナンパを行なっており、異性パートナーより男友達を大切にしているという結果を興味深く語っている。


ヨーロッパでは女性側がピルや避妊処置をしていることが多いのでそれをしない女性の責任という意見もある。しかしながら私は女性はピルを飲まなくても良い権利があると思うし避妊は常に2人の責任であると思う。ちなみに18からイギリスにいたがピルを一度も飲んだことがない。同じように留学していた友達はみんな飲んでいただけど私は飲まなかった。それは飲みたくなかったからという単純な理由。当時のパートナーである今の夫にもなんで飲まないの?と聞かれたが私の意志を尊重してくれた。これは誰かに強制されるものでは決してない。

私たちはいつまで女性を責めつづけるんだろう。私たちは全然きちんとしてないし、間違える権利もある。そしてそれを第三者が責める権利は全くないということを常々考える。


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