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イースター明け授業 励まし励ませられる言葉

イースター休暇が終わり久しぶりに後期の授業が始まった。もう3回目の受講。既に2回も受けたのに課題提出できなかった自分を恨みながら、重い腰をあげてやってきた。昨晩からどうも調子が悪くお腹がいたい。こんなに行きたくない授業は初めてだ。どうやらディスカッションはあるし、うまく話せるかな。1年目、2年目までは頑張って作っていた友達もこのクラスではほとんどいない。

授業は2時間。約30分の講義スタイルの後はグループディスカッションだ。自動的に割り振られてるグループは6人。1人は間違えて登録してしまったらしいので除いて5人全員集合。わたしは今までの授業でグループ運がなく、まじめではないメンバーが多かったり誰も来ないグループにわりふられたりすることが多く苦手意識があった。今回は初めて当たり。メキシコ、トルコ、レバノン、イギリスと多様なバックグラウンドを持つクラスメイトと修論の概要を発表し質疑応答といったスタイル。みなの興味関心の分野も面白くてやっぱり来て良かったなと。レバノンの彼はヒズボラについて、イギリス人の彼女はガーナの中学校の女子教育、メキシコの子はメキシコかベルギーでのレーステキスタイルについて、トルコの子はヴィーガンの政治的アクティビズムについて。知らない話もあったり個人的な経験に基づいたモチベーションがあったりと聞いてるだけでも面白い。

わたしはベルギーに住む日本人女性がどのように苦難を乗り越えそれぞれの世界を築いているのかというテーマにしたいと話した。ずっと日本人女性のベルギーでの出産について扱おうとインタビューなどもしてたのだがどうもしっくりこなくて。実はベルギーに来てから一番心を動かされたのは、子どもがいなかったり英語や現地語が全く得意ではなく外国に住むなんて考えたことのない女性たちが夫に連れられて初めてベルギーに来てから、現地に溶け込む努力をしながら毎日を楽しく生きようとしている姿なのだ。これを書きたいと今は強く思う。誰も書いてこなかったしこれからも誰も書かないだろう。アイデンティティやエージェンシーなど哲学的な問に苦手意識は強いが挑戦したいとやっと思えるようになった。

すごく面白そうだね、とトルコ人の彼女が目を輝かせて言ってくれてうれしかった。心の底から面白いと思ってくれてるのだ。政治的でも今後の社会のために役に立つテーマでは決してない。それでも面白いといってくれる言葉にどれほど励まされることか。

レバノン人の彼は日本大好きなようで、なんとわたしが人生で初めて会った日本人とのこと。なんと光栄な。イギリスでは田舎に住んでたこともありわたしが初めての日本人というケースをたくさん経験した。以前は日本人代表としてふるまわねばなど思っていたが、いまはただ嬉しいし特に取り繕うとも思わない。思ったより低音で早口でよく喋る日本人の女性がいたっていいじゃない。

ここでは珍しいイギリス人の彼女とはイギリスの行ったことある場所で盛り上がる。なんとLampeterにも行ったことあるらしい。イギリス人でも知らない人が多いマイナーな地なので嬉しい。イギリス英語のリズムは耳に心地よくてまたイギリスに行きたいなと心から思う。どうやら体調も落ち着き朝は重かった足どりが軽くなりお迎えまでの道のりも楽しい。何気ない言葉がわたしを励まし動かす力をくれる。そんな言葉をわたしも誰かにかけられているだろうか。そうだったら嬉しい。





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