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【脚本】『じんない』~2017年再演ver~(弐)

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本日こちら発表になりました。
GW、もし宜しければぜひご覧ください。

『艶姿河内六人娘』のプレ稽古の際に、「じんない」の本日お届けする中の1シーンをやってみたのも懐かしい思い出です。

前回はこちら↓

初演verの同じ箇所はこちら↓


#8

夜の吉原。裏通り。一人の女が、複数の影に襲われている。
女の名は明日葉。風魔の抜け忍。襲っているのは風魔衆。殺陣。
多勢に無勢。取り囲まれ追い詰められる。危機一髪。その時。
嵐兵衛が助けに入る。武器は無し。素手。
襲い来る数人を倒し、相手の武器を奪い闘う。

嵐兵衛 「ワケは知らねえが、女一人に大勢で、随分とみっともねえんじゃねえかい。」

襲い掛かる一人の忍び。風魔の小太郎。つばぜり合い。
月明かりで露になった庄司の顔。

小太郎 「!」

飛び下がる小太郎。動揺する風魔衆。

小太郎 「貴様、」
嵐兵衛 「テメエ、何者だ、」
小太郎 「とぼけても無駄だ。やれ!」

再び襲い掛かる風魔衆。
遅れて駆けつける兵庫助。

兵庫助 「面白そうなことになってるじゃねえか!」

襲いかかろうとする忍びを立て続けに二人三人と斬り捨てる兵庫助。

兵庫助 「獲物の横取りは許さねえぜ。」

乱戦になる。鉄之助もやってくる。

鉄之助 「若!」

襲い掛かる女忍・千破矢。

鉄之助 「(ギリギリで受け止めて)わっ!・・・え、女?」
千破矢 「ナメるな!」

千破矢、猛烈な攻撃。鉄之助は防戦一方。
割って入る兵庫助。刀を峰に返し千破矢を撃つ。

千破矢 「うっ!」
女忍たち 「千破矢様!」
小太郎 「ちっ・・・退け。」

風魔衆、去る。

兵庫助 「なんでぇ、面白くねえ。まあいい。ちょうどお誂え向きの場所じゃねえか。庄司甚内、さっきの続きといこうぜ。」
嵐兵衛 「庄司甚内・・・それは俺の名か。さっきの野郎も俺を知っているようだった。庄司甚内というのは、一体何者だ。」
兵庫助 「貴様、とぼけてるのではないのか。本当に覚えてないのか。」
嵐兵衛 「あいにく五年より前の記憶がねえ。」
兵庫助 「ならば、思い出させてやるまでだ。」

兵庫助、刀を構えなおす。

嵐兵衛 「こっちは思い出したくもねえんだがな・・・」

嵐兵衛も構える。

四郎左 「動きなさるな。」

いつの間にか四郎左衛門と、吉原の男衆たちが武器を手に取り囲んでいる。
少し離れた高いところからまといが火縄銃で狙いを定めている。

兵庫助 「三浦屋・・・」
四郎左 「この吉原での私闘は禁じられております。刀をお納め下され。」
兵庫助 「ふん、随分と物騒な色里だ。」

兵庫助、納刀。

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