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おいしいご飯、1人の時間

今日の夜は、家に一人ということで、2回目の一人飲み。
なんだか今日は気分が落ち込み、正社員として働いていない自分が急に情けなくなった。このままお金もどんどんなくなったらどうしようとどんよりした気持ちに。

せっかくだしおいしいところでご飯を食べて元気になろうと決めた。

一応、いくつかお店を調べてみたけれど、ピンとこなくて、とりあえずずっと気になっていたお店に行ってみた。

外から覗くと、お客さんは2組。ちょっとドキドキするけれど勇気を出して入ってみる。

カウンター席がメインの店内は、温かな色の照明でとても雰囲気がよい。

なにを注文しようか悩んでいると、メニューの最後におまかせコースがあった。しかも、2100円とお手頃で、前菜2品・お造り・揚げ物2品。

飲みたかった生ビールと一緒におまかせコースを頼む。

一席空いた隣には店主さんと親しげに話す常連らしきご夫婦。
二つあるテーブル席の一つには、小さな女の子を連れた家族。

1人でいるときに何をしていいのかわからず、店主さんとお客さんの話を聞いてみたり、料理の様子を見てみたり。あんまりじーっと見ていては失礼かなと思って目線を外してみたり。

一品目がきて、食べた瞬間に「ここにきて正解だった」と心の中でほほ笑んだ。けどきっと顔にも漏れ出ていたと思う。そのくらい美味しくて居心地がよかった。


その後次々出てくるものが全部おいしくて、出来立てで本当に最高だった。

本当はデザートともう一杯ぐらいいきたかったけど、支払いが現金のみで4000円しか持っていなかったので諦めてしぶしぶ帰る。

お支払いの時に、「どなたかの紹介ですか」と店主さんに声をかけてもらったので、「そういうわけではなくて、以前から来てみたかったんです。とってもおいしくて一人でも来てよかったと思いました。また来ます!」と宣言してお店からでた。

帰り道、やっぱりまだいたかったなーと思いながらも、きっと今回はこれでよかったんだと自分に言い聞かせた。

最近いろんな本屋さんを巡っていて思うけど、自分が好きなお店には続いてほしい。だからこそ、適切にお金を支払いたいと思う。(本屋さんではだいたい本を一冊買っているので、本が増えてどうしたものかというのが今の悩みだけど)
適切に支払うためには、私もしっかり働かなければなとご飯を食べながら、お酒を飲みながら心の底から思った。

自分の手間暇かけて作ったものが、1人の人間をここまで幸せにするなんて本当にすごいことだな。私ももらってばかりいてはいけないな。

最近の私と言えば、幼稚園のお手伝いをしながら、今後どうやって生きていくかに思いを巡らす日々。本屋さんがない地元に本屋さんを作れたらと思いつつ、踏み出しきれず、かといって他に興味があることもいまはなくて。迷っていないで行動あるのみとわかっていてもいまいち一歩が踏み出せない。でも、やっぱり、美味しいものを作ってくれた人、素敵な文章を読ませてくれた人に自分が働いたお金を使いたい。そしてそのお金が、誰かが納得して私に出してくれたお金であってほしい。今までもなんとなく思っていたことだったけど、はじめて本物の感情として湧き上がってきたと思う。
美味しいご飯を食べて、ほっとする時間を過ごせたおかげで、出すか悩んでいた履歴書を明日出してくることに決めた。


世の中の一人飲み楽しい人は、この満足したなんとも言えない幸せな気持ちをどうやって消化しているんだろうか。

私はどうしても、この気持ちを誰かに伝えたくなってしまう。
飲んでいる時は一人でいいけど、帰ったら誰かに「美味しかったんだよ、いいところだったよ」と伝えたい。

一人の楽しさが最近少しずつわかってきたような、まだまだなような。
とにもかくにも、また絶対にいきます!紡さんへ!



見出し写真:minolta tc-1× kodak colorplus200

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