SaaSのサブスクリプション型モデル事業を話してみる
ANNUAL SPEND BY COHORT GROUP of Atlassian Corporation Plc
参照資料
初めて見たとき衝撃を覚えた図です。このように美しくサービスの売上が積み上がっていくのかと。
SaaSのサブスクリプション型のビジネスの理想的な形だと思います。ベースの売り上げを持ちつつアップセルで関連するサービスを利用する。見ていて気持ちいい。こう言う説明資料が最近だと増えて来たなと感じてます。SaaSのサブスクリプション型のベース資料だと思ってます。基本の月額利用料を獲得しつつオプションでアップセルを積み上げていく、と言うものです。何度見ても美しい。
なお、分析はこちらを見てください。何度も見直すレベルです。
このモデルの特徴は、一般的に急激な増加を見込みづらい一方で急激な減少がないため、売上が予測しやすいというところだと思います。そのため、予算達成について将来一気に挽回するような説明が難しくなります。もちろん、サービスの質にもよります。
また、このモデルの事業はLTVが重要になります。LTVの金額からそれを獲得するために投下できる費用を考えなければならないためです。LTVについては顧客グループに応じてLTVの金額が変わってくることが一般的です。そのため、過去からの金額や継続期間に基づいて売上を推定すると将来の売上に大きな乖離が出ることがよくあるので注意してください。入ってくる顧客の質は時と共に変化していくことを理解しておくことが重要です。
このSaaSのサブスクリプション型の事業は
月額の基本料金の金額設定
オプションサービスの価値とそれを伝えるタイミング
がポイントかなと思います。
月額の基本料金の金額設定
金額設定ってどうすればいいの?と言う話を相談されるのですが正解は見えてません。試行錯誤です。ただ、自分のなかでは
必要原価
その商品のカテゴリー
を鑑みて決めることが重要だと考えてます。
なお、価格の考え方だとこの本がお勧めです。
通常運用する上で最低必要な金額を見積もり、サービスを継続することで赤字が拡大していくような状況は避けるべきです。一方で類似サービスより金額が明らかに大きい場合、利用されません。
当初決定した金額設定で進められれば良いのですが、どうしても見直すタイミングが出てきます。その時絶対やってはいけないのが、ただ値上げすることです。自分が消費者だった場合を考えてください。その値上げすることが合理的であることが必要です。
また、オプションですが、自社が基本的に提供しているサービスについてどのようなサービスであれば追加で使いたいか、がポイントです。継続して利用してもらえるサービスであればいいですが、月次で判断するサービスでも使う機会が多いサービスであると理想です。とりあえずそのオプションが使いたいと思われるような価値があるサービスでないと意味がないです。
オプションサービスの価値とそれを伝えるタイミング
どのようなオプションに需要があり、どのタイミングでそのオプションの需要が高まり、どのような時にチャーンしていくかを管理し、継続して利用または追加購入してもらえるよう、それに対応するための体制を作る必要があります。以下はこのような体制を作るヒントが書いてある本になります。
この本に書いてあるのは理想です。ただ、これができたら本当に素晴らしい経験をユーザーに提供できると思います。そのため、自社のサービスのことを理解することが本当に重要で、その理解するための期間に終わりはありません。
まとめ
このモデルについてはいろんな方が書いているのでちょっと引いてみた視点で書いてみました。
SaaSのサブスクリブション型のビジネスでプラットフォーム化を目指しているスタートアップが多いな、と感じてます。プラットフォーム化はデータを自社に集めたいという思考からの事業設計だと思ってますので、そのデータの活用方法がポイントになります。データの活用はもちろんデータ自体を集めることが困難な場合もあるので、サービスがよくなるようなサービスの提供と改善がうまく回るような仕組みを考えてはいかがでしょうか。
相談される内容について書いてみて、「このくらい普通だろ」と思う人もいると思います。ただ、実際サブスクリプション型のサービス設計において相談されてしまっているのでこんな感じ、と言うのでも伝えられればと思いました。もちろん、こちらは一例です。
最近この手のモデルが増えてきてますが、サービスによってなので、このモデルに絞られず継続的にサービスを影響できる体制と事業を作ることが重要になるので上の話が参考になれば幸いです。
各指標について
各指標については以下が詳しく説明してくれてます。すごくわかりやすく。
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