「事実」ですか「意見」ですか?
人のお話を聞くのもお仕事みたいになっている会いに行けるセンセイです。学校(教員)のセカンドオピニオン的なことをやっています。
ある方から、
と紹介いただきました。はい、学校現場(教育現場?)には、驚くほど根拠がないまま思い込みで語られることが多い印象をもっています。交通整理するだけでも、救われる方がいらっしゃいます。
ちょっとしたコトで、できるようになりますので、やっていることを紹介します。
「事実」か「意見」かを切り分ける
まずは、相手が伝えていることの交通整理をします。よくあることなのですが、「事実」と「意見」がゴチャゴチャになって伝えてくることがあります。なので、お話をよく聞く・書いてある文章を読む、などして相手の伝えたい内容の「事実」と「意見」を切り分けます。
たとえば、
『コロナ禍で出席できないときには、オンラインの出席を認めて欲しい。なぜならば、受験に影響するから』という相談を受けたとしましょう。
そんなときは、
コロナ禍で出席できないケースがある
オンラインの出席を認めて欲しい
理由としては、受験に影響する(と聞いたから)
というように、まずは切り分けます。
「事実」と「意見」とわけてみる
次に行うのは、「事実」と「意見」に分ける作業です。
1は、「コロナ禍で出席できないケース」という「事実」があるのでしょう。
2は、「オンライン」で参加したという「事実」があって、それを出席と認めて欲しいという「意見」があるのでしょう。
3は、出席日数が受験に影響するという「意見」を聞いたのでしょう。
と、分けて整理整頓します。
「事実」は一次情報に立ち戻る
次に行うのは、事実を確認する作業です。「コロナ禍で出席できないケース」があるというのは、どういう扱いをされるって決まっているんだっけ?と。
私の場合は「文部科学省 コロナ」と検索して、文部科学省の該当するサイトへ確認しにいきます。以下のサイトにたどり着きます。
新型コロナの感染が原因であれば「出席停止」の措置を取ることが決まっています。不安で休む場合も同じ扱いにできます。「え?そんなこと可能なの?」って思われる人がいるかもしれませんが、そう書かれていますので、できるのです。(としか、現場の教員としては言えないです)
オンラインで授業に参加したことを「出席」として認めて欲しいという「意見」については、心苦しいのですが、まずは意見の部分は隠します。なので「オンラインで授業に参加した」という事実をどう扱うかについて考えます。この状況については、現状としては「出席」と扱えないと捉えるのが主流のようです。
「意見」と一次情報をすり合わせる
出席として認めて欲しいという「意見」が存在することはつかんでいます。そして、その背景には、受験に対して出席日数が不都合になるのでは?という「意見」が存在することだと捉えています。
ここでも、一次情報の登場です。「不都合になる」と何かの情報で受け止めていることが多いのですが、一次情報を掘り下げていくと、
ってあるんですよ。なので、出席日数とか授業日数を選考の材料にしていたら、こちらの文科省の通知と異なることをしていますので、一条校として大丈夫ですか?と確認すればいいわけです。
「とはいえ、闇ルールみたいなものがあるんじゃないですか?」とか言われることもありますが、見たこともないので、「ないと思いますよ」という私の意見を述べるしかないですね。ここで水掛け論してても何も生まれませんし。それ以上のことは、現場の教員では配慮できません。
まずは「読みましょう」
相談される方にもよく伝えるのですが、一次情報を読んでみてください。大体のことが書かれていますし、答えになることも書かれています。それを、どう捉えるのか、どんな意見をもつのかは人それぞれでいいのですが、思い込みだけで語るよりは、コミュニケーションが少しはスムーズになると感じています。
そして、知っておいていただきたいのは、現場の教員も読んでないことは多々あります。私もすべてを読んでいるわけではないです。が、何かわからないことに出会ったときに「一次情報に戻る」ことをしています。これをするだけで、幸せに近づけます。メンドクサイかもしれませんが、人生が幸せに近づく方法だと思って、取り入れてもらえると嬉しいです。
事実をベースに対話できる未来のために。
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