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美人のくせに、生きづらい。

こんばんは、ルキノです。

「私が貧乳コンプレックスを解消して、自分のおっぱいを愛するまで」についての全3回のインタビュー連載。

第1回「荒療治編」
第2回「メディアに騙されるな!編」に引き続き

第3回のテーマは「美人のくせに、生きづらい」です。

今回も、自分の外見について悩んでいる人にとって何かヒントになるものがありますように。

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1.美意識が高いお母さん


ーールキノさんが「自分の容姿」のことを意識するようになったのっていつ頃なんですか?

ルキノ:子供の頃までさかのぼってみると、原点は母かもしれないですね。

ーーへー!お母様が原点ってどういうことですか?

ルキノ:母って本当に美人で、お洒落で、インテリアにもこだわりがあって、「完璧な美しさ」を追求する人だったんですよ。コンビニに行く時にも、適当なジャージとか絶っっ対に着ないタイプです(笑)。自分が気にいるカットをしてくれる美容師さんが見つからなくて自分で髪を切っていた時期があるほどで。とにかく「美を追求することに手抜きをしない人」って感じですね。

子供の頃、私の洋服も靴や靴下に至るまで完璧にコーディネートされていました。幼稚園の頃、他の子はみんな白い靴下を履いてたんですが「白い靴下ってダサい」と一人だけ黒のニーハイでしたし。

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ーーものすごいこだわりですね!!そんなお母様と一緒にいてルキノさんはどんな風に感じていたんですか?

ルキノ:母がそんな風だったので「美しさ」にこだわる事は当たり前だ、という感覚だった気がします。でも自分には、母ほどのこだわりはないなあと思いますけど。

ーー美へのこだわりと、ルキノさんが女優という「容姿の美しさが重要な要素になる」お仕事を選んだことは関係があるのでしょうか。

ルキノ:そうですね…。小さな頃から親や親戚に「美人だね、女優さんにもなれるよ!」とよく言われていたんですよ。それで「へー、私って美人なのか。女優…目指してみようかな」と。身内びいきの言葉を鵜呑みにしただけなんじゃ?って感じですけど(笑)、子供の頃からふんわりと、女優になる事への夢は持っていました。

ーー子供の頃からずっと「美人だ」と言われて育ってきたのですね!そしたら、自分の容姿に自信があったのではないですか?

ルキノ:周りからそう言った言葉をかけられることが多かったので「私は、世の中的に見てどうやら美人という部類であるらしい」ということは、自分の中ではもう普通みたいな感じに思っていました。でもそれと「自分に自信がある」とはまた全然別問題だったんですよね。

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2.美人がみんな幸せってわけじゃない


ーー「美人だね」と言われても、自信を持つことには繋がらない?

ルキノ:もちろん言われたら嬉しいんですけど。他人に外見を褒められても、全然自信を持てなかったですね。なんなら、私の顔は濃すぎてモテ系じゃないからもっとふんわり小動物女子っぽい見た目になりたいなーと思っていました。美人よりカワイイ系になりたい!みたいな。

自分で言うのもなんですがまあ美人の割には、自分に自信がない方だと思います。残念な美人(笑)。でもね、美人は全員自信満々で、幸せ!ってわけじゃ全然ないと思うんです。

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ーーええ!そうなんですか?

ルキノ:美人って、なんか人生バラ色な感じするじゃないですか。それだけでもう得みたいな。ポジティブなイメージしかないかもしれない。でも、いい面ばかりじゃないと思うんですよ。例えば「美しさこそが自分の価値だ」とそこに価値を置きすぎていると、「美しさが無くなったら、自分には価値がなくなってしまう」という怖さと共に生きていくことになる。

正直、「年齢を重ねることで見た目が変わっていく事」はやっぱり怖いですよ、今でも。見た目が勝負、の世界にずっといたから余計に。美人の女優やタレントが年齢を重ねて「劣化した」って言われるのを見ていると、自分も思われてるのかなーと。劣化なんて失礼な言葉、無くなったらいいのになあと思いますけど。

ーー「美人」にマイナスポイントがあるなんて、考えたこともなかったです。

ルキノ:ちなみにもう一つマイナスポイントを挙げるとしたら、「美人弁護士」とか、「美人〇〇」と枕詞につくとなんか一気に「見た目頼りで中身が伴ってなさそう」みたいな感じになっちゃうとこですかね。美人に実力なんてないだろう、みたいな。

ーーあー!!たしかにそれはありますね!(笑)

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3.貧乳だといい女になれない?


ルキノ:今色々質問されてて気づいたんですけど…。私は自分に全然自信がなかったから、「たくさんの男性にいい女だと思われたい」という気持ちが強かったんですね。多くの男性に認められたら、自分に自信を持てるはず。そう思っていたんだと思います。

だからいわゆる『男性が求めるいい女の条件』に当てはまれるような女になりたかったんです。「可愛くて、おっぱいが大きくて、色白で、若くて…」みたいな。

ーー世間の「いい女像」に合わせようとして、苦しくなっていたんですね。

ルキノ:まさにそうですね。男性から求められる「いい女」になろうと思った時に、「貧乳」は明らかなマイナスポイントだったんです。おまえは女としての価値が低いんだ、という烙印を押されたような気持ちになっていました。おっぱいという武器が自分にはないから「いい女」になれなくて、男性に愛してもらえない!と思っていた。

私の貧乳コンプレックスの根っこにあったのは、「胸が小さいと世間の『いい女像』から外れてしまう。そうすると男性に愛されない」という気持ちだったんですね…!!

ーーなるほど!!…でも、男性に面と向かって胸のことを言われた経験ってあんまり無いんですよね?(第1回参照

ルキノ:そこなんですよ!!実際には、誰も「胸が小さいから君のことを愛せない」なんて、私に言ってないんです。雑誌やテレビやネットからの「いい女=胸が大きい」の刷り込みで、「胸が小さいと男性に愛されない」という思い込みを作っちゃってたんですよね。自分で勝手に。

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ーー貧乳コンプレックスのコアにあったものが見えてきましたね。

4.美しくないと愛されない、という思い込み

ルキノ:あっっ!!

ーー???

ルキノ:冒頭の母の話とつながってくるんですけどーー完璧な美しさを追求する母に育てられたことで、「完璧に美しくないと愛してもらえない」と、無意識に子供の頃からどこかで思ってたのかも!その「愛されるには美しさが必要」という、母親との間にあった思い込みパターンを、男性との関係にも応用してしまっていたんじゃないかな。

ーーああー!完璧じゃないと愛してもらえないって感覚が、元々ルキノさんの中にあったんですね!子供の頃に家族との関係でできた思い込みを、大人になってからの人間関係にも応用してしまうって実は結構ありそうな気がします。

ルキノ:でも、それも母の言動を見ていて私が勝手に思い込んだだけで、母は「完璧に美しくないとあなたのことを愛しません」とは実際にはひとことも言ってないんですよね(笑)。なんだ、全部自分の妄想だったのか!

そもそも他人のほんとうの本音なんて、永遠に分からないものですしね。謎が解けてなんかすごくスッキリしました!思い込みって、こうして言語化できると「なーんだ!そんなことか!」ってなりますねえ。「幽霊の正体見たり枯れススキ」的な。今回まゆこさんにインタビューされたことで、自分の中がずいぶん整理されたように思います。

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ーーそう言っていただけて嬉しいです!

ルキノ:そして、同じように容姿に対するコンプレックスを持っている人たちに「本当は劣等感を感じなくてもいいことを、周りの人やメディアからの洗脳で、思い込まされてるだけなのかもしれないよ〜」と、声を大にして伝えたいですね。

ーーこの考え方を知るだけでも、楽になる人がいるんじゃないかと思います。最後に今後の展望についてお聞きしてもいいでしょうか?

5.コンプレックスを感じなくていい未来へ


ルキノ:私は今まで「小さな胸」を生かして「ちっぱいコスプレイヤー」として活動してきました。コスプレ活動を始めた当初はどちらかというと、承認欲求や「こんな私の体でも、いいと言ってくれる男性がいるんだ!」という嬉しさがモチベーションの多くを占めていたと思うんですが、

最近は同じ「小さな胸を生かす」という活動の中でも、「自分と同じように胸のことで悩む女子たちのために生かしたいな」と思うようになりました。まずはおっぱいから、その先には、男女問わずコンプレックスを感じなくていい未来になっていくといいなと。

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ーーコンプレックスの素晴らしい活用法ですね。ぜひ、社会にそういう空気を作り出していってほしいです!

ルキノ:ボディポジティブというムーブメントがあって、最近は世界的にも「容姿の美しさ」に対する見方が変わってきています。「どんな体型にもそれぞれの美しさがある」と、美しさの基準が一つではなく多様になってきているんです。

見た目の呪縛から解放されていくと、どんどん生きやすくなっていくと思うんですよね!特に女性は。若くて、細くて、おっぱいが大きくて、お肌も髪もツヤツヤ!みたいな女性だけが「美しい」わけじゃなくて、それぞれが自分らしい容姿のままで全部オッケーになったら、私も正直生きやすいし全ての女性も楽になるんじゃない??と。

自分に何ができるのか?まだはっきり見えてなくて不安な部分もあります。でもまずはこうして自分の体験や考えをシェアすることから始めて、2021年には胸に悩みを持つ女子たちが気軽に話せるような「ルキノお悩み相談室」をオンラインでやったり、他にも小胸女子のためのミュージックビデオHINNEW♡♡を制作したり、色々なおっぱい企画をやりたいなと考えています!

ーー今日は本当にありがとうございました!

ルキノ:こちらこそありがとうございました!

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インタビュアー/Mayuko Abe
文/ルキノ・Mayuko Abe
写真/クマガエ(夫)



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