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私が貧乳コンプレックスから解放されるまで。(2)〜メディアに騙されるな!編〜


ルキノが貧乳コンプレックスを解消して、自分のおっぱいを愛するまで」についての、全3回のインタビュー。

風俗で働いてみたり、コスプレイヤーになってみたりという波乱万丈の(1)「荒療治編」に続き、今回は(2)「メディアに騙されるな!編」です。

そもそも、「女性の胸は大きい方が良い」という価値観っていつからあるものなのか?その辺りから考えてみたいと思います。

(※多くの人に届くよう一番わかりやすい「貧乳」というワードを使ってますが、個人的には貧しい胸なんてないと思ってます。小胸やシンデレラバストなどの言葉がもっと浸透していきますように!)

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1.「おっぱいは大きい方がいい」という洗脳


ルキノ:実は胸の大きさに対する世間の感覚って、時代によってものすごく変化してきてるんです。
昔の中国では、胸が小さい方が清楚で美しいとされる時代があって、サラシを巻いて小さく見せるようにしていたそうです。足が小さい方がいい「纏足」という文化の胸バージョンですね。

おっぱいについての歴史を見てみると、「大きい方がセクシーで良い」とされている時代もあれば「小さい方が清純で良い」とされている時代もあり、「いつの時代でも『胸が大きい方が良い』とされてきた」という訳ではなかったんです。

日本でも、江戸時代まではおっぱい自体が性の対象ではなく、春画でも大きな乳房どころか乳房自体もほとんど描かれなかったらしいですし。日本の男性が大きな胸に性的な魅力を感じるようになったのは、戦後に欧米の文化が入ってきてからなんですよね。

ーー女性はふくよかな方が良いという時代もありましたしね。胸の大きさを含め「美しさ」の基準は絶対的なものではなく、時代や文化によって変化するものなんですね!

ルキノ:そうなんです。胸に関する歴史を調べる中で「『胸が大きい方がいい』という価値観は絶対的なものじゃないんだ!」って知ったことが、コンプレックスを乗り越えた三つ目のきっかけでした。

ここ3~40年くらいはちょうど「大きいおっぱい>小さいおっぱい」という概念が世間に強くある時期で、だから現代に生きる私たちは、小さな胸をコンプレックスに感じてしまいがちなんじゃないか?と。

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(写真:赤ワンピース/現在 ブルー水着/6年前に「シンデレラバスト向けランジェリー」feastを着用した際のもの)

2.メディアによる洗脳


グラビア雑誌で表紙を飾るのはたいてい、胸が大きい女の子たちですよね。マンガでも「色っぽく魅力的な女性キャラ」のおっぱいは必ず大きく描かれてきたし、アダルトビデオでも胸が大きい子が多い。雑誌の表紙に「Hカップ!」と書かれることはあっても「Aカップ!」と書かれることはない。「カップは大きい方がいい、AカップよりもFカップ」という空気感をメディアが作ってきたことで、胸が小さい女の子が悩んできたんじゃないかな

ーーメディアの発信で傷ついた具体的なエピソードは何かありますか。

ルキノ:例えば10代の頃に読んだファッション雑誌に「ブラジャーの選び方」という特集があって、そこには「いかに胸を大きく見せるか、寄せて上げるか」ということが延々と書いてあったんです。そこから私が受けとったメッセージは「小さなおっぱいには魅力がないんだ。だから、大きく見せないといけないんだ。」

私の場合もやはり、メディアが発信してきた「女性は胸が大きい方がいい」という価値観に洗脳されていたのが、コンプレックスを感じていた大きな原因の一つだと思います。メディアの発信を当たり前に信じて、「胸が小さい自分は、女としての価値が低い」という思い込みで苦しんだ部分が大きい。

ーーたしかに雑誌やテレビなどでは、「胸が大きい女性が魅力的だ」という発信が多いですよね。

ルキノ:小さいおっぱいに「貧乳」という呼び名が出来たことも、胸が小さいことに対して「なんだか可哀想なもの」というマイナスのイメージができた一因じゃないかな。1995~1996年くらいにTVブロスのコラムでライターが使ったのが発端になったらしいんですけど。「人のおっぱいを、貧しいなんて言うもんじゃねー!!」と結構怒ってます。死ぬまでに肥溜めに100回落ちる呪いをかけたいです。

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ーー肥溜め(笑)。でも、メディアが「おっぱいは大きい方がいい」というイメージを作り上げてきた感じはありますよね。

3.コンプレックス商法の罠


ルキノ:
そうですね。その「おっぱいは大きい方がいい」という洗脳が外れたことは、かなり大きなきっかけでした。あと同時期に、「コンプレックス商法」に乗せられてたことにも気づいて。(「コンプレックス商法」とは、容姿に関して「あなたはここが人より劣ってますよ」と消費者の劣等感を煽ってコンプレックスを抱かせる事によりモノを売る商法。)

「貧乳だとモテない→このブラを買えば巨乳になれてモテモテ!」的な、よくYoutubeなどで見かける広告です。劣等感を煽ってモノを売りつける、という商法のカモになってたの!?って気付いた時に、心底あほらしくなったんですよね。勝手に劣等感を感じさせて物を売りつけるなんて、ゲスの極みだな~!と思います。

ーー年齢とか、シミとかシワとか、髪の毛とか、太ってるとか、ペニスのサイズとか…そういう他のコンプレックスに関してもよくある広告ですよね。

ルキノ:そうですね。胸だけじゃなく外見にコンプレックスを持っている人がいたら、それを生み出した人たちやコンプレックスを煽ってお金儲けをしている人たちにもっともっと怒っていい!と思うんです。悩んでる方が悪いんじゃない!!悩ませる原因を作り出した社会が悪いんだー!!って。

ルッキズムというものに対する怒りは、私自身すごくありますね。人の容姿に優劣をつけてきた社会こそが、コンプレックスを生み出してきたんじゃないかと。本当は優劣なんてなくて、ただ「違いがある」というだけだと思うんですよ。SMAPの「世界にひとつだけの花」みたいに、種類は違うけれどそれぞれに良さがあるみたいな。

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ーー自分を責めないで社会を責めちゃうっていうのは、自己否定に繋がらなくていいかもしれない。

4.自尊心を下げる環境から逃げる


ルキノ:
たしかにそうですね!それで言うと、元々私は容姿だけじゃなくて「私はダメな人間だ、価値がない」と自分を否定してしまう癖がすごく強かったんです。自尊心が低かった。さらにメディアの「小さな胸に価値がない」という発信を真に受けたり、お付き合いしていた人に否定的な言動をされる度に「やっぱり私は女としてダメなんだ」とどんどん自尊心が下がっていきました。

そんな自分の経験から、「容姿のことをディスってくる彼氏(彼女)や友達からは、秒でにげろ!!」と言いたいです!君は悪くない、容姿のことを言ってくる人たちが下品なんだと。

今は結婚しているのですが、夫は逆に私のことをすごく丁寧に扱ってくれるんです。この夫との出会いが四つ目の、コンプレックス解消のきっかけですね。自尊心を下げる環境に自分を置かない。自分のことを丁寧に扱ってくれる人たちと一緒にいること。これはとても大事なポイントだと思います。

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ーーなるほど。自分を丁寧に扱ってくれる環境に身を置くことで、自尊心が上がっていったのですね。

5.自分を丁寧に扱う


ルキノ:もちろん自分でも、自分を愛する努力をしました。自己肯定感がものすごく低かった私が、ある時「これからは、とにかく自分を大切にしてあげよう!」と自分で決めました。そうして自分で自分を丁寧に扱っていくうちに、10年以上かけて、少しづつ自分に対して悪くないと思えるようになってきました。

一気に変わったわけではないですが、少しづつ山を登るみたいにふと気付いたらベースの自己肯定感が上がっていて、それに伴っておっぱいのこともあまり気にならなくなりました。

最終的には、自分で自分を「いいじゃん」って思えたことで、自分に付随しているパーツであるおっぱいも「いいじゃん」になったというか。まあ今でも、完全に自分を大好き!ってわけじゃないんですけど、「私で生まれてきたんだから、変えられないものを嘆いても仕方ない。私で生きていくしかないんだな」くらいには受け入れています。年齢を重ねて図太くなった…というのもありそうな気がするけど(笑)。

自分で自分を大切にする努力をした」これが、コンプレックス解消の五つ目のきっかけです。

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ーーまとめると、①他人から自分の体を肯定された経験。②コンプレックスに関する知識を得たこと。③内側からの自己肯定。これらの流れがあって、ルキノさんは自分のおっぱいを愛せるようになっていったんですね。

ルキノ:そうですね。10代の頃からじわじわと失ったおっぱいに対する自信を、時間をかけてじわじわと40代でようやく取り戻したって感じです。ふー!めちゃめちゃ喋りましたね!2時間以上。話を聞いていただいて、ありがとうございました。

ーーほんとですね!こちらこそ、ありがとうございました。こうして2時間、お話を聞いてみて思ったんですけど…あの、ちょっと思い切ったこと言っていいですか。

ルキノ:はい。

ーーもしかして、ルキノさんのおっぱいに関するコンプレックスって、実はそこまでものすごく根深くはないんじゃないのかな?って感じがしたんですよ。

いやもちろん、結構悩んできたとは思うんですけどーー胸が小さいというのは、ある種悩みの枝葉の部分っていうか。もっと何か、容姿に関するコンプレックスの根っこになる深い部分があるような気がしたんですよね。大きな悩みの根っこがあって、そこにおっぱいのコンプレックスがくっついてる感じで。最後に出てきた「自己肯定感の低さ」とか、その辺りがキーになる気がするんですけど。

ルキノ:ーーー!!!

ーー胸が小さくても、元々気にしない人もいるじゃないですか。そこの違いに何かヒントがありそうな気がするんです。同じ「胸が小さい」でも、それを気にする人と、気にしない人がいるということ

ちなみにルキノさんが、「自分の容姿」のことを意識するようになったのって、いつ頃なんですか?

インタビュアーまゆこの鋭い突っ込みにより、話はさらにディープな方向に…!!

③に続く!→

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→私が貧乳コンプレックスから解放されるまで。(1)〜荒療治編〜

インタビュアー/Mayuko Abe
文/ルキノ・Mayuko Abe

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