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地方の暮らしと政治を考えよう

地方選挙は、自分の知っている人が立候補したりすることもあるほど、最も身近な政治と関わる機会です。でも、なぜか地域やそこに暮らす自分を変える機会だとは感じていなくて、なんとなく他人事にしてしまいがち。そんな地方と政治を自分事にすべく、NO YOUTH NO JAPANのシリーズイベント「ジブンゴト会議」を開催しました。

地方の暮らしと政治を考えよう

【スライド】地方の暮らしと政治を考えよう〜ジブンゴト会議〜 (1)

自分の出身地や、縁がある地方をもっとよくしたいけど、どうすればいいか分からない。私ひとりにできることなんてあるのか…?

そんなとき、地域をよくする方法の1つに「地方選挙」があります。

どうやったら、政治を通じて地方をよりよい場所にできるのか。
その第一歩を、地方選挙に取り組むNO YOUTH NO JAPAN(以下NYNJ)と一緒に学ぼうと、イベントを企画しました。

イベント概要
「地方の暮らしと政治を考えよう~ジブンゴト会議」
2021年2月13日(土)20:00~21:30 
Zoomにて開催

プログラム
・概要、グラウンドルールの共有、アイスブレイク
・教えて!地方暮らしのあれこれ~地方移住したNO YOUTH NO JAPANメンバーから聞く、地方の暮らしと政治のいま~
・教えて!地方選挙のあれこれ~NO YOUTH NO JAPANの地方選挙についての取り組み~
・グループワーク
・クロージング


「自分事」のモデルを紹介

【スライド】地方の暮らしと政治を考えよう〜ジブンゴト会議〜

イベントの前半のパートは、NYNJのメンバーが地方政治や地方選挙に対する取り組みについて実体験をシェア。東京の大学に進学した後に地方移住をした新荘直明さんと、NYNJの地方選挙プロジェクトであるVOTE FOR MY TOWNのひとつでもあるVOTE FOR SANDAのリーダー・米田由実さんにお話を聞きました。

新荘さんが住むのは、岡山県西粟倉村(にしあわくらそん)という人口1400人ほどの村です。移住を決めた理由や、地方に住んで見つけた魅力や課題、地方行政について教えてもらいました。なかでも印象的だったのは、西粟倉村の村議会議員当選者の最小得票数がたった73票だったというエピソード。地方選挙における一票の重みを感じました。
 米田さんが話してくれたのは、昨年10月に行われた兵庫県三田市の市議会議員選挙に向けて実施した、VOTE FOR SANDAプロジェクトについて。三田市生まれ・三田市育ち・三田市在住の米田さん。三田市議会選の立候補者37名に「10~20代の若者に伝えたいイチオシ政策」を聞いてまとめたり、不在者投票の方法などをInstagramに投稿したりと、イチから分かる発信が目標でした。 米田さんの呼びかけがきっかけとなり、初めて選挙に投票しに行った方もいたそう。

このパートでは、参加者のみなさんの事前のアンケートで私たちが想像した以上に地方選挙について関心のある方が多くいたことを受けて、地方選挙への取り組みや地方行政への関わり方などを詳しく紹介しました。2人が自分事として地域で取り組む姿を通じて、地方の暮らしと政治の距離がぐっと縮まりました。

地域の未来に関わる自分を想像してみる

【スライド】地方の暮らしと政治を考えよう〜ジブンゴト会議〜 (2)

後半は、いよいよ40分のグループワークです。
まずは(1)わたしのまちをもっとよくするには?というテーマで、自分のまちが「もっとこうなるといいな」という未来像を3つ以上みんなで書きだし。そのあと(2)わたしのまちの地方政治というテーマに移り、(1)で考えた未来像の中から1つ選んで、関連する自分のまちの取り組みと、自分ができそうな関わり方を調べてみました。参加者のみなさんの間で、意見や感想を必ず伝え合って、対話が生まれるような場づくりをしました。
 
グループワークでゆかりのあるまちについて調べるなかで、あるグループでは移住者向けの補助金制度があることや、市長選の際に地元の大学で講演がされていたことなどが分かりました。地域の政策が検索でヒットせず、課題解決の方法が見つからず悩んでいた方もいましたが、他の参加者の方の話を聞いて『ぜひ地元に持ち帰ってみたい』と感想をくださいました。また、地域によって多様な取り組みがあると分かったことは、参加者の方にとっても、私たちにとっても大きな発見でした。

意外と自分にできることは多い

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学びの多かった今回のイベントですが、嬉しかったのは地方のイメージが少し変わる場にできたということです。
「田舎・コミュニティが狭い」「高齢者が多い」。イベントの最初に地方のイメージについて参加者の方に聞いたなかには、マイナスなイメージも見受けらました。ところが、最後にイベントの感想を聞いたアンケートでは、「意外と地方もやれることが多い」「まずは自分から変化する」などのポジティブな感想が目立ちました。
 また、「自分のゆかりのある地域の行政の取り組みなど、調べてみたら初めて見るものも多く、これからは積極的に考えていきたい」という感想もいただきました。知ることは難しいことじゃないけど、無意識に生活していたら見落としていることはたくさんあります。そんな知るためのヒントを見つけていただけたのかな、と感じます。

このイベントを通じて、自分の出身地やゆかりのあるまちの選挙や行政はどんな活動をしているのか、市民にもできることがあるのではないか、と感じてもらえるきっかけになっていたら嬉しいです。
地方への思いを人と話すことで、新しいアイデアや思いが生まれました。この思いを大切に、「まずは自分が出来ることをやっていこう」という気持ちになってもらいたいです。

(文=田中万智・黒住奈生)

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