青い看板が目印。疲れたこころにそっと寄り添う福しんのチャーハンの思い出。 #ごちプリ
クタクタになった帰り道、
何度も食べた福しんチャーハンは疲れたこころにそっと寄り添うおいしさだった。
↑公式サイトから引用
「手もみラーメン 福しん」をご存知だろうか?西武線沿線にお住いの方は、きっと一度は見かけたことがある、青い看板の中華料理チェーン店である。
チェーン店なんだけど、行き慣れたお店以外で食べるといつもの味とちょっと違う気がする、不思議なお店だ。
わたしがよく通った福しんは大泉学園駅の近くにある店舗。元気であたたかいおばさま店員さんと、いつ行っても落ち着いた気持ちにでご飯が食べられる雰囲気がとても素敵なお店。
当時、お芝居の稽古などで夜遅くの帰宅になることが多くて、やっているお店といったら居酒屋さんか牛丼チェーンかくらい。定食屋さんとかごはん屋さんはだいたい閉まっているし、あとはコンビニで何か買って帰るとかで、選択肢は少なかった。
クタクタになって駅に着き、明日までの睡眠時間以外何にも考えられない頭でふと、思い浮かぶ。
あ、福しんで食べて帰ろ。
遅くまでやってる青い看板が目印の福しんのドアをくぐる。
お気に入りのメニューはチャーハンセット。
焼き豚チャーハンに餃子一皿と、おともラーメンがついてくる満腹メニューだ。
↑公式サイトから引用
チャーハンは家では作れないお店のパラパラのチャーハン。それでいて特別な調味料や具材があるわけじゃなくて、たぶん今これを読んでいる人に『チャーハンの味を思い浮かべてください』と言ったら、ほぼみんなが思い浮かべる味通りの定番のおいしさです。
でも、なぜか福しんで食べるとホッとするんだよなぁ…。
おともラーメンは、ほかのメニューにセットでつけられるラーメンで、麺にもやしだけというシンプルなラーメンながら、手もみラーメン(普通のメニューのラーメン)とはスープの味も変えてあって、主菜の邪魔をしないようしてあるニクいやつ。
わたしがチャーハンセット、うちの奥様が手もみラーメンを頼んで、チャーハンと餃子をシェアして食べるのが定番だった。懐かしい。
そう、定番って偉大だ。
ほんとうに疲れ果ててクタクタになったときは、すごく美味しいものや感動するような味では満足できないときがある。
人は疲れると習慣に頼る習性があるらしいから、福しんみたいに、定番の味やいつも通りのおいしさを長年続けてくれていることで、いったい何人の人が救われただろう。
1,000円札一枚で楽しめるミシュランなんて騒がれるラーメン業界だけど、星とは関係ない、こういう地域の人の生活を胃袋から支えているお店にも、大切にすべきことや学ぶことがあるのかもしれない。(なんて)
引っ越してから近所に福しんがなくなり、住まいが駅近になったから家で食べることが多くなり、こういうおいしさに出会うことも少なくなった。 寂しいかぎりである。
また食べたいな、あの福しんのチャーハン。
待てうかつに近づくなエッセイにされるぞ あ、ああ……あー!ありがとうございます!!