「誰にも言ったことないんやけど」

小学生の時

阪本君が 好きやった

誰にも言ったことないんやけど


休み時間

阪本君が女の子とふざけ合ってるのを

自分の席に座ったまま見てた

うらやましく思って

ある日

掃除道具入れに閉じ込めた

阪本君にめっちゃおこられた

ごめんなさい


ある日 ある子に

「阪本君が 一番嫌いな子知ってるで」

って言われた

「あ行で 始まる子や」

私の事やんか


数日後 学芸会本番直前

舞台のそで

つめつめの蛇行した列

じっと みんな しゃがんでいた

阪本君が側におって

どきどして たてぶえ握りしめてた


「僕の一番 嫌いな子教えてやろか

 おまえや

 つばかけるからや」


阪本君が大嫌いになった


でも三か月も経てば

また

阪本君が好きやった

誰にも言ったことないんやけど

ごめんなさい。詩に夢も憧れもありません。できる事をしよう。書き出すしかない。書き出す努力してる。結構苦しい。でも、一生書き出す覚悟はできた。最期までお付き合いいただけますか?