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「誰かにとって傘になる創造」しぐれうい『勝手に生きましょ』への解釈

 お世話になっております。かまたけと申します。私のnoteでは主にホロライブに関する楽曲・MVへの個人的な解釈や感想を中心に投稿しています。今回の解釈投稿はホロライブの…ではなく!イラストレーターのしぐれうい先生が歌いました『勝手に生きましょ』になります。しぐれうい先生と言えばイラストレーターとしての活動はもちろん、配信者としても、そして最近では音楽活動にも力を入れていますね。そんな中で先日発売されましたしぐれうい 2ndアルバムCD「fiction」が発売されました。豪華作曲陣と共に完成した今回のアルバムですが、非常にカラフルなバリエーションで楽曲が展開されているという印象を持ちました。その中でも個人的に愛してやまない楽曲が『勝手に生きましょ』になります。その理由や楽曲の解釈を本投稿ではお楽しみください。

『勝手に生きましょ』について

2人のしぐれうい

 この楽曲は2024年8月30日にMVも公開されている楽曲になります。そこで多くの方が注目していたことが「イラストレーターのしぐれういとVTuberのしぐれうい」が描き分けれらていたということです。当然この描き分けは意図的なもので、ご本人もインタビューでは次のように語っていました。「このアルバムは、イラストレーターのしぐれういを描いた曲とVtuberのしぐれういを描く曲に分かれていまして、それが交互に繰り出される構成になっています。」。こちらのインタビュー、非常に読みごたえがありますし、「fiction」の楽曲をさらに楽しむことにも繋がるので、ぜひご覧ください!(リンク張っておきます。)それでは解釈に移ります。

Vocal:しぐれうい
Words & Music & Arrange:いよわ 様
Vocal direction:保坂拓也(More Than Words)様
Recording Engineer:丸岡詩織 様
Mixing Engineer:藤巻兄将 (Studio MSR) 様
Movie:いよわ 様

【オリジナル楽曲】勝手に生きましょ/ しぐれうい【いよわ】


雨が降ったって

好きなものを愛していたい

0:54秒 【オリジナル楽曲】勝手に生きましょ/ しぐれうい【いよわ】

そばに水たまりがあって
飛び越える時 道を見失わぬように
季節 衣替えがあって
見違える時 その好きを愛せますように

 さっそく私が好きな歌詞が登場しました。「季節 衣替えがあって 見違える時 その好きを愛せますように」。衣替えの季節で新しい服に袖を通す。袖を通す服は誰にどう言われようとも自分にとってお気に入りの服なんだと思います。そしてそんな服を着たときに「誰かに変だと思われたらどうしよう」と思ったりせず、「自分が気に入ってるからいいじゃん」でその好きを愛せたらというメッセージがあるのではないかと思いました。

 今回の『勝手に生きましょ』は「誰かの目線や意見を気にせず、自分の好きなものを愛して勝手に生きていきたい」という解釈が私の中では大きいです。これからもそうしたメッセージが続くのかなと思います。最高です。

1:03秒 【オリジナル楽曲】勝手に生きましょ/ しぐれうい【いよわ】

笑い 歌う 幸せの欠片
その輪郭を集めた

 自分の好きなものを愛して生きていきたい。そのために自分が幸せだと思う欠片を集めて形にする。こんな感じのニュアンスがあるのかなと思いました。それこそ他人からの誹謗中傷や自分にとって嫌だなと感じることをうっかり拾ってしまうのではなく、自分が集めたいもの=好きなものだけを拾っていく。勝手に生きていくってことかなと。

1:12秒 【オリジナル楽曲】勝手に生きましょ/ しぐれうい【いよわ】

夢の水面飛び越えて
額の外で踊って
さざめく愛で忙しくなった机を揺らした

 「夢の水面飛び越えて 額の外で踊って」はMVを見るとうい先生、とても楽しそうな表情をしていますね!そんな気分がつい高揚してしまった感じがこの歌詞から読み取れます。そして「さざめく愛で忙しくなった机を揺らした」と続きます。さざめくが「にぎやかに声を立てて騒ぐ」といった意味があるようで、とにかく好きなものに囲まれて嬉しそうなうい先生の様子が浮かびます。そんな好きなものを愛せる気持ちがイラストのアイデアを生むのかもしれません。

 アイデアがたくさんで「あれも描きたい、これも描きたい!」とさざめく愛で机を揺らしてしまう・散らかしてしまう。そんな創作を楽しむうい先生を感じることができます。曲を聴いている私たちもつい楽しくなってしまいます。

1:28秒 【オリジナル楽曲】勝手に生きましょ/ しぐれうい【いよわ】

雨が降ったって(口笛吹いて)
勝手に生きましょ(雲が切れたら)
博物館へ(手作りのチケットで)
肩の荷を置いて

 「雨が降ったって(口笛吹いて)勝手に生きましょ(雲が切れたら)」。ここの雨ってもちろん天候のことも指していると思うんですけど、それだけじゃないのかなって。例えば自分にとって何か悲しいことがあった時、心の中って少なくとも晴れ模様ではないですよね。なので、雨は天候以外にも心が傷ついてしまっている状態を表しているのだと思いました。そんな時があっても、その気持ちを無視して「勝手に生きましょ」というメッセージを感じました。

「博物館へ(手作りのチケットで)肩の荷を置いて」は傷ついてしまった心を無視して「博物館にでも行ってやりましょ」という解釈がまずできるのかなと思いました。でも、ただの博物館ではなくて(手作りのチケットで)と書かれているので、自分の好きなものが集められている場所へってことだと思いました。

その好きで、誰かに寄り添って

1:36秒 【オリジナル楽曲】勝手に生きましょ/ しぐれうい【いよわ】

空に七色が架かって
仰ぎ見る時 笑顔を作れますように
並んだイーゼル 指切りを交わして
散りばめる光
この先を照らせますように

 2番からVTuberとしてのしぐれういが登場します。「空に七色が架かって 仰ぎ見る時 笑顔を作れますように」は心の余裕の話かなと思いました。(少し安直ですが…笑)自分事として考えればそうですが、自分の創作によって「誰かが」虹を見たときに笑顔を作れますようにとも取れるのかなと。

 並んだイーゼルに対して指切りを交わす。そして散りばめる光に対して「この先を照らせますように」と願いを込めています。ここはイーゼルに対しての指切りはイラストを見るファンに向けての指切り=約束なのかなと。何を約束したかは「私の創作でみんなの先を照らすからね!」という内容なのかなと。ファンの生きていく道を自分の創作で照らしていく。その指切りを交わしたという解釈をしました。うい先生にとって自分の創作物は光なのかなと。それを散りばめる=ファンに届けるということだと思いました。

 この辺りはぜひ創作をやっている人たちに聴いてみたい!私の解釈では少し解像度が低いと思うので…笑。

2:04秒 【オリジナル楽曲】勝手に生きましょ/ しぐれうい【いよわ】

視界 眩むほどの輝きが
満ちていくの 遠いどこか

 ここは先ほどの解釈の通りかなと。眩い自分の創作でイラストを見るファンの道を照らしていく。ただきっとうい先生も「自分の創作物は光だ!」とは思っていないのかなと。というよりも「誰かにとっての光になりますように。」という願いを込めているというニュアンスですね。余談ですが、今度うい先生の個展に行くので楽しみです(笑)。

2:13秒 【オリジナル楽曲】勝手に生きましょ/ しぐれうい【いよわ】

創りだす愛のカーテン
春の風が揺らして
繋げる合図 重ねるデータ
すべて背負った姿

 ここの解釈は正直難しいです。私的にはですけど、VTuberとしてのしぐれういが出来上がるまでを歌詞で表現しているのではないかと思います。着替えをする時ってカーテンで全身を覆いますよね。試着室とか。うい先生をカーテンで覆い、「いよいよVTuberになるよ」という合図をする。出来上がった姿がうい先生のすべてを背負った姿となります。すべてを背負ったは「等身大の」という意味なのかなと思いました。イラストレーターであり、配信者でありと色んなことに手を伸ばしているうい先生ですが、その全てを担えるのがVTuberのしぐれういだと考えました。

2:26秒 【オリジナル楽曲】勝手に生きましょ/ しぐれうい【いよわ】

隣に行って(じきに追いついて)
ひと息つきましょ(目を合わせたら)
無駄話して(また歩き出すまで)
ほころぶ顔を描いて

 ここの歌詞優しいですよね。小見出しにも書きました「その好きで、誰かに寄り添って」は特にこの辺りから来ています。1番は純粋に自分の好きなことを集めて楽しむうい先生が思い浮かびますが、2番は集めた好きで誰かに寄り添っていると感じられる歌詞が多いと感じました。

 「ひと息つく」や「無駄話をして」は普段の配信を指しているのだと思いました。VTuberが好きな人だと感じることが多いと思いますが、彼女らの配信って自分たちにとって「日常の一部」になっていませんか?それも仕事が終わったひと息つけるような娯楽の時間に溶け込んでいる。そこを歌詞で表しているのかなと思いました。

 そして「ほころぶ顔を描いて」とありますが、これはファンを笑顔にすることを表現しているのだと思いました。笑顔にすることを「描く」という行為に置き換えているのかなと。あくまで個人の解釈なので分かりませんが(笑)。

照らすことができたなら

2:56秒 【オリジナル楽曲】勝手に生きましょ/ しぐれうい【いよわ】

花が落ちる手のひら
今を残す そこから
目をふさぐ気がかりの影が
気付かぬうちに晴らせたなら
そんな日々を彩れたなら
あたたかな色になれたなら

 目をふさぐ影を気づかぬうちに晴らすことができたなら。この歌詞もうい先生の作品で誰かの気持ちを晴らすことができたならという意味が込められているのだと思いました。そして晴らせた先で「そんな日々を彩る・誰かにとってのあたたかな色になる」。そんな願いを作品に込めているのかなと思いました。

3:13秒 【オリジナル楽曲】勝手に生きましょ/ しぐれうい【いよわ】

今もぬくもりの中
まどろみの中
今もぬくもりの中
まどろみの中

 ここは次の歌詞や映像に繋げるためのものかなと思いました。次の歌詞が晴れやかな分、ここは少しぼんやりした表現を使っていると思いました。

3:13秒 【オリジナル楽曲】勝手に生きましょ/ しぐれうい【いよわ】

かがみあわせで一回転
白紙でさえ彩って
さざめく愛で忙しくなったステージを揺らした

 かがみ合わせは「似た者同士」という意味があるようで。それは恐らくイラストレーターしぐれういとVTuberしぐれういのことを指していると思います。そして今回は「さざめく愛で忙しくなったステージを揺らした」とあります。1番では机でしたが、今回はステージと表現していました。難しいですが、今後開催されるSHIGURE UI 5th Anniversary Live “masterpiece”を意識した歌詞だと思いました。ライブではステージに立つので純粋に受け取ればそうなります。

 別の捉え方をするとステージは「日常・仕事場」とも言えるのかなと思いました。ステージに立つということは「気合を入れること」で仕事をする環境とも言えます。なので、ステージは仕事場=机とも言えると思いました。

3:30秒 【オリジナル楽曲】勝手に生きましょ/ しぐれうい【いよわ】

誰かにとって(私にとって)
傘になる創造(ときに離れて)
遠くなったって(嘘のない言葉と)
そこにある両手

 私が1番好きな歌詞が来ました。「誰かにとって(私にとって)傘になる創造(ときに離れて)」。誰かにとっての傘となる創造。この言い回しがうい先生らしさを残しつつ、優しい歌詞で私は好きです。日常生活の中で落ち込むことありますよね。心の中で雨が降ってしまうような瞬間。そんな時、「自分の創造(作品)が誰かにとっての傘になれば良いな。」という意味でこの歌詞が書かれているのではないかと思いました。そして(私にとって)とも書かれているので自分の気持ちも晴らせるような作品を手掛ける。ここではそんなメッセージを感じました。

3:47秒 【オリジナル楽曲】勝手に生きましょ/ しぐれうい【いよわ】

夢の水面飛び越えて
現実も飛び越えて
日向に咲いた
連なる絵画 私を照らした

 ここの解釈も難しいんですけど、「夢の水面飛び越えて 現実も飛び越えて」は純粋に受け取ると「自分の作品で気持ちが晴れ渡り、夢も現実も飛び越えてしまうほど今を楽しんでいる」という解釈ができます。別の解釈でいくと夢はバーチャル空間、現実はリアル世界のことを指していて、その垣根を超えていくとも受け取れるのかなと思いました。

 そして「日向に咲いた 連なる絵画 私を照らした」と続きます。連なる絵画はこれまでうい先生が手掛けてきた作品のことで、その作品が先生自身を照らすという構図だと思いました。まさに誰かにとっての傘となる創造ですね!

3:51秒 【オリジナル楽曲】勝手に生きましょ/ しぐれうい【いよわ】

雨が降ったって(口笛吹いて)
勝手に生きましょ(雲が切れたら)
博物館へ(手作りのチケットで)
肩の荷を置いて

 そして最後は改めて繰り返しになります。『勝手に生きましょ』に込められた1番のメッセージ。心に雨が降ってしまうような状況でも「勝手に生きてやろう」という気持ち。実際そう上手くはいかないから、雨が降るようなら私(うい先生)の作品が傘になるから、楽しく生きようよ。そんな暖かいメッセージが感じられます。周りの目を気にしすぎないで、気楽に生きたっていい。そんな気持ちを感じられたなら、皆さんの気持ちも明るくなるのではないでしょうか。

おわりに

しぐれういが歌うからこそ光る楽曲

0:15秒 【オリジナル楽曲】勝手に生きましょ/ しぐれうい【いよわ】

 『勝手に生きましょ』への解釈、いかがでしたでしょうか。本当に個人的な意見なのですが、うい先生の楽曲は『ロリ神レクイエム』や『うい麦畑でつかまえて』といったポップな楽曲よりもしっとり誰かに寄り添う感じの曲の方が私は好きでした。もちろん双方に魅力があるからこそ、数字が伸びています。

 歌詞のことを振り返ると「やっぱりこの楽曲はしぐれういにしか歌えないな」と思いました。イラストレーターとVTuber。どちらの活動にも真摯に向き合ってるからこそ光る歌詞と楽曲がある。「誰かにとって(私にとって)傘になる創造」という歌詞や1番と2番でそれぞれの視点から書かれた歌詞、そしてMV。しぐれういならではの要素があって最高でした。なによりいよわさんが手掛けたMVとうい先生の優しい歌声がマッチしている!!

 これからもしぐれういの楽曲をもっともっと聴きたくなるような、そんな楽曲でした。最後になりましたが、ここまでお付き合いいただいた読者の皆さま、ありがとうございました。それではまた次回!!






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