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シリアスさをしなやかに描く 「パラサイト 半地下の家族」
「パラサイト 半地下の家族」を観てきた。扱われているテーマの重さに関わらず、「いい映画をみたなあ」という満足した気持ちになれた。
貧しい家族が、お金持ちのお家にうまいこと入り込み、文字通り「寄生」するというお話だ。そこには犯罪めいた要素も入ってくる。ただ、寄生する方にはそうしきゃいけない事情がある。だから簡単に良し悪しでジャッジできない。そこがこの映画のいいところだ。
寄生家族の行うあらゆることがギリギリなので、「やめときゃいいのに」って何度も思う。だがそれはユーモアたっぷりに描かれていて、自分はしっかり笑っちゃっていた。
彼らの綱渡りにはハラハラさせられるが、それを観る人たちは心のどこかでスカッとしているんじゃないだろうか。「自分なら絶対やらないよね でも100%やりたくないとも言い切れない」ということを代わりに彼らがやってくれている気がする。
笑いと言えば、お金持ちの人たちもただの人間として描かれていたところも良かった。変態的でしょうもない言動があったりね。
お金持ちならではの態度に見ていてムカついたりするんだけど、よく考えれば彼らが悪いわけではない。ただそういう人たちなのだ。そっちの立ち位置にいたら、自分だってそうするかもしれない。
あと重要なポイントは、暴力的なシーンがあるところ。あのようなのがなくても映画は成り立ったのかも知れないけど、やはり必要だったんじゃないかなと思う。作品全体に満ちている怒りを、象徴するシーンとして。
イラストは、寄生家族の住む「半地下」の家のおトイレで、ほかの家のwi-fiネットワークを捕まえるシーンだ。このように貧しさを象徴しているシーンは結構あるけれども、笑ってもいいような軽さがあって好きだ。
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