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巨大コンブで満点の天体観測をした話

ノビ夫は超現実主義者っぽい見た目だ。
それは一体どんな見た目なのですか?と思われるかもしれないが、もし一目ご覧いただいたら「あぁ」と納得してもらえると思う。
なんというか、ビジュアル面からもうムダがないのだ。ちなみにノビ妻は余白が多い(優しい言い方)。

ノビ夫のムダのなさは内側からにじみ出て来ているのかもしれない。
そう思う程、色んなことが効率的である。

物事への、男性的な視点と女性的な視点の違いをテーマにした本を読んだことがある。
(便宜上ここでは男性脳・女性脳と呼ばせてもらいます)
例えば、男性脳は物事を直線的に捉えていて、結論に直結する話を好む。一方、女性脳は物事を広角で捉えていて、それを交えて話す。
男性脳は女性脳が捉えている物事はスルーしていることが多く、それ故にお互いの主張がわからないというようなことが書かれていた。
これを読んだ時に笑ってしまったのは、ノビ夫が男性脳代表のようにそのままだったからである。
余計だと判断した情報は瞬時にシャットアウトし、結果にコミットする近道を模索するのを好む。
某ライ◯ップさんの最初のイケてない時のミュージックが流れることはほぼなく、大体あふれる笑顔の方のミュージックで占められた生活だと言えるだろう。

そんなノビ夫が「広い野原に寝転んで星空を見られたら素敵じゃない?」と言い出した。
当時はこれまた付き合いたてで、内面的なムダのなさはまだそこまで知らなかった私は、何も考えることなく「いいね!」と言った。
こうして星を見にいくこととなったのだが、コミットノビ夫が普通の天体観測を提案してくるわけがなかったのだ。

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星をみる日当日、私のマンションに届いた大きな荷物。宛名を確認するとノビ夫宛て。
「きたきた!」と嬉しそうに開封するのを見ていると、深緑色の巨大コンブのような謎のものがあらわれた。
“なんだなんだ”と思っていると、浮き輪に空気を入れる時に使う空気入れのようなものを取り出している。
ノビ夫の周りだけ海水浴ムードがただよっているが、冬である。
「それはなに?」ついに質問してしまった私にノビ夫が返した答え

「エアーベッドだよ」

単語が脳内で意味を結ぶのにしばらく時間を要した。どうもこの巨大コンブに寝転がって天体観測するつもりらしい。想像するとシュールすぎて笑ってしまうが、ノビ夫は真剣である。
車の後部座席にコンブを積みこみ、出発。
目的地である山の開けた場所に到着したのは、23時くらいだったと思う。
私がライトで照らしながらノビ夫がしゅこしゅこ空気入れをする。
これまた大変シュールな状況を経て、コンブが抹茶蒸しパンのようにふくらみ、準備完了。

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ふかふか蒸しパンの上に寝転んでライトを消した瞬間、広がったのは視界いっぱい、ふんだんに散りばめられた星たちだった。
冷えるといけないからと言ってノビ夫が羽毛ぶとんを掛けてくれたお陰で、寒いのは顔だけだった。
本当なら痛いくらい低い気温。
それだけ空気は澄み切っていて、この日は雲が全くなかった。

本当に感動した時、人の語彙力は著しく低下すると思う。この時、私は星の綺麗さに感動しすぎて「綺麗」としか言えなかった。
目が慣れて更に星がよく見えるようになった頃、流れ星が流れた。それを見つけて二人でテンションをあげていると、

一つ。
また一つ。

次々と星が流れていく。
私たちが選んだこの日は、流星群が接近する日だったのだ。
満天の星空の下、好きな人と二人きり。
それだけでも最強のシチュエーションなのに、そこに流星群まで加わった。
しかも防寒対策完璧。
こんなにぜいたくな天体観測を、私は知らない。
ノビ夫のムダのなさが作り上げてくれた素敵な時間。
超理想的なものを作り上げられる人は、超現実的な人なのかもしれない。
この時もらった一言もそれを裏付けているけど、
その言葉がどういうものだったかは、私だけの秘密。

お読みいただきありがとうございました!
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