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四辻御堂物語~水龍の巫女と妖狐の罠~(再会⑦)(無料試読あり)

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以下本文


 ここはどこだろう。真っ暗な中にポツリと浮かぶ私。振り返ったり、上を見たり、遠くを見ようとしてみたりと色々試してみたが、何も見えない。自分の体だけがぽぅっと光っている。
 歩こうにも足が動かない。私は段々と焦りが募ってきていた。このまま、自分が消えてしまうんじゃないかと思い始めていたからだ。
 そうか、これは夢だ。夢ならば、醒めるはず。私は動く手で頬を叩いたりつねってみたり、手で顔を覆って頭の中で起きろ起きろと念じてみたりとしてみた。手をどかしても、そこは暗闇のままだ。
 焦りは恐怖に変わっていった。もしこれが夢じゃないなら? 寝ている間に狐族がやって来て、捕まってしまっていたとしたら。何かに閉じ込められているとしたら。

「狐族じゃないよ」

 突然声がした。同時に、目の前で光の粒がたくさん現れて、段々と人の形になっていく。全ての光の粒がその場に集まった時、それは私の姿になっていた。もう1人の私がふふっと笑う。

「やっと見てくれた。ずっと無視するんだもん。もうちょっとで消えちゃうところだった」

 私はまだ声が出せずにいる。頭では声を出しているのに、私の喉はパクパクと動く口から音を出してはくれなかった。

「あ、まだ完璧にはこっちに来れてないから、まだ喋れないと思う。クロ君の時もユリノ様の時も、アオバミが力を貸してくれてたけど、今アナタは自分の力でここまで来てるからね。大丈夫、ワタシはアナタだから、頭の中で話してくれればわかるよ」

 言われた通りにしてみる。

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