*小説 猫のような君は【前】
世の中には目に見えないものを言語化することを得意とするタイプがいる。
アーティスト気質の人は分かるかもしれない。
言葉にできない代わりに、文字や歌、絵画にしたり、あるいは芸術の域を超えて武道で自己表現するようなイメージだ。
歴史に名を残す芸術家の作品にはそれを納得させるものがある。
まさに言葉で言い表せられないものを感じるのだ。
朝から何故このようなことを考えているのか。
目の前で寝ている彼女がまさにそのタイプだからだ。
彼女はさっきのタイプでいうと文字タイプだろう。