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視点のブレと判断されるパターン

人称の記事でも軽く触れましたが、改めて自由話法(心の声)ではなく視点のブレと判断されるパターンは何か?」という点を整理したいと思います。視点のブレと判断されたら読者は萎えてしまい、作品への没入を断ち切ります。ですから非常に重要な問題です。

まず前提として、逆に読者を夢中にしてしまえばもう勝ちで、視点がどうなろうとOKです。夢中なら萎えないという、シンプルな話です。これは重要なことなので忘れないでください。読者を楽しませることを忘れると、セオリーや文章の美しさに囚われてしまいます。

また一方で、文法的にも明確です。日本語の自由話法は文法的には自由直接話法のことなので、「」のような引用符でくくって成り立つなら自由話法です。成り立たないなら視点のブレです。

しかしです、すべての文章で読者を夢中にさせるなんて無理です。また、読みづらい自由話法だってあります。そのため、良し悪しの明確な境界はなく、多くがグレーゾーンです。

とはいえ、グレーゾーンの中にも限りなくNGに近いパターンはあります。それはNGパターンというより、ハイリスクパターンと言ったほうがいいでしょう。「ねじ伏せる筆力か適切な意図があれば問題ないが、なんとなくやると失敗する可能性が極めて高い」というパターンです。そういった「視点のブレ」と判断されやすいハイリスクパターンを知っておけば無駄なリスクを負わなくて済みますし、以下に列挙してみます。

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