無職がラーメン屋に通う理由

26歳無職である。

金がない。しかし、ラーメン屋にはそれなりの頻度で通っている。

とはいえ、毎回食い逃げをしているわけではない。しっかりと日本円で支払いを行なっている。

では何故そこまでして通うのか。今回はその理由を解説しようと思う。

もし重大な犯罪が発生した場合、警察は聞き込みを行う。

その際、もし自分が容疑者として疑われた場合、私の周辺の人物へ聞き込みが行われるだろう。

その場合、私の周辺の人物は私のことをどう答えるだろうか。

設定としては、「私に似た人物が現場の近くで目撃された」レベルの情報から聞き込みが行われたと仮定しよう。そのため、友人や親族はまだ特定できていないとしよう。

まず聞き込みが行われるのは、近所の居酒屋やキャバクラなどの酒場ではないだろうか。

もし私が容疑者が酔っていれば、プライベートな話を友人や店員としているところを聞かれているかもしれない。

しかし私は無職で金がないため、そういった店には近づかない。安酒を宅飲みする派だ。
そのため、無駄足で終わるだろう。

しかし、無職でも寄り付きそうな場所に絞られると、情報が出てきてしまう。私は世にも珍しい、アクティブ型の無職なのだ。

聞き込まれたらまずいのは、まずは近所のKALDIだ。

https://note.com/noumisonaiyo/n/n8b2d222641ce

この記事にも書いたが、ほぼ毎日KALDIに通っている。むしろ、KALDIのコーヒー試飲コーナーに通っている。

ここで聞き込まれると

「はい、この男はよく見ます。日によっては2、3回試飲してすぐ退店します。基本的に何も買いません。」

くらいは証言されるだろう。

刑事は「金銭目的の犯罪だな」と一発で勘づくのではないか。

また、刑事はついでに近所のコンビニでも聞き込むかもしれない。

その場合、

「この男は見ますが、話したことはありませんね。毎回セルフレジを使うので.…。いや、割引の商品を買う時だけは有人レジに来ますね。割引の商品はセルフレジでは対応できないので。」

と言われるだろう。

刑事は「やはり金銭目的の犯罪だな」と確信し、「コミュニケーション能力も低いようだな」

と、新しい気づきを得てしまう。

コミュニケーション能力の有無と犯罪については何の関連性も無いが、マイナスなイメージにはなってしまう。

このままでは私の立場は悪くなる一方である。

このタイミングで刑事が訪問するのは、例のラーメン屋である。

小腹の空いた刑事が、食事がてらに質問すると

「この男はよく見ます。好みの麺の硬さを聞くと、ハッキリと答えてくれます。」

と、大将が答えてくれるはずだ。

体育会系のこのお店は、食券を渡すと、「ラーメンのお好みは？」と聞いてくる。

そのため私ははっきりと「硬め、濃いめ、多めで」と答えている。麺の硬さだけでなく、味の濃さ、スープの脂の量までハッキリと伝えているだ。こうしないと、真顔で聞き返してくる。

これを聞いた刑事は、
「急な質問に快活に答えるなんて、かなり知的だ。コミュニケーション力もある。きっと金がないのではなく、あえて節約しているんだろう。KALDIに通っているのも、きっとコーヒーが好きなだけなんだ。こんな人格者が犯罪を行うはずなんてない。」

と、うまく誤解してくれ、私への疑いは晴れるだろう。

どんな手を使ってでも金を集め、ラーメン屋に通っていることにも気づかずに。