見出し画像

中小企業が顧問税理士を起用する4つのメリット

中小企業の経営者にとって、税務や経理は避けて通れない課題です。しかし、専門的な知識が必要な分野であるため、自社だけで対応するのは難しいのが現状です。そこで、多くの中小企業が顧問税理士に依頼しています。顧問税理士を活用することで、一般的に知られているメリット以外にも、隠れたメリットがあるのをご存知でしょうか?
今回は、設立3周年を迎えた株式会社農情人の経験をもとに、社員一人のマイクロ法人が顧問税理士を活用する4つの隠れたメリットを紹介します。



1. 第三者の目による不正防止

経理の不正を防ぐ

経営者自身による不正は、企業の存続を脅かす大きな問題です。2020年には、ある中小企業の社長が私的流用を目的に会社の金を引き出していたことが明らかになりました。顧問税理士は、経営者の行動もチェックする役割を担います。月次決算の際に、会社のお金の流れを細かく確認することで、経営者の不正を防止することができるのです。
ある建設会社の事例では、社長が会社名義のクレジットカードで高級レストランを利用していたことが問題となりました。顧問税理士が経費内容を確認した際に、この不適切な利用が発覚。社長は、私的利用分を会社に返金することになりました。
特に、私の場合、マイクロ法人のため社員一人であり、自身の判断で不正を働きやすい環境です。顧問税理士は第三者の立場から経理を監査するため、不正を防止する効果があります。顧問税理士は経営者の行動もチェックするため、経営者の不正を防止する役割も果たします。

2. 知らない税制の優遇措置を活用できる

中小企業投資促進税制の活用

例えば、中小企業投資促進税制は、中小企業が設備投資をした場合に税額控除が受けられる制度です。生産性向上に寄与する機械装置等を導入した場合、取得価額の7%を税額控除できます。
しかし、この制度を知らない経営者も少なくありません。顧問税理士は、このような優遇税制を熟知しているため、企業に適用できる制度を提案してくれます。
例えば、300万円のシステムやソフトウェアを導入した際、顧問税理士がこの税制の適用を提案しました。その結果、21万円(投資額の7%)の税額控除を受けられます。
この税制を活用しなかった場合、機械装置の導入コストは5年間で60万円(年間償却額12万円×5年)の経費となります。一方、税制を活用すれば初年度に21万円の税額控除を受けられるため、実質的なコストを大幅に抑えることが可能です。

3. 経理の悩みを相談できる

経理処理の悩みを解決

経理処理には、複雑な仕訳や計算が必要なため、経理担当者が悩むことも少なくありません。特に、中小企業では経理専任の担当者を置けないことも多く、経理処理に不安を抱える経営者は多いのが実情です。
例えば、ある製造業の経営者が、原価計算の方法がわからず、適切な製品価格の設定ができずにいる場合、顧問税理士に相談したところ、原価計算の基本的な考え方や、製品価格設定の方法を教えてもらえます。その結果、経営者は原価管理の重要性を理解し、利益率を改善することができます。

4. 定期的な重要な手続きを忘れない

社会保険料の提出をサポート

どの法人においても、毎年7月に「算定基礎届」という書類を提出する必要があります。これは、従業員の給与水準を社会保険庁に届け出る重要な書類です。この手続きを忘れると、ペナルティが課されるリスクがあります。
顧問税理士は、算定基礎届の提出時期を確認し、提出をサポートしてくれます。ある建設会社の事例では、顧問税理士から算定基礎届の提出時期を知らされ、スムーズに手続きを完了することができました。もし顧問税理士の助言がなければ、提出期限を過ぎていたかもしれません。

賞与の支払いや株主総会もサポート

賞与の支払いや株主総会の開催など、定期的に発生する重要な手続きも、顧問税理士がリマインドしてくれます。これらの手続きを忘れずに行うことで、企業のコンプライアンスを維持できます。
仮に、年末の賞与支払いの手続きを失念した場合、賞与は経費化できず法人ならではの恩恵を受けられなくなります。
しかし、顧問税理士から賞与支払いの時期と必要な手続きを事前に知らされたため、滞りなく賞与を支払うことができます。また、株主総会の開催についても、顧問税理士が適切な時期を提案し、必要な資料の作成をサポートしてくれます。

おわりに

以上のように、中小企業が顧問税理士を活用することには、一般的に知られているメリット以外にも、隠れたメリットがたくさんあります。不正防止、税制優遇の活用、経理の悩み解決、重要な手続きの管理など、顧問税理士は企業の経営を支える重要な存在です。
特に、中小企業投資促進税制のような優遇措置を活用することで、大きな節税効果を得られる可能性があります。株式会社農情人の事例のように、顧問税理士を上手に活用することで、企業の成長につなげることができるでしょう。
顧問税理士は、経営者の強力な味方です。経営者は、顧問税理士とのコミュニケーションを大切にし、信頼関係を築いていくことが重要です。顧問税理士との連携を深めることで、企業の発展を加速させましょう。
今回も最後までお読みいただきありがとうございます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?