「パルスオキシメーターの数値が高ければ本当に問題ない??」
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「パルスオキシメーターの数値が高ければ本当に問題ない??」


本日も臨床BATONにお越しいただきありがとうございます!
5日目を担当します小徹です。
メンバーからは、徹子や小徹っちゃんと呼ばれています!

私は佐賀県の急性期病院で理学療法士として勤務しています!
 職場では脳や呼吸・循環器の患者さまをリハすることが多いため、臨床でよく関わることが多い疾患等についてお話しさせていただこうと思っています!

 今日は、パルスオキシメーターについて考えてみたいと思います。
パルスオキシメーターは、みなさんの施設でも使用される頻度は多いのではないでしょうか?
 私は新人の時に、「息切れ=パルス」といった感じで、とにかく患者さまの人差し指につけては数値を熱心に確認した思い出があります!
 パルスオキシメーターは、経皮的(採血などの侵襲なし)に動脈血にあるヘモグロビンがどの程度酸素と結合しているかを数値化できる機械で、一言でいうと酸素化を計測するものと考えてよいかと思います。

 では、今日はパルスオキシメーターの数値は高ければ問題はないのか?
という点を考えていきたいと思います。


Step①:Spo₂の数値から何が分かるのか?

 Spo₂という言葉ですが、Sは「Saturation=飽和度」、pは「percutaneous=経皮的」、o₂は「酸素」の略であり、経皮的酸素飽和度といいます。
 これと非常に似た言葉でPao₂という言葉があり、Pは「Pressure=圧力」、aは「arterial=動脈の」、o₂は「酸素」の略で動脈血酸素分圧といいます。

 本来、動脈より採血してPao₂の結果から酸素化を見ますが、侵襲があり手間も要するため、経皮的かつ容易に測定できるSpo₂の数値から、Pao₂を予測できるパルスオキシメーターが臨床ではよく使用されています。
 二つの数値の関係性は解離曲線が有名ですが、下図のようにSpo₂からPao₂の予測と、体の中の状態が大まかに把握できます。

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Step②:酸素化を回転ずしで考えてみる!

 実際に呼吸で取り込んだ酸素は、肺胞から動脈血へ取り込まれ、血液中のヘモグロビンと結合した酸素分子が身体の各臓器に行き渡ることで、酸素の提供を行っています。この流れを、イメージしやすいように回転ずしで表現してみたいと思います。

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 レーンの上(血液)では、お皿(ヘモグロビン)が流れています。お皿の上に、お寿司(酸素分子)が乗っていて、これを乗せているのが寿司職人(肺)になります。

 お皿の上にのったお寿司を食べているのが、色んなお客さん(各臓器)です。お客さんのお腹が減らないように、寿司職人は空いているお皿の上にどんどんお寿司を乗せていきます。

 イメージ出来ましたか?
 
 このように需要と供給のバランスが取れている状態を酸素化がよい状態と考えることができると思います。

 ここで注意していただきたいのはSpo₂は、動脈血で見るものなのでレーン全体ではなく、職人(肺)から客(臓器)に流れるまでのレーン(動脈血)における、皿にのっているお寿司の割合(飽和度)をみているということです。
 仮に100皿流れていて、お寿司が乗っているお皿が98個であれば、98%という感じです。

Step③:Spo₂が低下する場合は?

 では、同じように回転ずしでイメージしながらSpo₂が低下するときは、どのようなことが想定されるでしょうか?

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 上図のように、寿司職人(肺)が働けなくなると、お皿(ヘモグロビン)にお寿司(酸素)を乗せる役割を担う人がいなくなります。
こうなると、客(臓器)はお腹が減った状態となります。この時は、職人~客までのレーン(動脈血)では、空皿が目立つようになるため、Spo₂は下がるという結果になります。

Step④:Spo₂が高ければ、問題はない?

 最後にSpo₂がよければ、各臓器への酸素供給に問題はないのか?を考えてみたいと思います。

 まず、下の図を見てください。

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寿司職人は元気にお寿司をお皿の上に乗せています。
そのため、職人~客までのレーン(動脈血)では、空皿がない状態(Spo₂は良好)です。
 しかし、レーンの流れる早さを観察すると、とてもゆっくり流れています。これでは、いくら空皿がない状態でも客のお腹は満たされません。

つまり、心疾患等で循環状態に問題がある患者さまは、Spo₂はよいが、息苦しさを訴える可能性があるということです。

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さらにもう一つのケースも考えてみたいと思います。
寿司職人は元気にお寿司をお皿に乗せています(Spo₂は良好)。
また、先ほどと異なりレーンの流れの早さにも問題はないようです。
ところが、レーンに流れるお皿の数を見てください。

 そう、お皿の数がとても少ないんです。
そのため客のお腹は満たされません。
 つまり、Spo₂が良くても臓器への酸素供給が十分ではないケースが生まれてしまいます。このケースは臨床では、重度の貧血の方が当てはまります。

【まとめ】

 いかがだったでしょうか?
今回はSpo₂について、回転ずしをイメージしてまとめてみました。多少強引な点もありましたが、イメージがつきましたか? 酸素化に関しては、初級編ということで本当にザックリとしたケースを記載しましたが、もっと様々なケースで酸素化が悪くなることが考えられます。取っ掛かりとしてイメージしていただければ幸いと思っています。 
 私個人としては、パルスオキシメーターを否定する気は全くなく、パルスオキシメーターで確認できる数値は臨床的に、とても有意義であることは揺るがないと思います。
 ただ、その結果を鵜呑みしすぎると大切なイベントを見逃してしまう可能性があることを理解していただきたいと思っています。

 次回は、実際にSpo₂が高いときでも具体的にどこを見るべきか、何を注意するべきかについてさらに掘り下げてお話しさせていただこうと考えています!
 きっと臨床で活用できる内容ですので、また次回のブログもお楽しみに!
 
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました! 

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