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神経心理学評価でわかること~認知機能スクリーニング検査は何をする?~


こんにちは。10日目を担当するのは急性期で働く言語聴覚士(ST)yuccoです。STの仕事と育児、脳外臨床研究会での活動に奮闘中です。
脳外臨床メンバーから皆さんのもとに、皆さんから患者さんのもとに熱い想いと質の高いリハビリが届くように、バトンを繋いでいきたいと思います。

脳外臨床研究会の活動の一つ、yuccoがおくる脳外臨床研究会山本秀一朗のセミナー動画(20分)とセミナーレポートをまとめたnoteはこちらからどうぞ💕
新人教育や日々の臨床の悩みのヒントが見つかるかも❣️

また、臨床BATONでのyuccoの記事はこちらからどうぞ↓
#臨床BATONスーパーST


今日は急性期病院での神経心理学検査の最初の認知機能スクリーニング評価についてお伝えしていきたいと思います。

急性期では症状の変化が日々大きく継時的に脳の状態を視覚化し、評価治療するために神経心理検査をすることが多くあります。

《皆さん、患者さんの認知機能スクリーニング検査は何を使っていますか?》

病気になりしんどい時にテストみたいなことされるのって、苦痛ですよね。しんどいから、難しいからやらない。これで良いのでしょうか?

患者さんが退院して誰とも会話しない、社会生活を営まないのであれば必要ないかもしれません。でも社会復帰、家庭復帰を目指して行く時に必要な認知機能つまり高次脳機能を評価治療していくことは不可欠だと考えます。

中には検査をしなくてもわかるセラピストも多くいると思います。でもその担当セラピストにしかわかりません。検査という媒体を使って患者さん本人や医師、看護師、セラピスト間で患者さんの脳の状態を共有し、関わり方や変化を捉えていく1つのツールとして「認知機能スクリーニング評価」は必要だと考えています。そのための検査の選択が必要です。

STはたくさんの神経心理学検査を学ぶのですが、特に種類が多いのが認知機能検査。STの養成校では触診や治療の練習はほとんどないのに、この神経心理学検査のマニュアルを見ながらの検査練習はとてもたくさんあります。

なぜその検査項目を選択したのか明確でないまま一般的に使われているからと使用していませんか?
でも実際、どの検査を使うべきなのか、検査実施後の結果の解釈はどうすればいいのか、何を掘り下げたらいいのかわからないまま、実施していませんか?

検査をする側がなぜする必要があるのか、何を評価しているのかを理解していないと受ける側も検査する側も苦痛でしかありません。

《急性期STが使用している認知機能スクリーニング検査》

まず認知機能とは何か?つまり高次脳機能のことです。
高次脳機能とは色々な情報を受け取り、その情報から今必要な情報を選択・統合し、その結果を過去の経験や知識をもとに判断する必要があります。2つ以上の情報を統合し、知覚、記憶、学習、思考、判断などの認知過程のことを高次脳機能といいます。

脳の部位では脳の大部分を占める連合野が重要となってきます。この全般的な認知機能(高次脳機能)をスクリーニングする検査を選択する必要があります。

つまり、認知機能スクリーニング検査ですることは、脳血管障害によって高次脳機能にどの程度影響が出ているのか、左脳と右脳の働きが病前と比べて左右差が大きくなっていないか、また特にどの認知機能が残存していてどの認知機能に影響が出ているのかをふるいわけすることです。

私は認知機能スクリーニング検査として、下記実施しています。

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