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どうなる?お産

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主題は滋賀県内の産婦人科集約問題についてですが、医療資源の集約化は全国的な流れであり、医師不足は産婦人科だけでなく、どの科でも起こっている問題です。ぜひみなさんのまちの医療を考え…
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#産婦人科問題

過酷な勤務に耐える医師 平然と頼りすぎていた自分に反省ー④

過酷な勤務に耐える医師 平然と頼りすぎていた自分に反省ー④

分娩中止が相次ぐ産婦人科事情について調べていたら、医師の働き方改革における「2024年問題」と深く関わりがあることを知った。医師の働き方改革とはなんだろう。そして、2024年問題が地域医療に及ぼす影響とは?

医師の自己犠牲的な長時間労働により成り立ってきた
現代の医療
2018年3月28日に出された厚生労働省の「医師の働き方改革検討部会」の資料を読んでみた。

「我が国の医療は、医師の自己犠牲的

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決めていたのは、県だった。ー③

決めていたのは、県だった。ー③

医療資源の配分を決めていたのは県。自分の町だけ見ていちゃだめなんだ。
分娩中止を発表した市立長浜病院と長浜市。話を聞くと、両者とも「残念だがどうしようもない」と同じ回答だった。
(前回の記事はこちら↓)

湖北の医療構想をまとめる長浜保健所に行くと、担当者が日本の医療政策のプロセスを丁寧に教えてくれた。
日本の医療政策は中央と地方にまたがって構成されている。診療報酬額の決定、医師資格といった医療専

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市民病院だけど、市にできることは少ない?ー②

市民病院だけど、市にできることは少ない?ー②

まずは、当事者の長浜病院に話を聞いてみよう。滋賀県内の産婦人科で相次ぐ分娩中止に危機感を覚えた私は、県内の産婦人科事情を調べてみることにした。
(↓前回の記事はこちら)

まず、今年1月、分娩中止を発表した市立長浜病院に話を聞くと、担当者は「滋賀医科大からの産婦人科常勤医師4人の派遣がなくなるため」と説明した。今年度、病院では自治医大の1人を加え、5人で約160件の分娩を扱ったが、一旦全員3月末で

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各地で相次ぐ産婦人科の分娩休止    一体何が起きているの? ー①

各地で相次ぐ産婦人科の分娩休止    一体何が起きているの? ー①

1月9日、「分娩受け入れ 4月から休止 市立長浜病院」と小さな記事が朝刊に載った。見出しも小さい、23行の記事に、私(35歳2歳児の母)は戦慄した。
2020年には彦根市立病院と守山市の坂井産婦人科が分娩休止を発表し、その前年には大津市民病院、長浜市の佐藤クリニックも止めていた。県内の産婦人科が次々と分娩中止を発表している。私の町に、一体何が起きているんだろう。
私が「佐藤クリニック」で長男を出産

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