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どうなる?お産

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主題は滋賀県内の産婦人科集約問題についてですが、医療資源の集約化は全国的な流れであり、医師不足は産婦人科だけでなく、どの科でも起こっている問題です。ぜひみなさんのまちの医療を考え…
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2021年5月の記事一覧

「産み育てたい街」守るのは私たちーどうなるお産⑨

「産み育てたい街」守るのは私たちーどうなるお産⑨

 「よりよい死(終末期)」を整えるように、「よりよいお産(周産期)」も整えてほしい、と訴えた私。

命を歓迎できない社会に、未来はない。 「若年女性(20~39歳)が少なく、若者の流出も止まらない自治体は、やがて消えてしまう」
 日本創成会議は、7年前の報告でそう指摘した。
 「若年女性が2040年までの30年間で半減」「40年に人口が1万人を切る」の2条件が重なると、新生児が数十人~数百人止まり

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お産に安全以外のものを望む気持ちをどう表現するかの葛藤ーどうなるお産⑧番外編

お産に安全以外のものを望む気持ちをどう表現するかの葛藤ーどうなるお産⑧番外編

さて、「どうなる?お産」をいつも読んでいただき、ありがとうございます。今回は同時に2本を公開します。なぜなら、ちょっと新聞紙面では伝えきれなかった、と思っている部分があるからです。今回はとても難しい回でした。
記事の中で、何度も何度も書き換えた箇所がありました。それは以下の部分です。

 お産ができる施設が減る中で、望まない分娩誘発(陣痛促進剤の使用など)や予定帝王切開が、私の町でも増えていないか

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出産に望むのは「安全」それだけかーどうなる?お産⑧

出産に望むのは「安全」それだけかーどうなる?お産⑧

 産婦人科医が不足する現状で母子安全なお産を守るためには、医療資源の集約化は仕方ないと納得した私。

https://note.com/noubisya/n/n153fdac76c8a

気になる「帝王切開率」の上昇
 とはいえ、どうしても気になることがある。帝王切開率の上昇だ。日本産科婦人科学会の調べで、1001施設(有床診療所を除く)での帝王切開率は、21・9%(2008年)→27・7%(20

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全国で不足する産科医 現場は「4K」?ー⑦

全国で不足する産科医 現場は「4K」?ー⑦

分娩取り扱い施設は減り、産婦人科医は不足している。ようやく知った現実。

とっくに悲鳴をあげていた現場 ネットで「産婦人科医 不足」と検索してみた。一番上に現れたのは、大阪府豊中市立病院の医師が書いた「産婦人科医師不足と医療崩壊」というタイトルの文献だった。

 最初の段落には「産科・周産期領域においては(…)医療崩壊の危機という段階を超えてすでに崩壊のプロセスにあると認識されています」と衝撃的な

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あふれる妊婦、ギリギリの綱渡りー⑥

あふれる妊婦、ギリギリの綱渡りー⑥

 県内で分娩を扱う施設は、2012年に比べ診療所27→17、病院14→10に減っている。診療所の医師の高齢化や、医師不足による医療資源の集約化が原因という。分娩を休止した施設に行く予定だった妊婦が駆け込む先の医療体制は大丈夫なんだろうか。

湖東湖北ブロックは、「お産難民」が生まれる危険性 例えば、湖東湖北ブロック(彦根・多賀・甲良・豊郷・愛荘・長浜・米原)。県の関係者によると、19年、ブロック内

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