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股関節の自主トレーニング[コア・コントロール編]

お疲れ様です!はらリハです!

本日は…

「脳卒中後遺症による股関節機能障害に対して考える、コア・コントロールのリハビリメニュー」を解説していきます。

当事者とその家族に向けての投稿です。

※ 引用書籍

はじめに

 前回までのあらすじ

1)股関節の役割
☑︎ バランスを保つ(股関節戦略)
☑︎ バランスを崩した時に一歩降り出す(ステッピング戦略)
☑︎ 前方/後方へ移動する時に姿勢を安定させる
☑︎ CPGの賦活(オートマチックな歩行)
☑︎ 身体を常に起こし続ける(体幹の伸展活動)

リハビリに生きる股関節の役割!」から引用

2)股関節で起きやすい問題
☑︎ 座位/立ち上がりで骨盤が起こせない
☑︎ 立位/歩行で股関節を曲げる状態で固定する
☑︎ 歩行時の支える時期に骨盤から外側に抜ける
☑︎ 歩行時に股関節を伸ばす力が不足する

股関節で起きやすい問題4選」から引用

3)リハビリ時のコア・コントロールの重要性
☑︎ 体幹の安定性を確保(バランスが良くなる)
☑︎ 体幹/四肢の運動性を確保(円滑で効率的な動き)

股関節の動きを劇的に変えるヒント!!!」から引用

 簡潔にまとめると上記となります。

 上記では「股関節の役割→問題点→治療ターゲット」について述べており、これらの理由から股関節の自主トレーニングへ繋げています。

 自主トレーニングの流れは…

① 股関節の可動域を拡大させる練習
② コア・コントロールが高まる姿勢を覚える練習
③ 体幹/股関節を伸展させる筋肉、感覚を使う練習

 では、紹介していきます。

※ 前回までの記事を一読してから取り組むと効果倍増間違いなしです!

① 股関節の可動域を拡大させる練習

 ここでは、腰回りの過剰な筋活動を抜きつつ、股関節周囲筋の柔軟性を確保することで、股関節を伸ばす/回旋する方向の可動性を確保することを目的に取り組みましょう。

⬜︎ 回数:各20〜30回 2〜3セット(目安)

※ 難しい場合は家族さんに手伝ってもらいましょう。

② コア・コントロールが高まる姿勢を覚える練習

 上記でお伝えしたコア・コントロールに必要な筋肉(腹横筋/横隔膜/骨盤底筋群)の活動は姿勢制御/呼吸/排泄に関わるため、随意的な活動(意図的に力を入れる)ことは難しいです。

 そのため、それら活動が得られる姿勢を覚える、実践することが重要です。

ニュートラルポジションの学習(セット)

⬜︎ 上記の姿勢を20秒キープ 5セット(目安)

 上記の練習で覚えた姿勢を、リハビリ中はもちろん、座位、立位、歩行時に意識しましょう。

③ 体幹・股関節を伸ばす筋肉/感覚を使う練習

 最後に、実践編です。

 ここでのリハビリでは、常に「コア・コントロール」を意識して行いましょう。

 コア・コントロールの意識は、②で覚えた部分に合わせて『お臍の下あたりをへこませるながら下腹部を引き上げるイメージ』を持って取り組みましょう。

 [コア・コントロールを高めるコツ]

 この時、腹帯など、何かお腹周りに巻ける道具があるとより効果的です。

 では、本題を解説していきます。

難易度:優しい

[座位での骨盤前傾後傾+左右重心移動]

 ここでは、股関節と体幹の間の「骨盤」の運動を通して、バランスを安定せるために多裂筋など、Core stabilityの活動を高めます。

 前後の動きだけでなく、左右の動きを通して、腹横筋の活動も促すことで、様々な動きに対して安定した姿勢を作ることができます。

⬜︎ 前後運動 20回 3セット(目安)

⬜︎ 左右運動 20回 3セット(目安)

難易度:普通

[立位で重心移動]

 ここでは、骨盤前後の動きで得られた「身体を軸の上に移動させ、重力に対して身体を起こし続ける感覚」を立位に応用していきます。

 上記の身体を起こし続ける部分を保持しつつ、立位で重心をやや前方位に移動させ、コア・コントロールを高めつつ、膝関節が曲がらないように注意しながら、大殿筋やハムストリングスと呼ばれる股関節で支えるために必要な筋活動を求めましょう。

⬜︎ 回数:10回 5セット(目安)

難易度:難しい

[膝立ち立位]

 ここでも、骨盤前後の動きで得られた「身体を軸の上に移動させ、重力に対して身体を起こし続ける感覚」を上記の課題より高負荷で実施します。

 上記の身体を起こし続ける部分を保持しつつ、膝立ち位で重心をやや後方位に移動させ、コア・コントロールを高めつつ、大殿筋やハムストリングスに加えて、腹横筋の活動を求め、股関節で支える感覚を覚えましょう。

⬜︎ 回数:10回 5セット(目安)

[片脚立位で非麻痺側上肢の挙上」

 コア・コントロールの活動条件として、②で覚えた部分に合わせて『お臍の下あたりをへこませるながら下腹部を引き上げるイメージ』と挙げていますが、より活動が高まる位置が「股関節を90°に曲げた状態を保持した姿勢」と報告があります。

 ここでは、よりコア・コントロールが活動できる位置で、麻痺側股関節で支える活動を高めましょう。

 とても難易度が高いため、最初は支えのある環境で行いましょう。

⬜︎ 回数:10回 5セット(目安)

終わりに

 ここまで、読んで頂きありがとうpございます。

 最後に、脳卒中後遺症の改善に向けた自主トレメニュー(有料500円)を紹介します。

病院でやっていたリハビリ」と「本来回復に必要なリハビリ

 がズレていることが非常に多いです。 

 よく聞くのが「原因は筋肉」という話。 

 筋肉トレーニングも必要ですが、よくよく考えると根本的な問題って脳じゃないですか? 

 だって脳の損傷なんですもん・・・ 

 脳の回復に必要なリハビリしないといけないじゃないですか。

 そこをピックアップした自主トレを提供しています。

 なぜ自主トレで回復するのか・・・ 

 根本的な問題である脳の問題に対して「脳と手足の神経の繋がりを作るリハビリ」を根源に作った自主トレメニューだからこそ「改善する」がついてきます。

 根本的な問題に着目したメニューなら回復も見込めると思いませんか?

 今よりも10歩も20歩も先の自分になるためにも、使えるものは何でも利用しましょう。

 内容は大きく分けて3つです。 

☑︎ 病態、症状の理解  
☑︎ 病態、症状の原因  
☑︎ 自主トレメニュー 

 となっています。

 病態を理解することで、なぜ自分がこのような状態になり、どこに問題があり、どこを気をつけることでその症状が緩和するのか、図や写真を使いながら分かりやすく解説しています。

 全く動かせない方から、症状が軽いけどうまくいかない方まで、必要な機能的要素と脳科学的な知見を併用したメニューになっています。

 根本的な問題の解決をテーマに、最高の技術と知識をフル活動させて作った自主トレメニューです。

 販売してから既にnote経由を合わせて50件以上、おかげさまで好評を頂いています。

 500円で購入できますが、安価で買えるような自主トレメニューではないです。

 一人でも多くの方が麻痺のない生活に少しでも戻れるように願いを込めて作りました。 

 ぜひ、使って見てください。

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