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痛みを読み解く:胸腰部の痛み【胸腰筋膜の疼痛の関係】

お疲れ様です。はらリハです。

本日は…
『胸腰部の痛みを胸腰筋膜から考える』について説明します。

前回までのおさらい

腰痛をはじめとする胸腰椎の痛み3選

腰痛をはじめとする胸腰椎の痛みを力学的ストレスから考えると…

□ 伸張ストレス
□ 圧縮ストレス
□ 剪断ストレス

の3つに大別することができます。

以下に、簡略的に説明します。

◯ 伸張ストレスは…

胸郭の重みで全方に倒れる力に対して、胸背部〜胸腰筋膜に伸張ストレスが生じる。

◯ 圧縮ストレスは…

椎体/椎間板部に直立立位や重いものを持ち上げる、回旋動作などにより圧縮負荷が増加することで生じる。

◯ 剪断ストレスは…

仙腸関節の安定性を高めている靭帯の張力が過度に高い状態の際に疼痛が生じる。

※ 詳しくは以下のリンク参照

胸腰筋膜と胸腰椎の疼痛の関係

胸腰筋膜は、固有背筋外側群を取り込むように浅葉と深葉の2葉に分かれています。

胸腰筋膜
浅葉:上部は広背筋/下後鋸筋が起始、下部は大殿筋と連結している
深葉:多裂筋を完全に取り囲み、側腹筋群の腹横筋/内腹斜筋の起始になるため、胸腰筋膜の線維密度は第4腰椎レベルから著しく増加する

上記を踏まえると、固有背側外側群と内側群の筋膜は、腹横筋/内腹斜筋、大殿筋などの筋膜と密に連結しているため、お互いに筋活動に影響を及ぼすことが考えられます。

胸腰筋膜の役割

Yahaiらは、胸腰筋膜の血管周囲には機械受容器TypeⅠ(ルフィニ小体)とtypeⅡ(パチニ小体)が存在していることを報告しています。

typeⅠはm低闘値で反応が遅く、関節と位置と運動を感知します。

typeⅡは、低闘値で反応が速く、関節の素早い運動と振動、横方向のストレスに反応します。

このことから、安静時の姿勢制御や運動時の体幹制動を担っていることが考えられます。

【機械受容器】
→姿勢の変化に伴う圧迫や伸張など機械的刺激により興奮する受容器のこと
typeⅠ:ルフィニ小体様、低闘値で反応が遅く関節の位置と運動を感知
typeⅡ:パチニ小体様、低闘値で反応が速く、関節の素早い運動と振動、横方向のストレスに反応
typeⅢ:ゴルジ腱器官様、高闘値で反応が遅く過剰な筋活動を抑制
typeⅣ:自由神経終末、高闘値には反応せず、関節痛の信号を出す

疼痛誘発テストの紹介

固有背筋外側群/内側群、胸腰筋膜の疼痛誘発テスト

【前屈動作テスト】
□ 検査肢位
リラックスした直立位で目線は正面を向く
両下肢は肩幅程度に外転位、両上肢は体側に下垂させる
□ 誘導する運動
床に両上肢をつける様にさせる
□ 判定
疼痛が生じたら陽性
□ 機能的意義
胸腰筋膜を含む固有背筋の外側群/内側群の伸張を強制することで、筋の伸張と筋内圧を上昇させる

※ 注意点
前屈動作テストでは、胸腰筋膜を含む固有背筋の外側群/内側群の伸張を誘導するため、股関節の屈曲は抑制させる必要があります。
そのため、検者が被験者の骨盤を徒手的に固定するか、壁などに被験者の殿部/両下肢を接触させ、壁から離れないように前屈動作をするように指示します。
この検査のみでは、固有背筋の外側群と内側群のどちらに大きな問題があるかは判断できませんが、疼痛部位を詳細に聞き、伸張状態を触察して確認することが重要です。
また、前屈位から体を戻す時は、伸張ストレスが増強しているため、頭痛が発生しやすいので、急な動きは避けて、ゆっくりと姿勢を戻すようにしましょう。

おわりに

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