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なぜ、ぶんまわし歩行が起きるのか?

お疲れ様です。はらリハです。

前回に続いて、ぶんまわし歩行について投稿させて頂きます。

前回は…

ぶんまわし歩行を放っておくと以下のデメリットの危険性があります。

[ ぶんまわし歩行のデメリット ]

✓腰痛や膝痛の原因となる
✓麻痺側下肢の関節可動域制限と筋力低下を招く ✓装具や杖などの補助具を外すことが出来ない
✓障害物にぶつかりやすく、転倒リスクを高める ✓麻痺側下肢の不使用の学習を促進(麻痺側下肢  
を使わないように) 
✓麻痺側下肢が重く感じる 
✓歩行の効率性が悪く疲れやすい為、長距離歩行ができない 
✓足首のクローヌス(足首や足趾が勝手に動く)が出現しやすくなる

 人によって、ぶんまわし歩行が原因で起きる症状や、日常生活での不便さは様々ですが、この方法で歩行を続けると、上記のような二次的合併症、機能低下、歩行障害の要因になります。

では、何故、ぶんまわしを覚えてしまうのでしょうか??

実は、入院中のリハビリが問題かも知れません…

脳卒中後遺症の根本的な問題とは??

私の施設を利用させる方の多くは「原因は筋肉にある」と話す方が多いです。

たしかに、手足の力が弱かったり、力が入りにくいのを感じるのは、筋肉だと思います。

ただ、それだと筋肉トレーニングさえすれば、良くなるはずです。

しかし、それだけやっても脳卒中後遺症の問題は解決しません。

なぜなら、問題は筋肉にあるのではなく…

『脳』

にあるからです。

もっと細かく言うと…

脳と手足の運動神経の通り道に問題が起きることで手足の力が弱くなったり、力が入りづらくなるのです。

これを専門的には『運動麻痺』と呼びます。

運動麻痺とは?

まずは、「運動」と「麻痺」という言葉を分けて考えてみましょう。

運動とは…

「筋肉を収縮させ関節を動かすこと」

麻痺とは…

「本来の動きや働きがなくなること」

を言います。

これを繋げると…

「筋肉の収縮が本来の動きと働きが出来ないことで関節運動が行えない」

これが運動麻痺の本質です。

自分の筋肉が収縮し関節が動くかどうかを確認することで、運動麻痺が問題なのか、または別の問題なのか、が明確になります。

まとめると…

運動麻痺とは

「筋肉の収縮が本来の動きと働きが出来ない事で関節運動が行えない」

状態を言い

自分が運動麻痺なのかを判断するには

「筋肉が収縮しているかどうか」

を確認する必要があります。

そこを踏まえて、なぜ、ぶんまわしが起きるのかを考えます。

入院中に本来の脚の使い方を指導されていない

先程、説明した通り、根本的な問題は脳にあります。

脳から「脚を降り出す」と指令を脚に送り、その指令を脚の筋肉が受け取ることで、歩けます。

しかし、脳卒中後遺症の「運動麻痺」の影響で、思うように動かせなくなります。

それを、他の筋肉などで代償する結果、ぶんまわし歩行が起きます。

最後に

入院期間で「脚の動かし方」を指導されていない方は、たとえ脳と脚の神経回路が繋がっていても、「代償」を 脳が覚えている状態なので、長期間の筋肉トレーニングやストレッチだけでは、身体の動きは変わりません。

ぶんまわし歩行から卒業するには、本来の歩き方といまの歩き方の違いに気づき、身体を動かすコツを学習する必要があります

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