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デブはデブでも


私はデブが苦手だ


まずデブはくさい
なんか知らないけど常に汗くさい


1日お風呂に入らないだけで
皮膚に油が乗って
豚骨スープのような異臭を放ち出す


そして次に性格がだらしない

体が重いせいで
仕事もプライベートも堕落している


自分も5キロくらい太ると
友達と予定は立てないわ、
何もしたくないわで
ベッドの上で1日が終わることはザラにあるので
太っていることの影響の大きさはよくわかる





先日、料亭に大企業の息子と名乗るデブがきた

顔より先に目に入ったぽっこり出たお腹からは
ぬるま湯に浸かり育ったであろう生い立ちが
連想させられた


そして、手首には無駄に多い数珠

あれは確かに大御所芸能人より付いていた


そして極め付けには汗臭さと
香水が混ざったなんとも言えない体臭




千と千尋の神隠しで泥だらけの客が入ってきても
快く出迎えるちひろを思い浮かべながら

私も必死でそいつを笑顔で迎えた



そいつは席についてから
料理や会話を楽しむ様子は一切なかった


上座に偉そうに座り
何度もタバコのため席を外した


もうお分かりだと思うが
冒頭でデブが苦手と言っときながら
こんだけそいつのことを考えている私は
すでにそいつの虜になりつつある

話しかけずにはいられず
タバコ帰りのそいつに声をかけた


「なんの香水つけてるんですか?」


「バーバリーです
香水つけるのとかあんま慣れてなくて
毎朝家出る前に両頬に叩くくらいですですけど、、」


度肝を抜かれた

めちゃくちゃいいな、、
なんだそのワイルドな香水の付け方

思わず心の中で叫んだ


苦手だと思っていたデブに
男らしさを見せつけられ
心が揺らいだ瞬間であった


そいつはその後も私の心を大きく揺さぶってきた


それは食事の時、
ご飯のおかわりを三回したことだ


頬やシャツにまでご飯粒を付け、

誠心誠意目の前のごはんに向き合っている姿が
本能には抗えない所を見せつけられたようで
惹かれてしまった



最後の会計時

彼はアメックスのブラックカードを出してきた

「アメックスは使えないんですすみません」というとそいつは少しむくれていた

アメックスのブラックカードを
見せつけるように出す客は嫌いだが
(年会費が100万と聞いてから)

もはやそんな姿も気にならなくなってきた



人の心は一瞬にして良くも悪くも変わっていく

そしてどんな行動がだれに響くかわからない



一昨日からおっぱいマッサージを始めてみた


以前より、少し上を向くようになった乳首


なんの意味があるのと思うでしょ

誰に響くかわからないじゃない

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