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随筆「タイトル なし」

2016年4月6日、私たちは中学3年生になった。 外見は中学3年生。でも、中身は違うと周りの人によく言われる。 「3年生としての自覚が、全くない。」 追い討ちのように母からは「貴方を産んで損をした。」と言われた。 自分の事は自分で1番分かっている。 生きる価値が、自分には無いと ___ 自分自身を、漢字一文字で表すと……「無」となった。 別に好成績な訳ではない。これといって凄い事が出来る訳ではない。 自分は、全くの「無」である。 そこに存在はしていないけど、そこに在る。 そ

    • 【手記】知覧への想い

      知覧は、知る人ぞ知る土地だ。 鹿児島県川辺郡知覧町。ここは、かつて特攻隊員達が飛び立った航空基地の場所。 太平洋戦争末期、昭和20年。米軍の猛攻で戦局が最悪の状況を迎えた。大日本帝国軍部は、敗色濃厚な局面を挽回しようと編み出した戦法が、「特攻」だ 。___ 若き兵士を訓練させ、戦闘機「零戦」に乗せる。海上から敵艦に必中必殺で突撃し、これを沈没させる。特別攻撃、即ち特攻である。 この地に今「知覧特攻平和会館」がある。特攻に出撃し、国礎に成った千三十六隊員の英霊が祀られている。

      • 随筆「休息」

        その匂いと味の深さが、私を赦しへと誘う。例え辛かろうと、苦しかろうと、別に他にも辛い苦しいと感じる人はいる訳で。 他人と比べてどうこうという話でもない。己の感情は、ただの私情にすぎない。他人からは鼻で笑われ一蹴される。愚か、そもそも誰も気にはしない。関係のない事だ。言葉を選ばずに言えば、個人の感情なんぞ被害妄想である。果たしてそれは万物の理か?通念とでも言うべきか?またはその己が生きる中で感じている通念すらも迷妄なのだろうか? しかしながら、私とて命がある。今生きている。まわ

        • 無題87短歌集 〜 二〇二三年 〜

        随筆「タイトル なし」

          小説「真実の箱」

          「なにしてんの?」 妻が電子レンジの中を覗いている。 何をしているのかは分かるが、俺は敢えて問いかける。 「なにしてんの?」 「健ちゃんをねぇ…探してるの…」と妻は言う。 「俺は、ここにいるよ。」って言ったらば、妻は俺の顔じ〜っと見つめ、それからぽかんとして首傾げた。 そして、妻がまた家の中をあちらこちら歩き回る。食器棚の中開けたり、コップをひっくり返したり。そんなとこ探しても、俺はいる訳ないんだが…。 「なにしてんの?」 「健ちゃん…探してるの…」 「俺はここにいるよ。

          小説「真実の箱」

          小説「禁断の果実なんていらない。」

          目次プロローグ 第1話「日常」 第2話「白」 第3話「桜」 第4話「苦しみ」 第5話「安息」 第6話「恣意」 第7話「雨」 最終話「虹」 プロローグ「禁断の果実が欲しい…」 たった1つ願いが叶うなら、僕は禁断の果実が欲しい。 禁断の果実とは、キリスト教の聖典「聖書」に登場する特別な果物。 神々の楽園エデンで暮らしていたアダムとイブ。 ある日彼らは、蛇の誘惑に唆され、禁断の果実を食べてしまう。 そしてアダムは自分が男だと、イブは自分が女だと知る。 素晴らしい。考えただけで、喉

          小説「禁断の果実なんていらない。」