iPad読書で速読と精読のあいだを楽しむ

iPad初心者だからこそ一心不乱にiPadを楽しめる、ということもある。
今はそれでいいと思っている。
iPadでの日記にだいぶ慣れたところで、読書記録にも拍車がかかっている。
紙の本もKindleも、常にiPadと共に過ごしている。
目の前のiPadに書いたり貼ったり打ったりして、本の内容を整理していく。
その過程は夢中なのでなんとも表現に困る。とはいえ確かに記している。


読書記録が断トツに捗るようになった

ずっと、読書記録はノートに記してきた。
ノートに書くことでiPhoneメモより頭に残ることは理屈でも実践でもわかっていた。
どうせ書いたものを二度と見ないなら、残るやり方を選んだ方がいい。
紙のノートで自分に落とし込むことこそ読書の醍醐味であった。
そしてiPadでやってみたら、なんとも紙ノートの何倍もの効率化を図ることができた。
まぁ、そんなことは予想がついていたのだけど、想像と実際はちがう。

まず、本またはKindle本を開き、GoodNotesを開く。
iPadの画面を2分割にして読む。
冒頭に日付とタイトルを書く。
つらつらと打っていく。
途中、図や写真があればキャプチャして貼り付ける。
引用はガンガンやって、コピペしていく。
気づきはApple Pencilで色を変えつつ、書いていく。
なんとなく、打つのではなくあえて書くこともある。

無我夢中とはまさにと感じる。
1時間、読書と記録をしていたら、30分と思った時間は1時間。
倍速で時間が進んでいる。頭がついてこない。
記録自体を楽しんでいるのか、それとも内容がおもしろいのか、はたまた両方か。
理解できることは読んで終わる。
わからないことはとにかく引用とメモの嵐だ。
手を止めずに書き続けること。

読んだり書いたりしていて思い起こすことがある。アイデアも閃く。
そんな時にすかさずキャッチして、途中でさらりと書くことができる。
このあたりは紙ノートと変わらずに事が運べてうれしい。
興味のある分野の本を読み進め、わからないことはひたすら残し、気づきはペンで書く。とにかく手が止まらない。


どんな本か、どのシーンで使うか

読書をするにも、ただ冒頭から読み進めるだけでは芸がない。
最近では、まず本の大枠をつかんでから読み進めるようになってきている。
本を読む人は大抵、目次と著者プロフィール、参考文献を見る。
大体そこで、どんな論が展開されそうか、どういうスタンスの人か、どの階層の内容かなどがわかってしまうとのことだ。

私はというと、さほどチェックはせずに本を購入することが多い。直感とでも言っておこう。ただ、冒頭で著者が何を述べているのかはチェックしている。大抵の本はエピローグにて、本を書くことになったきっかけや、著者についてや、本の趣旨を述べている。まずは全体を把握することだ。
購入後、読むようになった暁にはそれらをコンパクトにして、メモに書く。

タイトルと概要が決まれば、あとは内容を書いていく。
そこでもただ引用するだけではなく、自分が今後、どんなシーンでその本のネタを使うことになるのか、想像しつつメモする。使う場面を想像するからこそ、知識が生きる。
例えば、紙ノートで書くのとデジタルノートで書くのでは、どちらが頭に残りやすいのか、その実験結果などが記されていれば、後にノートの話をする時の小ネタになりそうなものである。そんな自分の姿を想像し、メモするのである。


読書術において、速度はさほど重要ではない

速読なのか、遅読なのか。
iPad読書術は、メモを取りながらもどんどんページが進み、速いといえば速い。
しかし、いわゆる速読術に比べたらはるかに遅い。
多忙な毎日を過ごす私たちにとって、できるだけ早く読みたい気持ちもあろう。

しかしスピードはそれほど重要ではない。
私たちの人生にとって、本を読んで、その本の内容を理解できたかより、本をきっかけに自分が動くきっかけとなったかの方が利点がある。
極端な話、本の内容をまったく理解できていなかったとして、タイトルで触発されて自分の夢を叶える、といったことでもいい。

ひとまずは、スピードに関しては普通もしくは遅いぐらいの読書術としておく。
何せ、引用とメモが多くなる。その時に理解しているか、についてそっとしておく考えのため、すぐに理解できないことはひとまず残す。後から見て、理解を深める。


掘り下げはディナーの後で

まずは本を楽しみたい。
できれば理解をして、自分の言葉で人に話したり、こうして文字に起こしたりしたい。本を読むすべての人が、そう願っているに違いない。
メインディッシュが来る前のわくわく感、そして食べている時の幸福感を堪能しつつ、その後、引用やメモをもう一度見つめてみる。
おそらく、さまざまな疑問が生まれるはずである。
もう一度読み直すだけではなく、その分野の別の本を読むことになるかもしれない。
かくいう私も、1冊を読み終えるのに、別の10冊を読んだほどだ。
精読をするためには、自分の中に落とし込み、人に自分の言葉で説明できるほど理解しておかなくてはならないと思っている。
iPad読書術で、本とのたわむれに無我夢中になれていることを改めてうれしく思う。

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