ゲーム実況動画の魅力ーRULE of ROSE
ゲーム実況がブームのこの世の中、そのジャンルの動画や配信はさらにいくつかのジャンルに分類される。
自分の操作技術を披露するもの、バグを利用した実験を行うもの、ゲーム内の建築設計や魚の生態説明などに有識者が物申すもの。
他にも色々あるが今回は初見プレイ動画というゲーム実況の原点とも言えようジャンルについての話になる。
このジャンルはシンプルで他よりわかりやすい。
自分が実際に何かをするのではなく他者がした記録媒体を鑑賞することによってお手軽に実体験感を手に入れられるのだ。
実体験感という表現は決して上手いとは言えない。要するにあたかも自分が実際にプレイしたような感覚になるという事を言いたいのだ。臨場感とは違うと思う。
もう少しスマートな表現はないのか、と思うが長くなりそうなので置いておく。
私自身も手元にないゲーム機用にしか発売されていない作品や、入手難度が極めて高い作品を仮体験するために初見プレイ実況を観ることがある。
ここからはいくつか観た者ものの中から興味深いと感じた作品について記述していく。
※ここからはネタバレを含むので閲覧注意
RULE of ROSE
これは2006年にプレステ2用に発売された日本製サイコミステリー・アドベンチャーRPG。
あまりにストーリーや描写が残酷なことから最終的に複数の国で販売中止となった。これが原因で超レアゲームとして扱われている。
対象年齢はCERO規定でCだが私としてはZレベルだと思っている。
あらすじ
1930年、イギリス。ある夜、ジェニファーはバスの中で謎の少年から絵本を手渡され、森の中へと誘われる。ジェニファーが少年の後を追いかけていった先は、ローズガーデン孤児院。そこでは「赤いクレヨンの貴族」と呼ばれる階級制度を作った少女達が支配していた。その少女達の輪へ入ったジェニファーは、そこで様々な災難に遭いながら、謎を解いていく[3]。
(wikipedia RULE of ROSEより引用)
このゲームは非常にあらすじが複雑で解釈をプレイヤー、消費者に委ねる部分が多いとされている。
なので2周してやっと理解できると言われており、私は仮1周した時点でネットの考察記事を片っ端から読んだ。
↓その内の一つ。貼らせていただきます。
このゲームの魅力をわかりやすく伝えてくださっているので皆様ぜひお読みください。
考察記事ライターの皆様のお力を借りて私はおそらく必要最低限このゲームを理解する事ができた。
なのでこのゲーム最大の魅力と感じた部分について記述する。
私には最も印象に残っているシーンがある。
主人公ジェニファーが自分をいじめてくる赤いクレヨンの貴族のたちに言葉と暴力で立ち向かうシーンだ。
ジェニファーは口にいっぱいのクレヨンを詰められたり袋に入れられ放置されたりと凄惨ないじめを受ける。やられっぱなしでも言い返せない彼女だったが、ゲームが進行し記憶を取り戻していく中で、ついに己の意思を解放する瞬間が来る。
彼女はいじめっこ達のリーダーに馬乗りになり、全員の前で叫喚する。
ジェニファー
「ウェンディーの作り話におびえるあんた達も許さない
貴族ですって? 馬鹿じゃないの?
あんたも嫌い!
あんたも嫌い!
あんたも!
そして 何より一番嫌いなのは
そんなあんた達の言うことを聞いて
我慢していた 自分自身が一番嫌い!
大嫌い!」
(RULE of ROSE プレイ日記 より引用
http://karayage.main.jp/ror/r16.html)
「自分自身が一番嫌い。大嫌い」
自分自身の苦痛や怒りを完全に相手のせいにできず、自身の罪へと変えてしまうジェニファー。
彼女は強くなった。暴力はいけないかもしれないが、言葉は行動とは裏腹に悪に対して最後まで優しさを捨てることができなかった。
それは彼女に残された弱さであり魅力である。
...ゲーム実況の感想文めっちゃ楽しいじゃん。小中高生の読書感想文やめてゲーム感想文にすれば良いのでは?
失礼。話を元に戻そう。
相手に心の底から怒りや悲しみをぶつける。私にとっても非常に難しい行為だ。
泣き喚いている自分を何処かで客観視してしまう。
醜い表情、崩れた理性。そんなもの見たくない。
ジェニファーを自分と重ねずにはいられなかった。ジェニファーの中に私を見た。
最後まで綺麗な自分を見つけようと悪足掻くのだ。
自分は善人だと証明したいのだ。
理性のない獣のようなお前らとは違うと笑いたいのだ。
一緒にしないでほしい。
そう願う私とジェニファーの後ろで哀哭を助長するかのようなストリングスが咽び泣いている。
このゲームのBGMやグラフィックも非常に素晴らしいです。
よければ皆様覗いてみて下さい。
https://youtu.be/pRoJiu3K_1w
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