シェア
ああああってなる
2019年6月1日 18:18
高校生はザンコクだ。いやいや、高校生だった頃の私たちがザンコクだったのだ。括り方を間違えてはいけない。一子は一見して肌が他の子とは違っていた。そのせいで大多数の生徒から好奇の目でみられることが多く、明らかに彼女はそれを気にしていた。想像だが、彼女の人生、これが理由で性格的にも明るさを欠いてしまったのではないだろうか。夏が近いある日、私はある法則に気がついた。一子が湯船に浸かるとほとんど
2019年6月4日 03:25
多佳子はいつも風のなかにいた。 校舎の前の小さめの広場、校長先生待ちのとき、寮の玄関を出たとこで女子が集まる前とか、多佳子は大勢の人に囲まれながらもどこかひとりでいるみたいだった。彼女の薄茶の瞳はビー玉みたいにつるんと光っていて、多佳子のことを友達だと思って話しかけてる子は多佳子の瞳を通すと違って見えていたのかもしれない。新入生の中で誰より早く人間関係を築き、自由で楽しそうにみえた。大人
2019年5月21日 02:15
初めて乗る電車に揺られて、白いスタンドカラーのブラウスを着た私は不機嫌ボックス席の向かいに座る母とは、今日から一緒には暮らせない自分の落ち度にイライラすること自覚したの、初めてだったかもしれない。お別れの前に、曇る気持ち自分で選んだ道なのに…自分で支度した荷造りなのに…最悪だ 、と思った。 ーーーーーーーーーーーーーー まだ冬のさなか、
2019年5月21日 11:15
入学式初日、制服のブラウスを先送りの荷物に積めちった私降りた駅の小ささよりも、バスに揺られて通った山道沿いの新緑の鮮やかさよりも、小さな心の痛みに敏感でいた私 泣きたい気持ちで入寮、ここで母と分かれ荷物検査を済ませた。 母は父兄控え室の教室へ向かったようだ。女子寮は三階建て一階 入るとすぐに受付兼寮監室、それと下駄箱ずらーっと。フロアーあって、玄関からみて左から浴室・調理
2019年5月21日 13:30
ブラウスのリボンを綺麗に整えてくれたのは、いったい誰だったんだろう。女の子らしいことが苦手で、私は中学のセーラー服の白いナイロン地を調えようとしたことほぼ皆無。いつも友達に整えてもらっていた。でなければ筒に通しただけでだらりと垂らしたままで放置、気にも留めたことがない。みかねた竹浦先輩だったのか、それとも同級生だったのか…なにせ、寝室での一件以降しばらく記憶がないのだ。入学式当日で