見出し画像

『人生の教養が身につく名言集』を読んで|①/④|なぜ教養が必要かわかる本

この本を読んだので、全4回に分けて、名言への所感とともに紹介します.

読み終えて、自分の中の、ふわふわしている気持ちや意識を明文化してくれたような気がしました.


①はじめに/1章 人生について考えが深まる名言集

②2章 人間関係の心得を教えてくれる名言集/3章 読むだけで「考える力」がつく名言集

③4章 より賢く生きるための名言集/5章 「仕事の極意」を教えてくれる名言集

④6章 「生きる知恵」を教えてくれる名言集/筆者のインプット手法


今回はこれです!
①はじめに/1章 人生について考えが深まる名言集

はじめに|教養の解釈と人生を楽しむコツ

本書の「はじめに」には、以下のような文章があります.

教養とは人生を面白おかしく、そしてワクワクさせてくれるツールです
P.3

筆者はこれを、次のように、ワインを例に話していました.

レストランでワインリストをみる.そこには多くの選択肢がある.こんな時、自分の辞書にワインの知識があれば、その時の雰囲気で「今日はこれかな」と選べる.

私は、まさに教養のある人とは、まさにこんな人だと思いました.

私は、学ぶことは好きでも嫌いでもありません.しかし、普段気になることがあればスマホで調べたり、出掛けた先に解説版があれば読むタイプの人間です.

これまでを振り返ると、その場面での知識欲を満たすだけで、ふむふむと、すぐに忘れてしまっていたように思います.これは、知識や教養を「自分の辞書」として蓄えて、それを人生にフィードバックしていないということです.

今回の私の気づきを明確に認識して人生を過ごしている人は、多くないのではないでしょうか.本の冒頭で、人生の楽しみ方のコツをひとつ教えられたように思います.

本書は、名言のみを紹介するのではなく、筆者のエピソードや人生観、考察や解釈、捉え方が記載されていました.その点が類似した本と異なり、読んでいて面白かったです.

本記事シリーズの構成|目次の順に所感を述べています

名言は、多種多様なものがあります.
本書の目次は、筆者の伝えたいことがキレイに整理されているような気がしました.そのため、目次の章順に「自分の辞書」に加えたい名言の所感を記載しています.

1章 人生について考えが深まる名言集

「この門をくぐる者は一切の希望を捨てよ」(ダンテ・アリギエーリ『神曲・時獄篇』)
P.23

ダンテは、ルネサンス初期のイタリアの大詩人(1265~1321).

本書では、一番最初の名言として紹介されています.筆者は、「人間や、その人間が作った社会への甘い期待や幻想を捨て、リアルを見ろ」、という意味合いで解釈していると認識しました.

さらに、世の中や、人生の「リアル」を見る視点を獲得するためには、学び、知識を得続けていく必要がある、とも言っています.

夢や戯言ばかり言っていないで、リアルに物事をみて、やるべきことをやろう、とそんな気持ちにさせてくれました.

「愚公山を移す」(『列子』)
P.47

中国の戦国時代(紀元前5世紀~前3世紀)に書かれたとされる『列子』(寓話集)の話です.

山の麓に住んでいる90歳のおじいさんが、家族を集め、出かけるたびに通る、とてつもなく大きな山2つを、切り崩して平らにし、道を通そうと提案し、家族は賛成、その仕事がはじまります.

周りからは無理だと冷笑されましたが、おじいさんは、「山は高くはならないので、子々孫々、仕事を引き継いでいけば、いつか必ず平らになる」といいます.

最終的には、このことを聞いた神様が、おじいさんの心意気に心打たれ、その山2つをなくした、という物語です.

物語を聞いて初めて意味のわかる名言でした.人間は、一人では全てを変えることはできない.しかし、今の自分にできることを少しずつ取り組んでいくことで、世界はほんの少しずつ変わっていく.

学術の話に重なると感じました。

学生時代、自分の卒論が何の意味を成すのか、と一瞬でも考えた人は少なくないのではないでしょうか.

世界全体でみても、研究の大半は、重箱の隅をつついたような、基礎的なものです.それでも、基礎の上に応用が立ち、結果として、技術や知見が体系的に広がっていくのだと思います.

生活や仕事の場面でも、重なる部分が思いあたるのではないでしょうか.

「過ぎてかえらぬ不幸を悔やむのは、さらに不幸を招く近道だ」
(『ウィリアム・シェイクスピア『オセロー』)
P.53

シェイクスピア(1564~1616)の四台悲劇の一つ『オセロー』のセリフだそうです.

私はときどき、人生は、毎秒の積み重ねで、選択の連続だ、と思う時があります.そんなことを思い出しました.

あの時こういう選択があった、こういう世界線もあった、と過去を振り返る.しかし、未来に向けた反省はすれど、後悔は意味をなさないのでしません.

共感した名言です.

「辛抱強さはよいものだが、それが順風満帆のときであればなおよい」
(二ザーム・アルムルク『統治の書』)
P.58

『統治の書』は、「理想的な君主」について述べたもので、帝王学の教科書だそうです.その中に、この言葉があります.

人は、順風満帆な時ほど傲慢になりやすい、という性質を表したものです.恥ずかしながら私も、多々身に覚えがあります.

うまくいってる時ほど、世界の広さをイメージして、身の丈を知って、誠実に生きようと思える言葉でした.

さいごに

本書には、このほかにも多数の名言が収録されています.
ぜひご自身で読んでみてください!

また、この記事は、4つに分けて投稿します.
よろしければそちらもご覧いただけると幸いです!


以上となります.ご覧いただきありがとうございました!

スキは、強い励みになります.よろしければ応援をお願いします!
また、良いところ悪いところ、ご意見ご感想など、
コメントも気軽にしてください!(誹謗中傷は悲しいです)

よろしくお願いします.

のおと

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?